創業・開業で使えるお金を整理する(特定創業支援等事業・登録免許税軽減・自治体の創業補助のしくみ)
本記事は2026年7月17日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・受付期間はいずれも変更されることがあるため、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事が整理すること
起業や開業を考えている方が最初に直面するのは、「補助金や支援制度があると聞いたが、種類が多すぎてどこから手をつけるかわからない」という混乱です。
その原因はシンプルで、創業に関係する支援には「受けると別の支援が使いやすくなる仕組み」「会社設立の費用そのものが安くなるもの」「創業後の活動費を後払いで補助するもの」の3種類が混在しているからです。これを知らないまま調べると、何がどこに申し込めるのかがかみ合わずに、途中で手が止まってしまいます。
この記事では、個人事業主として開業するケースを中心に、2026年時点で使える代表的な創業支援制度を「入口から出口まで」の順番で整理します。本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成の代行・法律や税務の個別助言は行いません。
制度の全体像
創業を支える公的支援は、大きく3種類に分かれます。
1つ目が、「特定創業支援等事業」と呼ばれる市区町村主導の創業セミナー・窓口相談です。これは直接お金がもらえる仕組みではなく、受講・受支援の証明書を取得することで、後述する複数の優遇措置につながる入口になります。
2つ目が、法人設立時の「登録免許税の軽減」です。株式会社や合同会社を設立するときに法務局に納める登録免許税が、特定創業支援等事業の証明書があると通常の半額になります。個人事業主として開業届を出す場合は登録免許税そのものが存在しないため、この軽減の対象にはなりませんが、将来的に法人化する際に活用できます。
3つ目が、「自治体の創業補助金」です。都道府県や市区町村が独自に設けた補助で、開業後の販路開拓費・広告費・設備費などを後払いで一部補助するものです。上限額・対象経費・申請窓口は自治体ごとに大きく異なるため、本記事では探し方と共通の判断軸を中心に、いくつかの自治体の例も示しながら解説します。
以下の表は、3種類の制度の主な違いをまとめたものです(表001)。
| 制度 | もらえるもの | いつ活用するか | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 特定創業支援等事業(受講) | 証明書(後述の優遇につながる) | 創業前または創業後5年未満 | 市区町村・商工会議所等 |
| 登録免許税の軽減 | 設立コストの削減(最大7.5万円) | 株式会社・合同会社を設立するとき | 法務局(証明書を添付) |
| 自治体の創業補助金 | 補助金(後払い) | 創業後の活動費に対して | 各自治体の担当窓口 |
【無料サンプル】個人事業主として開業して特定創業支援等事業を受けるまでの手順を1ケース完全公開
「特定創業支援等事業の証明書を取りたいと思ったが、実際に何をどうすればいいかわからない」という声はよく聞きます。ここでは、典型的な1ケースとして「これから飲食店を個人事業主として開業する方が証明書を取得するまで」を、手順の途中も省略せずにすべて公開します。制度のしくみを理解するための一例であり、実際の要件・手順は自治体や時期によって異なる点はあらかじめご了承ください。
想定するのは次のようなケースです。
- 30代。会社員として勤務しながら週末に料理教室を運営してきた。今年中に会社を辞めて、個人事業主として飲食店を開業する予定。
- 住所は東京都内の市区町村。当該市区町村は産業競争力強化法に基づき創業支援等事業計画の認定を受けている。
- 今後、融資(日本政策金融公庫)にも申し込む予定があるため、証明書を取っておきたい。
まず「自分の市区町村が認定を受けているか」を確認することから始めます。中小企業庁のウェブサイトに「市区町村別の創業支援等事業計画の概要」が掲載されており、2025年12月時点で全国1,555市区町村が認定済みとなっています(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/nintei.html)。認定数は随時更新されるため最新は同サイトでご確認ください。多くの市区町村が対象に含まれているため、まず自分の自治体名で検索してみると確認できます。
次に、市区町村の窓口または公式サイトで「特定創業支援等事業」として実施されているメニューを確認します。主な形態は3種類あります。1つ目は創業塾・創業セミナーで、商工会・商工会議所や自治体が主催する数回の講義形式です。2つ目は個別相談で、各支援機関が定期的に開催する窓口相談を複数回受ける形式です。3つ目は両方を組み合わせたものです。いずれも「経営・財務・人材育成・販路開拓」の4項目を含み、4回以上かつ1か月以上継続する必要があります。
