補助金・給付金・助成金を取りこぼさない探し方の全体像(jGrants・ミラサポplus・自治体広報・窓口相談まで)
本記事は2026年6月27日時点の公開情報に基づきます。各ポータルの仕様・掲載制度は随時変更されるため、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事が整理すること
この記事は、補助金ラボシリーズ(全100本)の第99回にあたります。1回から98回までは、制度ごとの「いつ・誰に・いくら・どこへ申請するか」を個別に解説してきましたが、この記事では「そもそもどうやって制度を見つけるか」という探し方そのものを体系化します。
補助金・給付金・助成金を「知らなかった」「見つけられなかった」という理由で受け取れなかった方は、実はかなりの数にのぼると言われています。国の制度だけでなく都道府県・市区町村の制度、さらには財団や民間の給付まで含めると、個人と家計が活用できる制度は年間を通じて膨大な数が存在します。それでも多くの方が申請漏れを起こしているのは、探し方に体系がないことが大きな原因です。
この記事は次のような方に向けて書きました。
仕事をしている個人事業主で、国や自治体の補助金をどこから探せばよいかわからないという方。会社員の家庭で、育児・介護・医療・省エネなど生活に関わる給付制度を見落とさずに把握したいという方。シリーズ全体を「入口」から使いたい方。そして、一度制度を調べた後で定期的に見直しをしたい方。
この記事を読むことで、次のことが整理できます。
国の公的ポータルであるjGrantsとミラサポplusの役割の違いと使い分け。個人・家計向けの給付制度に特化した探し方(事業者向けサイトだけに頼らないルート)。自治体のホームページ・広報誌・LINEをどう使うか。商工会議所・よろず支援拠点・地域包括支援センター・社会福祉協議会といった窓口の使い方。申請漏れを防ぐための定期的な情報収集の習慣。シリーズ内の関連記事へのナビゲーション(どの制度は何番を読めばよいか)。
なお、本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言は行いません。各制度の詳細は公式サイトまたは担当窓口にてご確認ください。
制度探しの全体像
補助金・給付金・助成金の探し方は、大きく5つのルートに分けて考えると整理しやすくなります。
1つ目は、国の公的ポータルを使うルートです。jGrants(Jグランツ)やミラサポplusは、国が提供する公的な情報ポータルです。とくに事業者・個人事業主が国の補助金を探す際に強みを発揮します。
2つ目は、自治体のウェブサイトを直接調べるルートです。都道府県・市区町村の公式ページには、国の制度の上乗せ補助や独自の給付制度が掲載されています。検索エンジンからは見つかりにくい制度も、自治体の担当課ページに直接アクセスすると見つかることがあります。
3つ目は、自治体の広報誌・メルマガ・LINE公式アカウントを活用するルートです。短期間しか募集しない少額の独自制度は、広報紙にしか掲載されないケースも少なくありません。
4つ目は、民間の補助金検索サイトを使うルートです。補助金ポータル・スマート補助金・助成金なうなどは、国・自治体・財団の制度を横断的に検索できます。件数は多いですが、鮮度の確認は必要です。
5つ目は、窓口に直接相談するルートです。商工会議所・よろず支援拠点は事業者向け、地域包括支援センター・社会福祉協議会は高齢者・障害者・困窮者向けに強みがあります。公的専門家が無料で相談に乗ってくれます。
この5つのルートを「目的別に使い分ける」ことが、取りこぼしを防ぐ探し方の基本になります。
「制度を知らない」という問題の構造
支援制度が活用されない最大の理由は「制度の存在を知らない」ことです。これは認知の非対称性と呼ばれる問題です。
制度を作る側(国・自治体・財団)は当然その制度を知っています。しかし、制度を受け取る立場にある個人や事業者は、自分から積極的に調べない限り、制度の存在を知るきっかけがありません。
制度の存在を知りにくい理由はいくつかあります。制度の名称が難解で検索しにくいこと(「就学援助制度」「特定疾病療養受療証」「補装具費支給」などは、検索する言葉を事前に知っていないと探せません)。制度が複数の管轄にまたがっていること(国・都道府県・市区町村それぞれが別の制度を運営していて、一つのサイトで全部は分からない)。募集期間が短い制度は、周知される前に終わってしまうこと。申請しなくても自動的に給付される制度(プッシュ型給付)と申請必須の制度が混在していることも、混乱の原因になっています。
この構造を理解した上で、次のセクションから具体的な探し方を順番に解説していきます。
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ここでは、個人事業主のAさん(40代・東京都在住・デザイン業)が、初めてjGrantsとミラサポplusを使って自分に合う補助金を探すまでの手順を、省略せずに全部見せます。
Aさんの状況は次の通りです。売上はコロナ禍から回復中で、今後パソコンやソフトウェアの設備投資をしたいと考えています。これまで補助金を申請したことはなく、どこから始めればよいかわからない状態でした。
まずAさんが取り組んだのは、GビズIDの取得です。jGrantsで補助金を申請するにはGビズIDプライムが必要です。GビズIDの公式サイト(https://gbiz-id.go.jp/)にアクセスして申請の種類を確認すると、マイナンバーカードを使ったオンライン即日申請と、書類を郵送する方法(3〜4週間程度かかる)の2種類があることがわかりました。Aさんはマイナンバーカードを持っていたのでオンライン申請を選び、その日のうちにGビズIDプライムを取得しました。
次にAさんはjGrantsのトップページ(https://www.jgrants-portal.go.jp/)にアクセスしました。ログインしなくても補助金の情報閲覧はできます。「補助金を探す」から検索画面に進み、業種を「サービス業」、対象地域を「東京都」に絞り込みました。キーワード欄に「デジタル」と入力したところ、複数の補助金が表示されました。それぞれをクリックすると、補助上限額、補助率、申請期間、対象者要件が確認できました。Aさんが注目したのはIT導入補助金と小規模事業者持続化補助金の2つです。どちらも電子申請がjGrants経由で可能でした。
