出産・育児でもらえるお金まとめ(児童手当・出産育児一時金・妊婦のための支援給付を横断整理)

本記事は2026年6月26日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・受付期間はいずれも変更されることがあるため、申請前に必ず公式サイトまたは窓口で最新情報をご確認ください。

この記事が整理すること

出産や育児にともなってもらえるお金は、いくつもの制度に分かれています。なかでも代表的なのが、児童手当・出産育児一時金・妊婦のための支援給付(旧「出産・子育て応援交付金」)の3つです。

ところが、いざ調べようとすると壁にぶつかります。3つの制度はそれぞれ申請する窓口が違い、もらえる金額の数え方も、申請のタイミングも別々だからです。児童手当は市区町村、出産育児一時金は加入している医療保険、妊婦のための支援給付はまた市区町村と、窓口がばらばらに分かれています。個別の解説記事は多いのですが、3つを並べて「いつ・誰に・いくら・どこへ申請するか」を一度に見渡せる情報は意外と多くありません。

この記事では、出産・育児世帯が関わる代表的な3制度を横断的に整理します。最初に全体像を1つの表で示し、そのうえで無料サンプルとして児童手当の支給額を1ケースだけ最後まで計算してみます。本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行や書類作成の代行は行いません。

制度の全体像

出産・育児でもらえる代表的な3制度を、申請先・金額・タイミングの観点で並べると、輪郭がはっきりします。

1つ目の児童手当は、子どもが生まれてから高校生年代まで継続して受け取るお金です。2024年(令和6年)10月に制度が大きく拡充され、所得制限が撤廃され、支給対象が中学生年代から高校生年代まで延びました。申請先は住んでいる市区町村です。

2つ目の出産育児一時金は、出産にともなう費用を補助するお金で、子ども1人につき原則50万円が支給されます。申請先は、勤務先の健康保険や国民健康保険など、自分が加入している医療保険です。多くの場合、医療機関が本人に代わって受け取る「直接支払制度」が使われるため、窓口での支払いが軽くなります。

3つ目の妊婦のための支援給付は、もともと「出産・子育て応援交付金」という名前で2023年に始まった制度です。2025年(令和7年)4月から、子ども・子育て支援法に基づく恒久的な制度へと再編され、給付の名称も「妊婦のための支援給付」、受け取るお金は「妊婦支援給付金」と呼ばれるようになりました。妊娠の届出時と、おなかの赤ちゃんの数の届出後の2回に分けて、合計10万円相当(双子の場合は15万円相当)が支給されます。申請先は住んでいる市区町村です。なお、自治体によっては旧名称の「出産・子育て応援給付金」を引き続き使っている場合があります。

これらを表にまとめると次のようになります(金額・要件はいずれも2026年6月26日時点の確認情報です)。

制度名いつもらえるか誰がもらえるかいくらどこへ申請するか自分で申請するか
児童手当0歳から高校生年代(18歳到達後最初の3月31日)まで継続子どもを養育している方(所得制限なし)3歳未満は月15,000円、3歳〜高校生年代は月10,000円、第3子以降は一律月30,000円住んでいる市区町村(公務員は勤務先)必要(自動給付ではない)
出産育児一時金出産後(または直接支払制度で出産時に充当)医療保険の被保険者・被扶養者で妊娠4か月(85日)以上の出産子ども1人につき原則50万円(制度対象外は48万8,000円)加入している医療保険(協会けんぽ・健保組合・国保=市区町村・共済組合)直接支払制度を使えば原則不要。差額・産後申請は本人が手続き
妊婦のための支援給付(旧・出産子育て応援交付金)妊娠届出時と胎児数の届出後の2回妊婦(所得制限なし)妊娠時5万円+胎児1人あたり5万円(単胎で計10万円、双子で計15万円)住んでいる市区町村必要(妊娠届出・面談を経て申請)

このように、3制度は「申請先」も「金額の数え方」も「申請のタイミング」も別々です。1つずつ理解していけば難しくありませんが、まとめて把握しておかないと、もらい忘れや申請遅れにつながります。