このケースでは、市区町村が商工会議所と連携して開催する「創業塾」を選ぶとします。毎月1回、全5回(約3か月)の日程で、各回90分の講義と質疑応答で構成されています。受講料は自治体・機関によって異なり、無料のものから数千円程度まであります。
受講を修了した後、市区町村に証明書の発行を申請します。必要書類は自治体ごとに異なりますが、おおむね次のものが求められます。申請書(自治体所定の様式)、受講修了証または出席証明(主催機関が発行)、本人確認書類の写し。発行手数料も自治体によって異なりますが、無料から300円程度が多い印象です。
証明書は創業前でも取得できます。「まだ会社員で開業していない段階」であっても、創業しようとしていることが前提であれば発行を受けられます(ただし有効期限が設けられている場合があるため、設立・開業のタイミングに合わせて計画的に取得することをおすすめします)。
証明書を手に入れたら、日本政策金融公庫の融資申込みの際に提出することで、貸付利率の引き下げ優遇を受けられる可能性があります。また、自治体の創業補助金の申請要件に「特定創業支援等事業の受講・証明書取得」が含まれている場合もあり、補助金への申請資格が広がります。
このケースでは、証明書を取得したのちに個人事業主として開業届を税務署に提出し、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の申込みへと進む流れになります。融資は返済が必要な借入ですが、証明書によって金利面の優遇が受けられる可能性があります(最新の優遇内容は公庫の窓口で確認してください)。
個人事業主として開業する場合、登録免許税の軽減は直接は関係しませんが、将来的に法人化(個人事業から株式会社や合同会社へ移行)するタイミングで証明書を使うことができます。ただし有効期限があるため、法人化の具体的な時期を念頭に置いて計画することが大切です。
このように、特定創業支援等事業は「お金が直接もらえる制度」ではなく、「ほかの支援を使いやすくする入口の制度」として機能しています。受講そのものが事業計画を整理する機会にもなるため、補助金や融資を使わない場合でも、創業前の学びの場として活用している方は多くいます。
ここから先は、申請に直結する実務です。
特定創業支援等事業の受け方・証明書の取得
どこで受けられるか
特定創業支援等事業は、産業競争力強化法に基づき、各市区町村が地域の支援機関と連携して実施しています。支援を受けられる窓口は主に以下の4種類です。
- 市区町村の産業振興・創業支援担当窓口
- 商工会議所・商工会
- 金融機関(銀行・信用金庫等)
- 地域の創業支援センター・インキュベーション施設
まず自分の市区町村の公式ウェブサイトで「創業支援」「特定創業支援等事業」と検索するか、産業振興課・経済政策課等の担当部署に電話で問い合わせると、どの機関でどのような形式の支援が実施されているかを教えてもらえます。
中小企業庁のウェブサイトには「市区町村別の創業支援等事業計画の概要」一覧があり、全国の認定自治体と連携支援機関が公開されています。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/nintei.html
受講・支援の要件
証明書を発行してもらうためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 支援内容に「経営・財務・人材育成・販路開拓」の4項目がすべて含まれていること
- 継続的な支援を4回以上かつ1か月以上にわたって受けること
- 対象者が「創業を行おうとする者」または「創業後5年未満の個人・法人代表者」であること
受講の形式は自治体や機関によって異なり、グループ講義形式の「創業塾」もあれば、個別相談を複数回受ける形式もあります。複数の機関を組み合わせて4回の要件を満たすことも可能な自治体があります。詳細は各自治体の担当窓口に確認してください。
証明書の申請
支援の修了後、市区町村に証明書の発行を申請します。申請に必要な書類はおおむね次の通りですが、自治体ごとに様式や添付書類が異なります。
- 証明書発行申請書(市区町村所定の様式)
- 支援機関が発行した修了証・出席証明等
- 本人確認書類の写し(創業後の場合は開業届の写しを求める自治体もある)
証明書には有効期限を設けている自治体が多く、会社設立・開業のタイミングに合わせて取得することをおすすめします。
登録免許税の軽減の使い方
通常の登録免許税の確認
会社設立時に法務局へ支払う登録免許税は、資本金の額によって変わります。計算式は「資本金×0.7%」ですが、その計算結果が最低税額を下回る場合は最低税額が適用されます。
- 株式会社:最低税額15万円(例:資本金が500万円以下の場合は15万円)
- 合同会社(LLC):最低税額6万円
証明書を使った軽減後の金額