それから1週間後、Aさんはミラサポplus(https://mirasapo-plus.go.jp/)も確認しました。ミラサポplusの「制度を探す(制度ナビ)」から、業種・地域・支援分野で絞り込むと、jGrantsには掲載されていなかった都道府県レベルの制度(東京都中小企業振興公社の助成金)が表示されました。さらに「事例ナビ」で自分と同じデザイン業の事業者がどの補助金を活用したかの事例を確認できたため、申請の動機がより具体的になりました。
Aさんが最終的に選んだのは小規模事業者持続化補助金でした。補助上限50万円(一般枠)で補助率2/3のこの制度は、パソコンの購入費なども対象になることがわかりました。jGrantsでGビズIDを使ってマイページを作成し、経営計画書と補助事業計画書の作成に取り掛かりました。商工会議所の担当者に計画書の書き方を無料で相談できることもわかり、近くの商工会議所に予約を入れました。
Aさんがこの探し方で得た気づきは3つでした。GビズIDは早めに取得すること(申請期間ぎりぎりだと間に合わないことがある)。jGrantsは申請のシステムであると同時に、補助金の一覧を確認できる情報源でもあること。ミラサポplusには都道府県・市区町村単位の制度も掲載されており、jGrantsとは補完関係にあること。
ここから先は、申請に直結する実務です。
第1章 jGrants(Jグランツ)の使い方と申請できる補助金の範囲
jGrantsとは何か
jGrants(Jグランツ)は、国の補助金・助成金をオンラインで申請できるシステムです。デジタル庁が整備・運営しており、2026年4月時点で170件を超える補助金・助成金が申請対象となっています。公式サイトのURLはhttps://www.jgrants-portal.go.jp/ です。
jGrantsが登場する前、補助金の申請は原則として郵送か持参による書面提出でした。jGrantsの導入により、パソコンやスマートフォンから24時間365日いつでも申請できるようになりました。申請から採択通知、交付申請、実績報告といった後続手続きまで、一連の流れをオンラインで完結できます。
ただし、jGrantsで申請できるのはあくまで「国の補助金」が中心です。自治体独自の補助金や、個人・家計向けの生活給付制度(児童手当・住居確保給付金・就学援助など)はjGrantsの対象外です。jGrantsは主に事業者・個人事業主が使うシステムだと理解しておくと、迷いが少なくなります。
GビズIDとは何か、どう取得するか
jGrantsを使って補助金を申請するためには、GビズIDというアカウントが必要です。これはデジタル庁が運営するアカウントで、一度取得すれば複数の政府系サービスで使い回すことができます。
GビズIDには3つの種類があります。
GビズIDプライムは、法人代表者または個人事業主本人が取得する最も基本的なアカウントです。マイナンバーカードを使ったオンライン申請では速やかな(最短即日)発行が可能です。マイナンバーカードがない場合は書類を郵送して申請しますが、2026年6月時点では1週間程度(最大2週間)かかります。なお、2026年7月以降は書類郵送による申請の審査期間が最大1か月に延長される予定です。補助金の申請期間が決まっている中で動く場合、GビズIDの取得が間に合わなかったという失敗が多く起きています。補助金を検討し始めた段階で、すぐに取得を始めることを強くおすすめします。
なお、2026年7月以降にはGビズIDプライム・メンバーに有効期限(アカウント発行日から2年3か月)が新設されます。既存アカウントも導入日から2年3か月の有効期限が設定されるため、期限が近づいたら更新手続きが必要になります。
GビズIDメンバーは、GビズIDプライムを持つ法人代表者・個人事業主が、従業員に対して発行するアカウントです。例えば経理担当者が申請作業を行う場合にはGビズIDメンバーを使います。
GビズIDエントリーは、一部のサービスに限定された簡易版のアカウントです。jGrantsの申請には使えません。
GビズIDの取得は、公式サイト(https://gbiz-id.go.jp/)から行います。マイナンバーカードの読み取りにはスマートフォンのNFCリーダー機能、またはICカードリーダーが必要です。取得手順としては、公式サイトのトップから「GビズIDプライム」を選択し、法人または個人事業主の区分を選んで必要情報を入力します。マイナンバーカードによる電子証明書の確認が完了すれば、その場でアカウントが発行されます。
jGrantsで補助金を検索する手順
jGrantsにはGビズIDでログインしなくても補助金の検索・閲覧ができます。申請にはログインが必要ですが、まずはどんな補助金があるかを確認するだけであれば、アカウントなしで使えます。
検索の手順は次の通りです。
jGrantsのトップページ(https://www.jgrants-portal.go.jp/)を開きます。「補助金を探す」または「補助金一覧」のリンクをクリックします。絞り込み条件として、業種(製造業・サービス業・農業など)、対象地域(都道府県単位で選択可能)、補助金の種類(設備投資・研究開発・雇用・省エネなど)を設定します。キーワード検索も併用できます(例:「デジタル」「省エネ」「IT」)。一覧から気になる補助金をクリックすると、制度の概要・補助上限額・補助率・申請期間・対象者要件・申請方法が表示されます。
検索結果を見る際に注意したいのは、「公募中」「公募準備中」「終了」というステータス表示です。公募準備中の段階で確認しておくと、実際の公募開始後にすぐ動けます。
jGrantsで申請できる主な補助金の例
jGrantsで申請できる代表的な補助金として、以下のものがあります。これらはいずれも個人事業主も対象に含まれています。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のITツール(会計ソフト・在庫管理・顧客管理など)の導入費用を補助する制度です。補助上限や補助率は枠によって異なります。