【無料サンプル】子ども2人を育てる世帯が児童手当で「総額いくらもらえるか」を1ケースだけ無料で全部見せます

出産・育児のお金でいちばん知りたいのは、結局「自分の場合、合計でいくらもらえるのか」という金額の感覚だと思います。ここでは児童手当を取り上げ、典型的な1ケースを、途中の計算過程を省略せずに最後まで解いてみます。あくまで制度のしくみを理解するための一例であり、実際の金額は子どもの人数・年齢・生まれた時期によって変わる点はあらかじめご了承ください。

想定するのは、次のようなご家庭です。

まず、2024年10月以降の児童手当の支給額を確認します。年齢と「第何子か」によって月額が決まります。

このケースでは、子どもは2人なので「第3子以降」の加算はありません。それぞれの月額は次のようになります。

第1子(5歳)は3歳以上なので、月10,000円です。第2子(0歳)は3歳未満なので、月15,000円です。

まず、2人を合わせた今の月額を出します。

10,000円 + 15,000円 = 25,000円(現時点の世帯の児童手当の月額)

次に、それぞれの子が将来いくら受け取るかを、生まれてから高校生年代の終わり(18歳到達後最初の3月31日)までで積み上げてみます。考え方はシンプルで、3歳未満の期間は月15,000円、3歳から高校生年代の終わりまでは月10,000円を、月数分だけ足していきます。

第1子・第2子とも、生まれてから高校生年代の終わりまでに受け取る総額は、年齢の区切りごとに分けて計算します。

最初の3年間(0歳から3歳になるまで)は3歳未満なので、月15,000円です。

15,000円 × 36か月 = 54万円

ここで「3歳になるまで」の月数の数え方には自治体ごとの細かな規定がありますが、ここではおおよその目安として36か月で計算します。

3歳から高校生年代の終わりまでは月10,000円です。3歳の誕生日のあたりから18歳到達後最初の3月31日までは、おおよそ15年分にあたります。

10,000円 × 12か月 × 15年 = 180万円

この2つを合わせると、子ども1人が生まれてから高校生年代の終わりまでに受け取る児童手当の総額は、

54万円 + 180万円 = 234万円

という目安になります。実際には、生まれた月や3歳の誕生月の扱い、月の途中で年齢が切り替わるタイミングによって数か月分の差が出ますが、1人あたりおおむね230万円前後と覚えておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

このケースは子どもが2人なので、2人合わせた総額の目安は次のようになります。

234万円 × 2人 = 468万円

つまり、子ども2人を育てるこの世帯は、児童手当だけで18年かけておおよそ460万〜470万円台を受け取る計算になります。これに出産のたびにもらえる出産育児一時金(1人50万円)と、妊婦のための支援給付(1人あたり合計10万円相当)が加わります。

ここで強調しておきたいのは、児童手当は「自動的に振り込まれるお金ではない」という点です。第1子が生まれたとき、転入したとき、あるいは制度拡充で新たに対象になったときは、自分で市区町村に申請する必要があります。申請が遅れると、原則として遅れた月分はさかのぼって受け取れません。出生の翌日から15日以内に申請すれば、申請が翌月になっても出生月分から支給される「15日特例」があるため、出産後はできるだけ早く手続きすることが、もらい忘れを防ぐ最大のポイントです。

このように、児童手当は1ケースであれば、生まれてから高校生年代までの総額まで具体的に計算できます。ただし実際には、第3子以降の加算(月30,000円)や、子どもの人数の数え方(大学生年代まで含めて数える特例)、出産育児一時金の差額申請、妊婦のための支援給付の2回に分けた申請など、知っておくべき実務が制度ごとにあります。3制度それぞれの申請手順・必要書類・窓口、複数ケースの計算例、つまずきやすいポイント、チェックリスト、FAQはこの続きでくわしく解説します。

ここから先は、申請に直結する実務です。

児童手当の申請の実務

申請窓口と申請者

児童手当の申請窓口は、原則として住んでいる市区町村です。子どもの父母のうち、生計を維持する程度が高い方(多くの場合は収入が高い方)が申請者になります。公務員の場合は例外で、市区町村ではなく勤務先を通じて申請・支給を受けます。転職などで公務員になった、あるいは公務員でなくなった場合は、申請先が切り替わるため、その都度の手続きが必要です。