特定創業支援等事業の証明書を法務局の設立登記申請書に添付すると、税率が0.7%から0.35%に半減し、最低税額も半額になります。
- 株式会社:最低税額7.5万円(通常15万円 → 7.5万円の節約)
- 合同会社:最低税額3万円(通常6万円 → 3万円の節約)
資本金が大きい場合は節約額も大きくなります。なお、資本金が約2,143万円以下の株式会社では資本金×0.7%の計算値が最低税額15万円を下回るため、軽減後の最低税額7.5万円が適用され、節約額は7.5万円となります(資本金が約2,143万円を超えると節約額は資本金×0.35%分になります)。
申請の流れ
証明書は法務局への登記申請時に添付します。設立登記の書類一式を司法書士に依頼する場合は、証明書を持参して事前に伝えておくと手続きをスムーズに進められます。自分で登記申請する場合は、法務局の窓口で証明書を申請書類とあわせて提出します。
個人事業主が登録免許税の軽減を使えないのはなぜか
個人事業主として開業届を税務署に提出する手続きには、登録免許税が発生しません。費用はかかりません。したがって「登録免許税の軽減」は法人設立の場面にのみ関係する話です。個人事業主として開業する際は、この項目は将来の法人成りを検討するときのために参考として覚えておくとよいでしょう。
証明書で使えるようになるその他の支援
特定創業支援等事業の証明書を取得することで、登録免許税の軽減以外にも複数の支援が活用しやすくなります。
信用保証協会の創業関連保証(前倒し利用)
信用保証協会の「創業関連保証」は、通常は事業開始の2か月前から利用できますが、証明書があると事業開始の6か月前から利用できるようになります。資金の手当てを早めに動かしたい場合に活用できます。
日本政策金融公庫の融資での優遇
証明書があると、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の貸付利率の引き下げ対象として申込みができる場合があります。具体的な優遇内容・利率は時期によって変わるため、申込み前に公庫の窓口(または公式サイト)で確認してください。
なお、「新創業融資制度」は2024年3月をもって取扱いを終了し、現在は「新規開業・スタートアップ支援資金」に統合されています。旧制度で設定されていた自己資金要件の特例については、現行制度における適用の有無を公庫窓口に直接確認することをおすすめします。
小規模事業者持続化補助金(創業型)への申請
「小規模事業者持続化補助金<創業型>」は、創業後間もない小規模事業者の販路開拓・生産性向上に要した費用の一部を補助する制度です(中小企業庁・令和7年度補正予算版)。2026年時点では第4回公募(申請受付開始2026年11月5日・申請受付締切2026年12月15日)が進行中です。
補助上限額は200万円(インボイス特例活用時は最大250万円)、補助率は2/3です。申請要件の一つとして「認定市区町村または認定連携創業支援等事業者が実施した特定創業支援等事業による支援を受けた日および開業日が、公募締切から起算して過去1か年の間であること」が含まれています。商工会・商工会議所から事業支援計画書の発行を受けて申請する形式です。
補助の上限額・補助率・申請期間は公募ごとに変わります。中小企業庁の公式サイト(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/jizokuka_sougyou/index.html)や事務局サイト(https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo/)で最新の公募要領を確認してください。
自治体の創業補助の探し方と判断軸
全国共通の金額は存在しない
自治体の創業補助金は、都道府県・市区町村が独自予算で設けている制度のため、上限額・対象経費・補助率・申請時期が自治体ごとにまったく異なります。同じ都内でも実施している区と実施していない区があり、毎年度予算が組み直されるため前年度の情報が翌年度にそのまま適用されるとは限りません。
いくつかの自治体の例
2026年時点で確認できた例を参考として示します(いずれも要件・受付期間等は変更の可能性があります)。
東京都中小企業振興公社が実施する「創業助成事業」(令和8年度)は、都内で創業予定または創業5年未満の中小企業者等が対象で、助成率は2/3以内、助成上限は400万円(内訳:事業費・従業員人件費の合計は300万円まで、委託費は100万円まで)です。申請には、都内区市町村での認定特定創業支援等事業の受講が要件の一つになっています。申請は電子申請(jGrants)で行い、年2〜3回の公募が設けられています。詳細は公式サイトでご確認ください。
(参考:https://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/finance/sogyo_josei.html)