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓・業務効率化に取り組む費用を補助する制度です。一般枠では補助上限50万円・補助率2/3が目安とされていますが、公募回によって内容が変わります。
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、設備投資や試作品開発を通じた革新的なサービス・生産プロセスの改善を支援する制度です。補助上限は中小企業の規模と枠によって異なります。このシリーズの第79回に詳しい解説があります。
なお、jGrantsに掲載されている補助金はすべてが常時公募しているわけではなく、各制度ごとに公募期間が決まっています。自分が関心を持った制度の次回公募時期を確認して、スケジュールを立てておくことが重要です。
jGrantsの利用でつまずきやすい点
jGrantsを使い始めた方がつまずきやすいポイントを整理します。
最もよくある失敗がGビズIDの取得が間に合わないケースです。補助金の締切1週間前になってから申請を始めようとしたものの、GビズIDが取得できていなかったというケースです。書類郵送での取得は2026年6月時点で1週間程度(最大2週間)かかりますが、2026年7月以降は最大1か月に延長される予定です。補助金を検討し始めた段階ですぐに申請することが大切です。
次に多いのが、公募中かどうかを確認しないまま準備を進めるケースです。jGrantsに掲載されている補助金でも、その時点で公募が終了している場合があります。公募期間を最初に確認する習慣をつけましょう。
書類のアップロード形式や添付ファイルのサイズ制限に引っかかるケースも起きています。PDF形式が基本で、ファイルサイズに上限が設けられていることが多いです。大きな資料は分割して添付するなどの対応が必要なことがあります。
採択通知後の交付申請・実績報告もjGrantsから行います。採択されたからといって終わりではなく、後続の手続きも電子で完結させる必要があります。補助対象経費の支出・購入をすませてから実績報告を行い、その後に補助金が振り込まれるのが通常の流れです。
第2章 ミラサポplusの使い方:制度ナビ・事例ナビ・GビズID連携
ミラサポplusとは何か
ミラサポplus(公式URL:https://mirasapo-plus.go.jp/)は、経済産業省・中小企業庁が運営する中小企業・小規模事業者向けの総合支援ポータルサイトです。補助金の検索だけでなく、経営相談・専門家とのマッチング・事例の参照など、多面的な機能を持っています。
jGrantsとミラサポplusはよく混同されますが、役割が異なります。jGrantsは「補助金を申請する」ためのシステムで、申請手続きそのものを行うプラットフォームです。ミラサポplusは「補助金・支援制度を調べる・学ぶ・相談する」ための情報ポータルです。補助金を探す段階ではミラサポplusが出発点になることが多く、申請の段階ではjGrantsに移行する、という流れが典型的です。
制度ナビの使い方
制度ナビは、ミラサポplusの中で最も利用頻度が高い機能です。URLはhttps://seido-navi.mirasapo-plus.go.jp/catalogs です。
制度ナビでできることは次の通りです。
業種・地域・支援分野(設備投資・人材育成・販路開拓・省エネなど)を組み合わせて補助金・助成金を絞り込めます。国の制度だけでなく、都道府県・市区町村の制度も掲載されています。この点がjGrantsとの最大の違いで、地域の独自制度を探す際にミラサポplusが有利です。
各制度の詳細ページでは、補助上限額・補助率・対象者・申請期間・申請窓口・必要書類の概要が確認できます。
気になる制度をお気に入り登録すると、後から一覧で比較できます。
公募予告の段階で掲載されるケースがあります。jGrantsに正式に公開される前から情報をキャッチできることがあるため、余裕をもって動くためにはミラサポplusの定期的なチェックが有効です。
制度ナビを使うときの注意点として、掲載されている情報がリアルタイムで更新されているとは限りません。各制度の詳細は必ず制度ナビに記載されている公式サイトのURLを確認してください。
事例ナビの使い方
事例ナビは、実際に補助金・助成金を活用した中小企業・個人事業主の事例を検索・閲覧できる機能です。
事例ナビが役立つ場面は、「自分と同業種・同規模の事業者がどの補助金を使ったか」を知りたいときです。業種・従業員規模・活用した支援制度などで絞り込むと、類似のケースが表示されます。
補助金の申請に踏み出せない理由の一つが「自分でも使えるのかどうかよくわからない」という不安です。事例ナビで近いケースを見ると、イメージが具体化します。
GビズID連携機能
ミラサポplusに会員登録(無料)すると、GビズIDと連携できます。連携後は、登録した業種や事業規模・地域情報をもとにした「おすすめ制度」がトップページに表示されるようになります。また、公募開始・終了のタイミングでメール通知を受け取ることもできます。
GビズIDをすでに持っている場合は、改めてアカウントを作らずにミラサポplusにログインできます。jGrantsとミラサポplus、どちらもGビズIDで一元管理できるのは便利な点です。
ミラサポplusと雇用関係助成金ポータルの使い分け
雇用調整助成金・両立支援等助成金・人材開発支援助成金など、厚生労働省所管の雇用関係助成金を探したい場合は、ミラサポplusとは別に「雇用関係助成金ポータル」(https://www.esop.mhlw.go.jp/)を確認する必要があります。
雇用関係助成金ポータルは、厚生労働省が運営する雇用関係助成金専用の検索・電子申請システムです。こちらもGビズIDを使って電子申請できます。
ミラサポplusは経産省(中小企業庁)所管の制度が中心、雇用関係助成金ポータルは厚労省所管の雇用助成金が中心、という役割分担を覚えておくと探しやすくなります。なお、雇用関係助成金系の申請書類の作成代行・手続き代行は社会保険労務士法の業務範囲であり、本記事は情報提供にとどめます。個別の申請に際しては社会保険労務士への相談も選択肢の一つです。