申請が必要になる主な場面

児童手当は自動で振り込まれる制度ではありません。次のような場面では、自分から申請する必要があります。

第1子が生まれたときは、出生届とは別に、児童手当の「認定請求書」を市区町村に提出します。出生届を出せば児童手当も自動で始まる、というわけではない点に注意してください。

他の市区町村から転入したときも、転入先の市区町村で改めて認定請求が必要です。前の住所地で受給していても、引っ越し先では自動的には引き継がれません。

第2子以降が生まれたときは、すでに児童手当を受給している場合、金額を増やすための「額改定認定請求書」を提出します。

2024年10月の制度拡充で新たに対象になった世帯(高校生年代の子だけを養育している、以前の所得制限で受給していなかったなど)も、申請が必要な場合があります。

申請のタイミングと15日特例

児童手当は、原則として「申請した月の翌月分」から支給されます。つまり申請が遅れると、その分だけ受け取れる月が後ろにずれてしまいます。

ただし、出生日や転入日(異動日)が月末に近い場合の救済措置として「15日特例」があります。異動日の翌日から15日以内に申請すれば、申請が翌月になったとしても、異動があった月の分から支給されます。出産後は手続きすることが多く忙しい時期ですが、児童手当の申請は出生の翌日からできるだけ早く、遅くとも15日以内を目安に行うことをおすすめします。

必要書類の目安

必要書類は市区町村によって異なりますが、一般的には次のようなものを求められます。

第3子以降の加算を受ける場合や、大学生年代の子を含めて子どもの人数を数える場合は、後述する「監護相当・生計費の負担についての確認書」が別途必要になります。最終的な必要書類は、住んでいる市区町村の児童手当のページで確認してください。

支給時期

2024年10月以降、児童手当は年6回、偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)に、それぞれ前月までの2か月分が支給されます。たとえば6月の支給では、4月分と5月分がまとめて振り込まれます。拡充前は年3回(2月・6月・10月)でしたが、回数が増えて家計に入るタイミングが多くなりました。

出産育児一時金の申請の実務

申請窓口

出産育児一時金の申請窓口は、自分が加入している医療保険です。会社員などで協会けんぽに加入している方は協会けんぽ、大企業などの健康保険組合に加入している方はその組合、自営業や無職などで国民健康保険に加入している方は市区町村、公務員などは共済組合が窓口になります。同じ「出産育児一時金」でも、加入先によって申請する場所が違う点に注意してください。

3つの受け取り方

出産育児一時金には、受け取り方が3つあります。

1つ目は直接支払制度です。出産する医療機関が、本人に代わって医療保険に一時金を請求し、保険者から医療機関へ直接支払われる仕組みです。本人は、出産費用が一時金(50万円)を超えた分の差額だけを医療機関の窓口で支払えばよく、まとまったお金を用意する負担が小さくなります。多くの医療機関がこの制度に対応しており、出産前に合意文書を取り交わすことで利用できます。

2つ目は受取代理制度です。被保険者本人が医療保険に支給申請を行い、医療機関が本人に代わって一時金を受け取る仕組みです。主に小規模な医療機関で使われます。利用には事前申請が必要で、申請できるのは出産予定日まで2か月以内の方に限られます。

3つ目は産後申請方式です。直接支払制度も受取代理制度も使わず、出産費用をいったん全額自分で支払い、後から医療保険に請求して一時金を受け取る方式です。出産後に本人が申請します。

差額の受け取り

直接支払制度を使った場合で、出産費用が一時金の額(50万円、または制度対象外の48万8,000円)より少なかったときは、その差額を医療保険に請求して受け取ることができます。協会けんぽの場合、差額の申請には申請する時期に応じて「内払金支払依頼書」または「差額申請書」を使います。支給決定の通知が届いた後に申請する「差額申請書」を使う場合は、添付書類は不要です。出産費用が一時金を下回ることは珍しくないため、差額が出ていないか必ず確認することをおすすめします。