名古屋市のスタートアップ企業支援補助金(令和8年度)は、市内での新規創業者または創業後5年以内の事業者が対象で、補助上限は100万円、補助率は対象経費の1/3(なごのキャンパス等への入会者は1/2)です。令和8年度の募集は1回のみ(5月〜6月初旬)で、採択件数は15件が目安とされていました。
(参考:https://www.city.nagoya.jp/keizai/page/0000080543.html)
福岡県の「福岡よかとこ起業支援」は、地域課題の解決を目的とした新規起業を対象に補助上限200万円・補助率1/2以内を設けている制度です。詳細・受付期間は事業年度ごとに更新されます。
(参考:https://fy-kigyo.com/)
これらはあくまで一例であり、それぞれの要件の詳細は各公式サイトで確認が必要です。
自分の地域の補助を探す方法
自治体の創業補助を探すには、以下の方法が有効です。
まず自分が創業する(または現在住んでいる)市区町村の公式ウェブサイトで「創業 補助金」「起業 助成金」などのキーワードで検索します。産業振興・創業支援の担当課のページに記載されていることが多いです。
次に、地域の商工会議所・商工会に問い合わせる方法があります。補助金情報を一括して案内してくれるケースが多く、特定創業支援等事業の相談と合わせて聞くと一度で情報が揃います。
中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」のサイトでは、都道府県別に創業者向けの補助金・助成金の一覧を検索できます(https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/sogyo.html)。
補助金共通の判断軸
自治体によって制度の中身は異なりますが、確認すべきポイントには共通したものがあります。
補助対象経費は何かを確認します。広告費・設備費・店舗改装費・商品開発費など、補助できる経費は制度ごとに決まっています。自分の創業計画で必要な経費が対象に含まれているかを先に確認することが重要です。
補助金は後払いが基本です。先に自己負担して経費を支払い、その後に申請・審査を経て補助金が交付される仕組みが一般的です。つまり手元にある程度の現金がないと補助金を活用できない点に注意が必要です。
予算枠があります。補助金はあらかじめ年度予算が決まっており、その枠に対して審査・採択が行われます。申請要件を満たしていても採択されない場合があります。また、予算の執行状況によって公募期間の途中で締め切りが早まることもあります。
融資との違い・注意点
補助金と融資は「創業に関係するお金の話」という点で同じカテゴリに見えることがありますが、性質がまったく異なります。
補助金(本記事で扱う自治体の創業補助等)は、一定の要件を満たすと後から交付されるお金です。返済の必要がない代わりに、審査・採択・実績報告など手続きが必要で、対象経費の縛りがあります。
融資(日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金など)は、金融機関から借りるお金で、返済が必要です。比較的低金利で無担保・無保証人タイプのものもあり、まとまった創業資金を手当てするときに活用されます。
両者は同時並行で進めることができます。融資の審査と補助金の申請を同時に動かすことは可能で、「融資で開業資金を確保しながら、補助金で開業後の販路開拓費の一部を賄う」という組み合わせが実際に行われます。ただし、「補助金が採択されると見越して資金計画を立てる」のはリスクがあります。採択されない可能性を前提に、補助金なしでも成り立つ計画を基本にしておくことをおすすめします。
よくある誤解・つまずきポイント
「特定創業支援等事業を受ければ補助金がもらえる」はずれ
特定創業支援等事業そのものはお金を受け取る制度ではなく、証明書を通じて他の支援を使いやすくする制度です。「受講した=お金がもらえる」ではなく、「受講した=別の支援への入口が開く」という理解が正しいです。
証明書は設立後しばらくたってから取れる
「会社を作った後で証明書を取ろうとしたら、登録免許税の軽減には使えなかった」というケースがあります。登録免許税の軽減は設立登記の申請時に証明書を添付する必要があるため、設立登記をする前に証明書を取得しておかなければなりません。設立のスケジュールを決めてから逆算して受講を始めることが大切です。
全国どの市区町村でも使えるわけではない
特定創業支援等事業は認定を受けた市区町村でしか実施されていません。2025年12月時点では全国1,555市区町村が認定済みと広くカバーされていますが、一部の市区町村では実施されていない場合があります。まず自分の自治体が対象かどうかを確認してください。
補助金と融資を混同しない
「創業に使えるお金を探していたら日本政策金融公庫の記事が出てきた」というケースが多くあります。公庫は融資(借入)の機関であり、補助金を出すわけではありません。補助金か融資かによって後の返済義務の有無が変わるため、調べる段階で区別しておくことが重要です。