第3章 民間補助金検索サイトの比較と使い分け
民間サイトの役割と位置づけ
国の公的ポータルだけでは、自治体独自の補助金や財団の助成金まですべてをカバーできません。民間が運営する補助金検索サイトは、こうした情報を横断的に集約することを目的として作られています。代表的なサイトを3つ取り上げて比較します。
補助金ポータル(hojyokin-portal.jp)
株式会社補助金ポータルが運営する検索サイトで、国・都道府県・市区町村・財団など3万件以上の制度情報を掲載しています。地域・目的・対象者で絞り込む検索機能があり、キーワード検索も使えます。
特徴として、税理士・行政書士など専門家とのマッチングサービスがある点が挙げられます。補助金を見つけた後、申請書類の作成支援を専門家に依頼したい場合の入口にもなります。
注意点として、掲載情報の更新タイミングは制度によって異なります。最終的には、表示された制度の公式ページで申請期間・要件・補助額を必ず確認してください。
スマート補助金(smart-hojokin.jp)
株式会社Blitzが運営するサービスで、6万件以上の補助金・助成金・給付金情報を掲載しています。都道府県・業種・規模・目的で絞り込める検索機能が充実しており、「セルフ補助金診断」を申し込むと専門スタッフから診断結果の説明が受けられます。
掲載件数の多さは強みですが、件数が多い分、絞り込みを丁寧に行わないと自分に関係のない制度も大量に表示されます。最初から対象者や目的を明確に設定してから検索するのが効率的な使い方です。
助成金なう
全国の官公庁・市区町村・財団・協会など1万1,187機関(2026年時点)の情報を毎日更新しているサービスです。更新頻度の高さが特徴で、短期間の募集や少額の自治体独自制度を見つけるのに向いています。
民間検索サイト全般に言えることですが、これらのサイトに掲載されているからといって申請を保証するものではありません。最終的な申請は各制度の公式窓口・公式サイトで行います。情報の入口として使うことが民間サイトの正しい位置づけです。
民間サイトと公的ポータルの使い分けの原則
国の補助金を探して申請まで行いたいなら、jGrantsとミラサポplusが一次情報源になります。都道府県・市区町村の独自制度も含めて広く探したいなら、民間検索サイトで初期スクリーニングをかけてから公式ページを確認するのが効率的です。財団・協会・民間団体が提供する給付・助成を探したいなら、民間サイトが有効です。
第4章 自治体ウェブサイトを直接調べる方法
自治体サイトを使う理由
国の公的ポータルや民間検索サイトには掲載されていない、自治体独自の補助金・給付金が多数存在します。市区町村が独自財源で実施している少額補助や、短期間だけ募集する事業は、公式ページにしか情報がないことも少なくありません。
また、国の制度に乗じて自治体が「上乗せ補助」を設けているケースも多いです。例えば、国の省エネ補助金に自治体が独自に上乗せしているケース、国の子育て支援に加えて市が独自に現金給付するケースなどです。このような上乗せ制度は、国の窓口で教えてもらえることは少ないため、自分で自治体のページを確認しに行く必要があります。
自治体サイトの探し方:検索エンジンの使い方
自治体の補助金・給付金を検索エンジンで探すときは、自治体名を必ず含めて検索することが基本です。例えば次のような形です。
「世田谷区 補助金 省エネ 2026」
「仙台市 子育て 給付金」
「北海道 個人事業主 助成金」
検索ワードを広く取りすぎると関係のない情報が大量に出てきます。逆に絞りすぎると欲しい制度が引っかかりません。最初は「自治体名+対象(省エネ/子育て/障害/介護など)+補助金または給付金」の3ワード構成で検索するのがバランスよく使えます。
自治体公式サイトの探し方:ページ構造の読み方
自治体の公式サイト内で補助金情報を探す際に押さえておきたいポイントがあります。
補助金・助成金は所管する担当課が分散しています。例えば省エネ設備の補助は環境部・生活環境課、子育て支援の給付は子育て支援課・こども家庭センター、障害者支援の給付は障害福祉課、高齢者向けの制度は高齢者福祉課といった具合です。一か所ですべてをまとめているサイトはごく少数で、担当課ごとにページが分かれていることが多いです。
サイト内検索機能(検索窓)を使うと、キーワードから担当課のページに直接飛べることがあります。「補助金」「助成金」「給付金」のほか、具体的な制度(「浄化槽」「ブロック塀」「省エネ家電」など)で検索するのが効果的です。
また、自治体サイトには「くらし・手続き」「福祉・医療」「環境」「産業・経済」などのカテゴリが設けられていることが多いです。補助金の種類によって入口のカテゴリが違うため、複数のカテゴリを確認することが必要な場合があります。
事業者向けの補助金は「産業・経済」「商工」「起業・創業」、個人・家計向けの給付は「くらし」「福祉」「子育て」「高齢者」などのカテゴリから探すと見つかりやすいです。
個人・家計向け給付を探す際の注意点
自治体の補助金情報を探すとき、事業者向けの補助金は比較的まとまっているケースがある一方で、個人・家計向けの給付金・助成は複数の担当課に分散していることが多いです。
生活支援・住居・医療費・子育て・障害・介護などの給付は、それぞれ別の担当課が管轄しています。まとめて調べたい場合は、役所の総合案内窓口に電話して「○○に困っているのですが、使える制度を教えてください」と聞くのが最も確実です。担当課に振り回されずに済む入口として、地域包括支援センター(高齢・介護関連)や社会福祉協議会(生活全般の相談)を使う方法も後の章で解説します。
第5章 自治体広報誌・メルマガ・LINE公式アカウントの活用
なぜ広報誌が重要か
自治体が実施する補助金・給付金の中には、ウェブサイトにほとんど情報がなく、広報誌にのみ詳しい内容が掲載されているものがあります。とくに次のような制度は広報誌で先に周知されることが多いです。