必要書類の目安

直接支払制度を利用して差額を申請する場合は、申請する時期に応じて内払金支払依頼書または差額申請書を提出します(協会けんぽの場合、差額申請書を使うときは添付書類不要)。直接支払制度を利用せず産後に申請する場合は、医療機関と取り交わした代理契約に関する合意文書、出産費用の領収・明細書、出産の事実を証明する書類などが必要です。国民健康保険の場合は、本人確認書類、母子健康手帳、振込先のわかるもの、出産費用を証明する書類、合意文書などを求められるのが一般的です。

妊婦のための支援給付の申請の実務

制度名の整理(旧「出産・子育て応援交付金」からの移行)

まず押さえておきたいのが制度名の変化です。この制度は2023年に「出産・子育て応援交付金」として始まりましたが、2025年(令和7年)4月から、子ども・子育て支援法に基づく恒久的な制度に再編されました。現在の正式名称は「妊婦のための支援給付」で、受け取るお金は「妊婦支援給付金」と呼ばれます。あわせて、面談などの相談支援は「妊婦等包括相談支援事業」として児童福祉法に位置づけられました。

ただし、自治体によっては旧名称の「出産・子育て応援給付金」を引き続き使っている場合があります。市区町村のウェブサイトで「出産応援給付金」「子育て応援給付金」といった名前を見かけても、同じ枠組みの制度を指していることが多いと考えてよいでしょう。

申請窓口と金額の数え方

申請窓口は、住んでいる市区町村(保健センターや区役所など)です。経済的支援は2回に分けて支給されます。

1回目は、妊娠の届出(母子健康手帳の交付)をして妊婦としての認定を受けたときに5万円。2回目は、おなかの赤ちゃんの数の届出をした後に、胎児1人あたり5万円です。単胎(1人)なら合計10万円、双子(2人)なら合計15万円になります。2回目は「子どもの数」ではなく「胎児の数」が単位である点が特徴です。

支給の形は現金(口座振込)が基本ですが、自治体の判断でクーポンや電子マネーなどになる場合もあります。所得制限はありません。流産・死産・人工妊娠中絶の場合も、妊娠に着目した給付として対象になります。

申請の流れ(伴走型相談支援とセット)

この制度は、お金の支給と相談支援がセットになっているのが大きな特徴です。原則として次の3回の面談を受けながら手続きを進めます。

1回目は妊娠届出時(母子健康手帳の交付時)の面談です。このときにアンケートに答え、妊婦としての認定申請を行い、1回目の5万円につながります。2回目は妊娠8か月頃の面談(自治体によってはアンケート)です。3回目は出生届出後、赤ちゃん訪問・新生児訪問などのタイミングで、このときに胎児の数の届出などを経て2回目の給付につながります。

必要書類は自治体によって異なりますが、本人確認書類、振込先口座の情報、妊娠を確認できる書類などが一般的です。自治体によっては、面談後にスマートフォンから電子申請する仕組みを用意しているところもあります。具体的な流れと必要書類は、住んでいる市区町村のページで確認してください。

3制度をまたぐ申請タイムライン

出産・育児にともなう3制度は、申請のタイミングがそれぞれ違います。妊娠から出産、その後までを時系列で並べると、いつ何をすればよいかが見えてきます。

妊娠がわかったら、まず市区町村に妊娠の届出をして母子健康手帳を受け取ります。このとき面談を受けて、妊婦のための支援給付の1回目(5万円)の手続きをします。

妊娠8か月頃には、妊婦のための支援給付の2回目に向けた面談やアンケートがあります。

出産の前後では、出産育児一時金の受け取り方を決めます。直接支払制度を使う場合は、出産する医療機関と合意文書を取り交わします。

出産後は、いくつかの手続きが集中します。出生届を提出し、それとは別に児童手当の認定請求を市区町村に行います(出生の翌日から15日以内が目安)。妊婦のための支援給付の2回目(胎児1人あたり5万円)は、赤ちゃん訪問などのタイミングで手続きします。出産育児一時金で直接支払制度を使い、出産費用が50万円より少なかった場合は、差額の申請を医療保険に行います。

このように、出産後は児童手当・妊婦のための支援給付・出産育児一時金の差額と、複数の手続きが重なります。何をどこへ申請するかをあらかじめ把握しておくと、もらい忘れや申請遅れを防げます。