申請チェックリスト
特定創業支援等事業の受講・証明書取得から、登録免許税軽減や補助金申請まで、確認すべき項目を整理します。制度の要件は年度・自治体によって変わるため、最終確認は公式窓口でお願いします。
特定創業支援等事業の受講前に確認すること
- 自分の市区町村が創業支援等事業計画の認定を受けているか(中小企業庁のリストで確認)
- どの機関でどのメニューが実施されているか(市区町村窓口・商工会議所に問い合わせ)
- 受講期間(4回以上・1か月以上)のスケジュールが自分の開業タイミングに合うか
- 受講開始前に事前申請・同意が必要かどうか(自治体によって要事前手続き)
証明書の取得に際して確認すること
- 必要書類は何か(市区町村ごとに様式が異なる)
- 証明書の有効期限はいつまでか
- 発行までの日数(窓口・郵送・オンラインの違いがある)
法人設立時の登録免許税軽減に際して確認すること
- 証明書の有効期限が設立登記の申請日までに残っているか
- 証明書を法務局の申請書類とあわせて提出することを確認したか
- 司法書士に依頼する場合は証明書の存在を事前に伝えたか
自治体の創業補助に申請する際に確認すること
- 補助対象経費に自分が想定する支出が含まれているか
- 申請時期(公募期間)を過ぎていないか
- 補助金は後払いであるため、先払いできる資金があるか
- 採択されない可能性があることを前提に資金計画を立てているか
よくある質問(FAQ)
Q1. 特定創業支援等事業の受講は有料ですか。
受講料は実施機関や自治体によって異なります。無料で実施しているところもあれば、数千円程度の受講料がかかるところもあります。詳細は各市区町村の窓口または商工会議所に確認してください。
Q2. 創業後でも証明書を取得できますか。
取得できます。創業後5年未満であれば対象になります。ただし、登録免許税の軽減を受けたい場合は法人設立の前に取得している必要があります。個人事業主として既に開業している場合は、将来の法人成りを検討する際に逆算して受講計画を立てることになります。
Q3. 複数の市区町村で受講した場合はどうなりますか。
特定創業支援等事業の証明書は、支援を受けた自治体(または連携機関の所在市区町村)が発行するのが基本です。複数の機関を組み合わせる場合の取扱いは自治体によって異なるため、事前に窓口に確認することをおすすめします。
Q4. 個人事業主として開業した後、後から法人にする場合も登録免許税の軽減は使えますか。
登録免許税の軽減は、設立登記の申請時に有効な証明書を法務局へ添付することで適用されます。証明書を取得・使用できる対象者は「創業を行おうとする者」または「創業後5年未満の個人・法人代表者」とされているため、個人事業主として開業した日(開業届に記載の開業日)から5年未満のうちに証明書を取得し、法人成りの登記時に添付する流れになります。証明書には有効期限があるため、法人成りの時期に合わせて取得することが大切です。
Q5. 補助金を受け取ったら確定申告(収入)として計上する必要がありますか。
創業補助金は原則として課税対象の収入として処理が必要です。ただし、圧縮記帳など経理上の取扱いは事業の状況や補助金の種類によって異なります。確定申告の方法については税理士や税務署に確認してください。本記事は税務の個別助言を行うものではありません。
Q6. 補助金をもらうためだけに法人を設立したほうがいいですか。
補助金を受け取るためだけに法人を設立することは、維持コスト(社会保険料・税理士費用・決算申告費用等)の観点から必ずしも得策ではありません。法人化するかどうかは事業規模・利益・取引先の要望など総合的な判断が必要です。個別の判断については税理士等に相談することをおすすめします。
Q7. 日本政策金融公庫の融資を受けるのに証明書は必須ですか。
必須ではありません。証明書がなくても融資の申込みはできます。ただし証明書があると貸付利率の引き下げ優遇が受けられる可能性があるため、取得できる状況なら持っておいて損はありません。
Q8. 自治体の創業補助金は毎年実施していますか。
自治体によります。毎年実施しているところもあれば、予算状況によって実施年と実施しない年がある場合もあります。前年度の情報だけで判断せず、申請を検討する年度の情報を自治体担当窓口または公式サイトで確認することをおすすめします。
Q9. 証明書の取得にはどのくらいの時間がかかりますか。
受講から証明書取得までの最短期間は、「4回以上かつ1か月以上の継続支援」という要件があるため、最低でも1か月以上かかります。月1回の講座であれば4か月以上かかることもあります。証明書の発行には申請後に数日〜数週間かかる自治体もあります。設立・開業の時期から逆算して早めに動き始めることが大切です。
Q10. 証明書を取得した後、補助金を使わなかった場合のペナルティはありますか。