予算が少なく受付期間が1〜2週間という短期の独自補助。高齢者・障害者向けの地域福祉サービス(配食・紙おむつ支給・見守り等)。プレミアム付商品券の販売告知。地域のイベント・健康ポイント事業の参加募集。
自治体の広報誌(市報・町報など)は月1〜2回発行されることが多く、紙版が郵便受けに届くほか、自治体のウェブサイトからPDFで閲覧できます。紙版が届かなかった・見落としてしまったという場合は、自治体のウェブサイトで過去のバックナンバーを確認できることもあります。
メルマガ・情報配信サービスへの登録
多くの自治体が、補助金・給付金の公募開始や住民向けイベントを知らせるメールマガジン・情報配信サービスを提供しています。一度登録すると、新しい制度が始まるたびにメールで通知が届くため、自分でチェックしなくてもよくなります。
登録方法は自治体によって異なりますが、通常は公式サイトの「メルマガ登録」「情報配信サービス」等のページから、メールアドレスを入力して登録します。市区町村の公式サイトのフッターや、「くらし」カテゴリのトップページに登録リンクがあることが多いです。
自治体LINE公式アカウントの活用
2020年代に入り、多くの自治体が公式LINEアカウントを開設しています。自治体の公式LINEをフォロー(友だち追加)すると、補助金・給付金の公募情報をLINEのタイムラインで受け取ることができます。
自治体の公式LINEの特徴として、世代・居住地域・子どもの有無など、登録時に設定したセグメント情報に基づいて、自分に関係のある情報だけを絞り込んで配信してくれるサービスがあります。すべての自治体がこの機能を持っているわけではありませんが、対応している自治体では通知の精度が上がります。
自治体の公式LINEは、市区町村の公式サイトの「SNS一覧」や「LINE友だち追加」のページから探すことができます。LINEのサービス内で自治体名を検索すると見つかることもあります(「(市区町村名)市役所」などで検索)。
注意点として、公式アカウントと非公式のアカウントを混同しないようにしましょう。自治体の公式LINEには「認証済みアカウント」のマーク(青色のバッジ)がついています。
自治体SNS公式アカウントのX(旧Twitter)・Facebook
自治体がX(旧Twitter)やFacebookで補助金・給付金の公募情報を発信しているケースもあります。とくに公募開始のタイミングやキャンペーン情報は、SNSでいち早く告知されることがあります。
自治体の公式アカウントをフォローする場合は、公式サイトの「SNSアカウント一覧」から確認することで、公式と非公式のアカウントを区別できます。
第6章 個人・家計向けに特化した給付制度の探し方
事業者向けサイトとの違い
jGrantsもミラサポplusも、基本的には事業者・個人事業主が使うことを前提として設計されています。会社員・専業主婦(夫)・学生・高齢者・障害のある方・生活に困っている方が活用できる生活給付制度は、これらのサイトではほとんど扱っていません。
個人・家計向けの給付制度を探す際には、別のルートを使う必要があります。
マイナポータルの活用
マイナポータル(https://myna.go.jp/)は、デジタル庁が運営するオンライン行政サービスです。マイナンバーカードでログインすることで、自分が受け取れる可能性のある給付金・サービスを確認できる機能があります。
「給付金」のページ(https://myna.go.jp/benefits)では、現在申請を受け付けている給付金の情報が掲載されています。また、「わたしの情報」では世帯や所得の情報が確認でき、自分が特定の給付の対象になる可能性があるかどうかを把握するのに使えます。
マイナポータルに公金受取口座を登録しておくと、プッシュ型給付(申請不要で自動的に振り込まれる給付金)を受け取りやすくなります。例えば、2026年には物価高対応の子育て応援手当がプッシュ型で給付された自治体が多く、公金受取口座を登録していた方は申請なしで受け取ることができました。
「申請不要型」と「申請必須型」の識別方法
給付金・助成金には大きく分けて2種類あります。申請しなくても自動的に給付される制度(プッシュ型給付)と、自分で申請しないと受け取れない制度の2種類です。
申請不要型は、役所が保有するデータ(世帯構成・所得・マイナンバー・住民票)をもとに対象者を特定し、書類や案内文を郵送したうえで振り込みや交付を行います。プッシュ型給付と呼ばれることもあります。受け取るためにやることは特にありませんが、「公金受取口座の登録」や「案内が届いたら内容を確認して返送する」といった手続きが必要になるケースがあります。
申請必須型は、自分で気づいて申請しないと一切お金が動きません。申請期間を過ぎると権利が消滅する制度がほとんどです。制度の存在を知ること・申請すること、この2つを自分で行う必要があります。
どちらの型かは、自治体からの通知・広報誌・公式サイトの案内文に書かれています。「通知が届いた方は…」という書き方なら申請不要型、「対象者は申請してください」という書き方なら申請必須型です。
生活福祉系の給付を探す窓口
高齢者向け・障害のある方向け・生活に困っている方向けの給付制度は、役所の中でも専門の窓口が担当しています。「補助金」「助成金」という言葉よりも「給付金」「サービス」「支援」という呼ばれ方をすることが多く、補助金検索サイトには掲載されにくいです。
探し方として効果的なのが、役所の「福祉」「くらし」「市民生活」に関わる窓口に直接相談することです。「今の状況で何か使える制度はありますか」と聞くと、担当者が案内してくれます。
地域包括支援センターは、市区町村に設置されている高齢者向けの総合相談窓口です。65歳以上の方およびその家族からの相談を、介護認定の有無を問わず受け付けています。介護保険の外にある自治体独自のサービス(紙おむつ支給・見守り・緊急通報・配食など)についても案内してもらえます。社会福祉士・主任ケアマネジャー・保健師が常駐しており、必要に応じて担当する支援機関につないでもらえます。
社会福祉協議会は、都道府県・市区町村に設置されている社会福祉法人です。生活費・医療費・住居など生活全般の困りごとに関する相談を受け付けており、生活困窮者自立支援制度(第95回)・生活福祉資金貸付(第96回)への案内も担っています。緊急小口資金や総合支援資金は社会福祉協議会が窓口です(貸付であり返済が必要です)。