具体的な計算例・記入例

ここでは、無料サンプルとは別の条件で3つのケースを取り上げ、金額の計算と手続きのポイントを示します。いずれも制度の理解を助けるための一例であり、実際の金額は子どもの人数・年齢・出産の状況・自治体によって変わります。

ケース1:第3子が生まれた世帯の児童手当

想定するのは、上から15歳・10歳・0歳の子ども3人を育てる世帯です。2024年10月の拡充で、第3子以降は年齢にかかわらず月30,000円が支給されます。

それぞれの月額を確認します。第1子(15歳)は3歳以上なので月10,000円、第2子(10歳)も3歳以上なので月10,000円、第3子(0歳)は第3子以降なので月30,000円です。

10,000円 + 10,000円 + 30,000円 = 50,000円(この世帯の児童手当の月額)

第3子加算で注意したいのが「第何子か」の数え方です。2024年10月以降は、22歳到達後最初の3月31日(大学生年代の終わり)までの子を含めて、上から順に数えます。たとえば上の子がすでに大学生で児童手当の対象外であっても、その子を1人目として数えるため、下の子が「第3子」にあたれば月30,000円の加算対象になります。

この数え方を使うには、市区町村に「監護相当・生計費の負担についての確認書」を提出する必要があります。大学生年代の子を経済的に支えている場合は、この確認書を出さないと第3子以降の加算が受けられないことがあるため、忘れずに手続きしてください。

ケース2:出産費用が一時金より少なかったケース(差額申請)

想定するのは、産科医療補償制度に加入する医療機関で出産し、出産育児一時金50万円の対象になったものの、実際の出産費用が46万円だったケースです。

直接支払制度を使っていれば、医療機関には一時金50万円のうち実費の46万円が支払われ、差額が手元に残ります。

50万円 − 46万円 = 4万円(受け取れる差額)

この4万円は自動では振り込まれないことがあるため、加入している医療保険に差額を申請します。協会けんぽの場合は、申請する時期に応じて「内払金支払依頼書」または「差額申請書」を提出します(差額申請書を使うときは添付書類不要)。出産費用が一時金を下回ることは珍しくないため、差額が出ていないか出産後に必ず確認することをおすすめします。

ケース3:双子を出産した世帯がもらえるお金の合計

想定するのは、双子(2人)を出産した世帯が、3制度から受け取れるお金を合計してみるケースです。

まず出産育児一時金は、子ども1人につき原則50万円です。多胎児の場合は胎児数分が支給されるため、双子なら2人分です。

50万円 × 2人 = 100万円

次に妊婦のための支援給付は、妊娠時の5万円に加えて、2回目は胎児1人あたり5万円です。双子の場合、2回目は2人分になります。

5万円(妊娠時) + 5万円 × 2人(胎児数分) = 15万円

最後に児童手当は、双子それぞれに支給されます。2人とも3歳未満であれば、

15,000円 × 2人 = 30,000円(月額)

これが2人とも3歳になるまで毎月続きます。出産時にまとまって受け取れるお金(出産育児一時金100万円+妊婦のための支援給付15万円=115万円)に加えて、児童手当が継続して入ってくる形になります。双子は出費も大きくなりますが、出産育児一時金と妊婦のための支援給付がいずれも人数分・胎児数分で支給される点は、覚えておくと安心です。

よくある誤解・つまずきポイント

出生届を出せば児童手当も自動で始まる、という誤解

出生届と児童手当の認定請求は別の手続きです。出生届を市区町村に出しても、児童手当が自動で始まるわけではありません。児童手当を受け取るには、別途「認定請求書」を提出する必要があります。しかも申請が遅れると、原則として遅れた月分はさかのぼって受け取れません。出生の翌日から15日以内の申請(15日特例)を目安に、早めに手続きすることが大切です。

「所得が高いと児童手当はもらえない」という古い情報

かつての児童手当には所得制限があり、収入が一定以上の世帯は月5,000円の特例給付になったり、対象外になったりしていました。しかし2024年10月の拡充で所得制限は撤廃され、現在は収入にかかわらず満額が支給されます。インターネット上には拡充前の古い情報が残っているため、「うちは所得が高いからもらえない」と思い込んで申請しないと、もらえるはずのお金を取りこぼすことになります。