証明書の取得自体にペナルティはありません。証明書は優遇措置の入口であり、使う義務はありません。取得したが使わなかったとしても、問題はありません。
出典一覧(URL・確認日)
本記事は以下の一次情報を確認した上で執筆しています。
- 中小企業庁「会社設立時の登録免許税の軽減について」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/registration-license-tax/index.html
確認日:2026年6月27日
- 中小企業庁「創業支援等事業計画について」(市区町村別認定一覧)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/sougyo_keikaku.html
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/nintei.html
確認日:2026年6月27日
- 産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画のガイドライン(中小企業庁、令和8年3月2日)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/download/guideline.pdf
- 中小企業庁「特定創業支援等事業によるメリット(パンフレット)」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/download/sogyo_shien.pdf
- 大阪市「特定創業支援等事業について」(証明書発行要件・支援内容の確認)
https://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000650806.html
確認日:2026年6月27日
- 福岡市「特定創業支援等事業のご案内」(メリット・手順の確認)
https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/r-support/business/tokutei-sougyou-sientoujigyou.html
確認日:2026年6月27日
- 東京都中小企業振興公社「創業助成事業」
https://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/finance/sogyo_josei.html
確認日:2026年6月27日
- 名古屋市「令和8年度名古屋市スタートアップ企業支援補助金」
https://www.city.nagoya.jp/keizai/page/0000080543.html
確認日:2026年6月27日
- 福岡県「福岡よかとこ起業支援(補助金)」
https://fy-kigyo.com/
確認日:2026年6月27日(検索結果により確認)
- 小規模事業者持続化補助金<創業型>公式サイト(第4回公募情報)
https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo/
確認日:2026年6月27日
- 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(創業型)第4回公募要領」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260527001.html
確認日:2026年6月27日
- 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(創業型)について」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/jizokuka_sougyou/index.html
確認日:2026年6月27日
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
- 中小企業基盤整備機構「J-Net21 創業者向け補助金・給付金(都道府県別)」
https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/sogyo.html
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言・税務的助言・投資助言・融資の可否判断を行うものではありません。制度の詳細・最新の要件・申請手続きについては、各公式サイトまたは担当窓口(市区町村の産業振興課・商工会議所・日本政策金融公庫の支店等)に直接ご確認ください。補助金の採択・給付は予算の範囲内で行われるものであり、要件を満たした全員が必ず受給できることを保証するものではありません。本記事に記載の金額・上限・要件は2026年7月17日時点の公開情報に基づいており、今後変更される場合があります。