自立相談支援機関は、生活困窮者自立支援法に基づいて市区町村が設置している相談窓口です。「仕事が見つからない」「家賃が払えない」「食費が足りない」といった生活上の困りごと全般を受け付けています。住居確保給付金(第26回)の申請もここが窓口です。
福祉系制度の探し口まとめ
どの窓口に行けばよいかわからないときのための目安として、次のように整理できます。
65歳以上の高齢者の生活・介護に関する相談は、地域包括支援センターが入口になります。
障害のある方の日常生活・就労・給付に関する相談は、市区町村の障害福祉課または基幹相談支援センターが入口になります。
生活費・住居・食費などの生活全般の困窮に関する相談は、市区町村の自立相談支援機関または社会福祉協議会が入口になります。
子育て支援・ひとり親の給付・就学援助に関する相談は、市区町村の子育て支援課・こども家庭センター・教育委員会が入口になります。
第7章 商工会議所・産業振興センター・よろず支援拠点への相談
事業者向け相談窓口の使い分け
個人事業主・フリーランス・中小企業者が補助金を探す際に利用できる相談窓口として、商工会議所・産業振興センター・よろず支援拠点の3つを押さえておきましょう。いずれも無料または低価格で相談に応じてくれます。
商工会議所
商工会議所は、全国の市区町村に設置されている経済団体です。主な機能として、会員企業向けの補助金情報の提供と、経営相談・書類確認のサポートがあります。
小規模事業者持続化補助金の申請には、商工会議所(または商工会)による確認書(事業支援計画書)が必要です。そのため、補助金の申請前に商工会議所に相談することが実質的に求められています。
会員でなくても相談を受け付けてくれる商工会議所が多いですが、詳細はお住まいの地域の商工会議所に問い合わせてください。
産業振興センター
都道府県や政令指定都市が設置している産業支援機関です。名称は地域によって異なります(例:東京都中小企業振興公社、大阪産業局、神奈川産業振興センターなど)。
都道府県独自の補助金・助成金の窓口になっていることが多く、販路開拓・海外展開・人材育成・IT化など幅広い支援メニューを持っています。都道府県の独自制度を調べるには、都道府県の産業振興センターのウェブサイトを確認することが効果的です。
よろず支援拠点
よろず支援拠点は、中小企業庁が全国に設置している無料の経営相談所です。独立行政法人中小企業基盤整備機構が全国本部を担い、各都道府県に拠点が設けられています。公式サイトは https://yorozu.smrj.go.jp/ です。
相談は無料で、回数制限もありません。2026年4月1日からは生産性向上支援の拠点が新設されており、より幅広い経営課題に対応しています。
よろず支援拠点で対応できる相談内容には、補助金・助成金の情報提供と申請相談が含まれています。「自分のビジネスにどの補助金が合うか」「申請書類の書き方はどうすればいいか」という相談も受け付けてくれます。
よろず支援拠点は予約制を採用していることが多いです。各都道府県の拠点の予約方法は公式サイトから確認できます。
J-Net21の支援情報ヘッドライン
J-Net21(https://j-net21.smrj.go.jp/)は、中小機構が運営する中小企業向け情報サイトです。2026年3月2日にリニューアルされ、パーソナライズ機能・お気に入り機能が追加されました。
「支援情報ヘッドライン」(https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html)では、国・都道府県・市区町村・各支援機関の最新の補助金・助成金情報が毎日更新されています。業種や地域を絞って検索することもでき、個別の制度ページには公式窓口へのリンクが設けられています。
第8章 同一世帯で複数制度を重ねる「制度の組み合わせ検索」
複数制度を重ねる視点の重要性
一つの補助金・給付金を探すことに慣れてきたら、次のステップとして「同じ目的・同じ世帯で複数の制度を重ねて使えないか」という視点を持つことが重要です。
国の制度と自治体の上乗せ制度を組み合わせることで、実質負担額を大幅に下げられるケースがあります。また、同一世帯の中で異なる制度を同時に使えることもあります。
国と自治体の組み合わせの考え方
原則として、同一の経費について国の補助金と自治体の補助金を重複して受け取ることはできません(補助金等適正化法の趣旨に基づくもので、各制度の交付要綱にも明記されていることがあります)。
ただし、対象となる経費区分が異なれば、複数の補助金を重ねて申請できることがあります。例えばリフォームで窓の断熱改修に国の補助を使い、同時に給湯器の交換に自治体独自の省エネ補助を使う、というケースです。工事の対象箇所・経費区分が重複しなければ、原則として併用可能です。
また、給付金(現金の給付)と補助金(特定の経費に対する補助)は性格が違うため、双方を受け取れることが多いです。たとえば、子育て世帯への給付金と、省エネリフォームへの補助金は、対象経費が全く別物であるため、通常は問題なく重ねられます。
同一世帯内での複数制度の探し方
一つの世帯には、構成メンバーによって利用できる制度が複数存在します。例えば、0〜18歳の子どもがいれば子育て関連の給付制度、65歳以上の親と同居していれば介護・高齢者支援の制度、障害のある家族がいれば障害福祉の制度、それぞれが利用可能な制度群を持っています。
このように、世帯の「ライフステージと構成メンバー」を軸に、複数の制度を組み合わせて探す視点を持つと、取りこぼしを大きく減らすことができます。
探し方の実践的なアドバイスとして、年度が変わるタイミング(4月)、ライフイベントが起きたとき(出産・入学・就職・退職・引越し・要介護認定・障害者手帳取得など)に、あらためて「今の状況で使える制度は何か」を棚卸しする習慣をつけることが有効です。詳しくは、このシリーズの第100回(年間カレンダーと申請の段取り)でも整理しています。
第9章 「取りこぼしやすい制度」のパターン分類
取りこぼしが起きる制度の特徴