第3子加算の「数え方」を取り違える

第3子以降は月30,000円という大きな加算がありますが、「第何子か」の数え方を取り違えると損をします。2024年10月以降は、22歳到達後最初の3月31日(大学生年代の終わり)までの子を含めて、上から順に数えます。すでに児童手当の対象外になった上の子も、経済的に支えていれば人数に数えられます。ただし、この数え方を使うには確認書の提出が必要です。確認書を出し忘れると、本来は第3子として月30,000円の対象になる子が、月10,000円や15,000円のままになってしまうことがあります。

出産育児一時金の差額を申請し忘れる

直接支払制度を使った場合、出産費用が一時金(50万円)より少なければ差額が出ます。この差額は自動で振り込まれないことがあり、自分で申請して初めて受け取れます。出産後の忙しさで申請を忘れると、本来受け取れる数万円を取りこぼしてしまいます。出産費用の明細を確認し、一時金を下回っていれば差額申請を行いましょう。

制度名が変わったことに気づかず混乱する

「出産・子育て応援交付金」は2025年4月から「妊婦のための支援給付(妊婦支援給付金)」に再編されました。古い記事では旧名称で説明されていることが多く、一方で自治体のページでは「出産応援給付金」などの旧称が残っている場合もあります。名前は違っても、妊娠時5万円+胎児1人あたり5万円という枠組みは引き継がれています。名称の違いに惑わされず、住んでいる市区町村のページで現在の手続きを確認してください。

申請チェックリスト

ここでは、3制度それぞれについて、何をいつまでに準備すればよいかを整理します。制度や自治体によって必要書類が追加・変更されることがあるため、最終的には市区町村・医療保険の窓口や各公式サイトで最新の様式を確認してください。

児童手当で準備するものの目安は、おおむね次の通りです。

出産育児一時金で確認・用意しておきたいことは、次の通りです。

妊婦のための支援給付で準備するものの目安は、次の通りです。

よくある質問(FAQ)

出産・育児でもらえるお金について、迷いやすい点をQ&A形式で整理します。制度の詳細や最新の要件は変わることがあるため、最終的な判断の前には公式サイトや窓口での確認をおすすめします。

Q1. 児童手当は今でも所得制限がありますか。

いいえ、2024年10月の拡充で所得制限は撤廃されました。現在は世帯の収入にかかわらず、対象となる子どもについて満額が支給されます。以前の所得制限で受給していなかった世帯は、新たに申請が必要な場合があります。

Q2. 児童手当は高校生でももらえますか。

はい。2024年10月の拡充で、支給対象が中学生年代から高校生年代(18歳到達後最初の3月31日)まで延長されました。高校生年代の子も月10,000円(第3子以降は月30,000円)の対象です。

Q3. 第3子以降が月30,000円になる「第3子」はどう数えますか。

22歳到達後最初の3月31日(大学生年代の終わり)までの子を含めて、上の子から順に数えます。すでに児童手当の対象外になった上の子でも、経済的に支えていれば人数に数えられます。この数え方を使うには、市区町村に「監護相当・生計費の負担についての確認書」を提出する必要があります。

Q4. 児童手当の申請はいつまでにすればよいですか。

原則として申請した月の翌月分から支給されるため、できるだけ早く申請するのが基本です。出生や転入の場合は、その翌日から15日以内に申請すれば、申請が翌月になっても異動のあった月の分から支給される「15日特例」があります。

Q5. 出産育児一時金はいくらもらえますか。

子ども1人につき原則50万円です。産科医療補償制度に加入する医療機関等で在胎週数22週以降に出産した場合の額で、その制度の対象外(未加入機関や22週未満の出産)の場合は48万8,000円になります。多胎児の場合は胎児数分が支給されます。

Q6. 出産育児一時金は自分で申請しないともらえませんか。

直接支払制度を使う場合は、医療機関が本人に代わって医療保険に請求するため、本人が改めて申請しなくても出産費用に充当されます。ただし、出産費用が一時金を下回って差額が出た場合や、直接支払制度を使わず産後に申請する場合は、本人が申請する必要があります。