補助金・給付金を申請せずに損をしてしまう「取りこぼし」には、パターンがあります。それぞれのパターンを理解しておくと、対策が立てやすくなります。
パターン1:少額・地域限定の自治体独自制度
国や大手民間サイトには掲載されにくい、市区町村が独自に実施している少額の補助制度です。予算総額が少なく、受付期間が2週間程度しかない制度も珍しくありません。
探し方:自治体の広報誌・公式LINE・自治体サイトの担当課ページを定期的にチェックすることが最も確実です。
このシリーズでの関連記事:No.73(自治体の出産祝い金・多子世帯支援)、No.74(自治体の省エネ家電補助)、No.92(水道・下水道料金の減免)、No.93(プレミアム付商品券)などがこのパターンに当てはまります。
パターン2:短期間しか募集しない国の補助金
国の補助金でも、予算消化が早く2〜4週間程度で受付を終了してしまうものがあります。「知ったときには締め切っていた」というケースが多いです。
探し方:ミラサポplusの公募予告機能・J-Net21の支援情報ヘッドライン・商工会議所のメルマガなどで、公募開始前から情報をつかんでおくことが重要です。
パターン3:申請が不要な制度(プッシュ型給付)
「申請しなくてもいい」ということは、対象になっているかどうかを自分で積極的に確認しなくても受け取れるはずですが、「案内が届いたが手続きをし忘れた」「住所が変わっていて案内が届かなかった」「返信期限を過ぎた」などの理由で受け取れないケースがあります。
対策:役所からの郵送物は即日確認する習慣をつけましょう。住所変更届・マイナポータルの公金受取口座登録・世帯情報の最新化など、事前の準備がプッシュ型給付をスムーズに受け取る鍵です。
パターン4:名称の難解さから存在を知られていない制度
特定疾病療養受療証・補装具費支給・障害福祉サービス費・生活保護の各種加算など、一般の人が検索する言葉では引っかからない名称を持つ制度があります。これらは当事者でさえ「そんな制度があるとは知らなかった」という状況が起きやすいです。
対策:相談窓口に「自分(または家族)の状況を説明する」ことで、担当者が該当する制度を案内してくれるアプローチが最も確実です。
このシリーズでの関連記事:No.67(特定疾病療養受療証)、No.69(補装具費支給・日常生活用具給付)、No.70(特別障害者手当)、No.91(心身障害者扶養共済)などが該当します。
パターン5:「国の制度で対応済み」と思っていたが実は自治体の上乗せがあった
国の制度(例:介護保険の住宅改修給付、窓リノベ補助金)を活用した後に、同じ工事について自治体の上乗せ補助があったことを知るケースです。
対策:国の制度を使うことが決まった時点で、自治体に「同じ工事について上乗せや独自の補助はありますか」と確認することが有効です。工事完了後では間に合わないことがほとんどです。
第10章 申請前の最終チェックリスト(要件・締切・申請方法)
なぜ申請前チェックが必要か
補助金・給付金を見つけただけでは受け取れません。要件を満たしていること、申請期間内に手続きを完了させること、申請方法を正しく選択することが必要です。申請書を出したけれど要件を満たしていなかった、申請期間を1日過ぎていた、提出先を間違えた、というトラブルは実際によく起きています。
以下のチェックリストを使って、申請に進む前に確認することをおすすめします。
制度の基本確認
制度名と管轄省庁・担当窓口を確認しています。(公式サイトのURL)
現時点で公募中(受付中)の期間内であることを確認しています。(公募開始日と締切日)
自分が対象者の要件を満たしていることを確認しています。(業種・規模・所得・年齢・居住地など)
補助金か給付金か貸付かの区分を確認しています。(補助金・給付金は返済不要、貸付は返済が必要です)
申請書類の確認
必要書類の一覧を公式サイトの公募要領で確認しています。
書類のうち、取得に時間がかかるもの(GビズID・住民票・確定申告書の写しなど)は早めに準備しています。
書類の様式が最新版かどうかを確認しています。(様式は年度ごとに変わることがあります)
書類の提出形式(紙・電子・両方)を確認しています。
申請方法の確認
申請窓口(オンライン・郵送・持参)を確認しています。
オンライン申請が必要な場合、必要なアカウント(GビズID等)を事前に取得しています。
郵送の場合、消印有効か必着かを確認しています。必着の場合は余裕を持った日程で送付します。
採択後の手続きについて
補助金の場合、採択後に交付申請・実績報告・補助金の精算という後続手続きがあることを把握しています。
補助対象経費の支出・発注のタイミングが補助の対象期間内であることを確認しています。(着手前でないと対象外になる制度が多いです)
補助金を受け取った場合の会計処理(雑収入として計上することが多い)について、必要に応じて税理士に確認します。
第11章 補助金ラボシリーズ全体ナビ(各記事へのリンク設計)
No.99のこの記事は、補助金ラボシリーズ全体の「入口と道案内」として設計しています。テーマ別に関連する記事を示します。
国の基本制度(No.01〜20相当の領域)
医療費控除・高額療養費制度(No.03)は、医療費負担を軽減する最も基本的な制度です。年末に向けて確定申告の準備をする際に参照してください。
障害年金(No.15)は、障害のある方が老齢年金の支給開始前に受け取れる年金です。制度名はよく知られていますが、実際の申請要件が複雑なため、詳細は第15回を参照してください。
住居確保給付金(No.26)は、離職等で家賃が払えなくなった際に自治体が家賃の一部を支給する制度です。申請窓口は自立相談支援機関です。
子育て・教育関連の制度
就学援助制度(No.61)は、小中学生の学用品・給食費・修学旅行費を自治体が援助する制度で、所得要件内の世帯が対象です。
子どもの任意予防接種の費用助成(No.62)は、自治体が独自に助成するケースが多く、助成内容は居住市区町村によって異なります。
多胎児(双子・三つ子)家庭への支援(No.64)は、移動支援・育児サポートなど国+自治体の複合的な支援があります。
障害・医療関連の制度