Q7. 出産費用が50万円より安かったら、残りはどうなりますか。

差額を受け取れます。直接支払制度を使った場合、出産費用が一時金より少なければその差額を医療保険に請求できます。協会けんぽの場合は、申請する時期に応じて内払金支払依頼書または差額申請書を提出します(差額申請書を使うときは添付書類不要)。自動で振り込まれないことがあるため、出産後に明細を確認して申請しましょう。

Q8. 「出産・子育て応援交付金」と「妊婦のための支援給付」は別の制度ですか。

同じ枠組みの制度です。2023年に始まった「出産・子育て応援交付金」が、2025年4月から「妊婦のための支援給付(妊婦支援給付金)」として法律に基づく恒久制度に再編されました。妊娠時5万円+胎児1人あたり5万円という金額の枠組みは引き継がれています。自治体によっては旧名称を使っている場合があります。

Q9. 妊婦のための支援給付はいくらもらえますか。

妊娠の届出時に5万円、おなかの赤ちゃんの数の届出後に胎児1人あたり5万円です。単胎なら合計10万円、双子なら合計15万円になります。2回目は「胎児の数」が単位になる点が特徴です。

Q10. 妊婦のための支援給付に所得制限はありますか。

ありません。妊娠に着目した給付のため、収入にかかわらず対象になります。流産・死産・人工妊娠中絶の場合も対象です。

Q11. 流産や死産の場合でも、もらえるお金はありますか。

あります。出産育児一時金は、妊娠4か月(85日)以上であれば、早産・死産・流産・人工妊娠中絶でも対象になります。妊婦のための支援給付も、妊娠に着目した給付のため、流産・死産・中絶の場合も対象です。つらい状況でのお知らせになりますが、受けられる支援があることを知っておいていただければと思います。

Q12. 共働きの場合、児童手当はどちらが申請しますか。

父母のうち、生計を維持する程度が高い方(多くの場合は収入が高い方)が申請者になります。世帯で1人が代表して申請し、その方の口座に振り込まれる形が基本です。

Q13. 引っ越しをしたら児童手当の手続きは必要ですか。

必要です。前の住所地で受給していても、転入先の市区町村で改めて認定請求をしないと、引っ越し先では支給が始まりません。転入の翌日から15日以内の申請を目安に、早めに手続きしてください。

Q14. これらのお金は、申請すれば必ず満額もらえますか。

児童手当と妊婦のための支援給付は、要件を満たして正しく申請すれば、定められた額が支給されます。出産育児一時金も子ども1人につき原則50万円が支給されますが、出産費用がそれより少なければ差額を申請して受け取る形になります。いずれも申請を忘れたり遅れたりすると受け取れない、あるいはさかのぼれないことがあるため、早めの手続きが大切です。

出典一覧(URL・確認日)

本記事は以下の一次情報を確認した上で執筆しています。

https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/annai

確認日:2026年6月26日

https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/mottoouen

確認日:2026年6月26日

https://www.city.yokohama.lg.jp/kosodate-kyoiku/oyakokenko/teate/teate/jite-R6kaisei.html

確認日:2026年6月26日

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shussan/index.html

確認日:2026年6月26日

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/childbirth/002/index.html

確認日:2026年6月26日

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/faq/benefit/006/index.html

確認日:2026年6月26日

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/i-anzen/sanka-iryou/index.html

確認日:2026年6月26日

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/kokuho/iryo/konnatoki/birth.html

確認日:2026年6月26日

https://www.cfa.go.jp/policies/shussan-kosodate

確認日:2026年6月26日

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/be80930d-51d1-4084-aa3e-b80930646538/5f5881e1/20251014_policies_shussan-kosodate_84.pdf

確認日:2026年6月26日

https://www.city.kawasaki.jp/450/page/0000146038.html

確認日:2026年6月26日

https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/kodomobukodomomiraicenter/gyomuannai/2/boshihoken/12195.html

確認日:2026年6月26日

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言を行うものではありません。制度の詳細・最新の要件・申請手続きについては、各公式サイトまたは担当窓口(市区町村・加入している医療保険・税務署など)に直接ご確認ください。給付や手当は要件を満たした方に支給されるものですが、申請の遅れや要件の不充足によって受け取れないことがあります。記載した金額・要件・期限は2026年6月26日時点の確認情報であり、今後の制度改正により変更される可能性があります。