B型・C型肝炎の治療医療費助成(No.66)は、対象治療を受けている方の自己負担を軽減する制度です。
長期高額疾病の自己負担軽減・特定疾病療養受療証(No.67)は、人工透析・血友病等の対象疾病の方が加入する医療保険に申請することで、月々の自己負担上限が1万円(または2万円)に抑えられる制度です。
補装具費支給・日常生活用具給付(No.69)は、車いす・補聴器・ストーマ用具などの費用補助です。
高齢・介護関連の制度
介護で使える自治体サービスまとめ(No.71)は、介護保険の外にある自治体独自の支援です。
認知症の人と家族を支える制度(No.72)は、成年後見の利用支援・見守りネットワーク等についてまとめています。
事業者・個人事業主向けの制度
ものづくり補助金(No.79)、新事業進出補助金(No.80)は、製造・新分野進出を行う事業者の設備投資を支援する制度です。
雇用調整助成金(No.81)、両立支援等助成金(No.82)など雇用関連助成金(No.81〜86)は、社会保険労務士法の業務範囲に配慮しつつ、制度の情報を整理しています。
知的財産の費用軽減(No.87)は、特許料・審査請求料の減免制度です。
移住・起業関連の制度
地方創生の起業支援金(No.88)は、地方圏に移住して起業する方への補助です。
地域おこし協力隊(No.98)は、移住して地域で活動・報酬を得る仕組みです。
生活支援・困窮関連の制度
生活困窮者自立支援(No.95)は、住居確保給付金(No.26)と同じ窓口から使える支援メニューが多数あります。
生活福祉資金貸付(No.96)は、貸付であり返済が必要な点を必ず確認してください。社会福祉協議会が窓口です。
第12章 年に一度の棚卸し習慣とライフイベント時の再検索
なぜ定期的な見直しが必要か
補助金・給付金は年度ごとに内容が変わります。前年度は対象外だった制度が、今年度から対象に変わっていることもあります。逆に、利用できていた制度が廃止・縮小されることもあります。
また、自分の生活状況が変わると、新たに対象になる制度が生まれます。子どもが生まれた・入学した・卒業した・介護が始まった・離婚した・転居した・仕事を辞めた・障害者手帳を取得した、といったライフイベントが起きるたびに、「今の自分(世帯)に使える制度は何か」を改めて見直すことが重要です。
年に一度の棚卸しのすすめ
以下のタイミングで制度の見直しをする習慣をつけることをおすすめします。
確定申告の時期(2〜3月)は、所得や家族構成の変化が確定するタイミングです。「今年度から新たに使える制度はないか」「昨年使った制度が今年も対象か」を確認するのに適しています。
新年度(4月)は、多くの制度が年度単位で更新されるタイミングです。自治体の補助金は4月以降に新しい公募が始まることが多いため、自治体のウェブサイト・広報誌の確認を習慣にすると良いでしょう。
各種更新手続きのタイミング(障害者手帳の更新・要介護認定の更新・住民税の課税通知が届いたとき等)も、改めて「使える制度はないか」を確認する契機になります。
年末(12〜1月)は、翌年に申請できる制度の募集スケジュールが公表されるタイミングでもあります。特に住宅リフォーム・省エネ設備導入を検討している方は、年度を越えた計画を立てておくと動きやすくなります。
ライフイベント別に確認すべき制度の目安
出産・子どもの誕生時は、児童手当・出産育児一時金(No.01)・多胎児支援(No.64)・乳幼児医療費助成(No.28)・自治体の出産祝い金(No.73)などを確認します。
子どもの入学・学齢期は、就学援助(No.61)・奨学金(No.02・No.63)・任意予防接種の助成(No.62)などを確認します。
要介護認定を受けたとき・介護が始まったときは、介護保険サービス(No.17)・自治体の介護支援サービス(No.71)・住宅改修給付(No.17)・特別障害者手当(No.70)などを確認します。
障害者手帳を取得したときは、補装具費支給(No.69)・障害者の移動支援(No.94)・日常生活用具給付(No.69)・心身障害者扶養共済(No.91)などを確認します。
離職・失業したときは、雇用保険(失業給付)・住居確保給付金(No.26)・生活困窮者自立支援(No.95)などを確認します。
引越し・転居したときは、新たな居住自治体の独自制度(子育て・省エネ・移住支援等)を改めて確認します。
第13章 探した後の実務:申請から受け取りまでの流れ
申請ルートは4つに絞れる
補助金・給付金の申請ルートは大きく4つに分類できます。
電子申請(jGrants・雇用関係助成金ポータル・マイナポータル等)は、GビズID・マイナンバーカード等のアカウントが必要ですが、24時間いつでも申請でき、書類の郵送コストが不要です。
郵送申請は、紙の申請書と必要書類一式を担当窓口宛に郵送するルートです。消印有効か必着かを必ず確認します。
窓口持参は、担当課・商工会議所・社会福祉協議会等の窓口に直接書類を持参するルートです。書類の不備を確認してもらいやすいというメリットがあります。
代理申請(施工業者等)は、住宅省エネキャンペーン等のように、事業者が消費者に代わって申請するルートです。この場合、消費者が直接行う手続きはなく、事業者を正しく選ぶことが重要です。
採択・給付決定から受け取りまで
補助金の場合、申請から採択通知が届くまでに数週間〜数ヶ月かかる制度が多いです。採択されたからといって即座に補助金が振り込まれるわけではなく、次の手順が続きます。
交付申請(採択後に正式に補助金の交付を申請する手続き)を行います。それから対象となる費用を実際に支出します(着手前に交付申請を済ませることが多い)。完了後に実績報告書と証拠書類(領収書・契約書等)を提出します。確認が完了した後、補助金が指定口座に振り込まれます。
給付金(住民向け)の場合は、申請・承認の後に指定口座への振り込みが行われます。ほとんどの場合、受け取りまでに数週間から1〜2ヶ月程度かかります。
申請に失敗しやすいタイミングと対策
締切直前に申請しようとして電子申請システムがアクセス集中で繋がらなかったケースが多く報告されています。締切の1週間前には書類を整えて申請を完了させることをおすすめします。
書類の不備で差し戻しになり、対応している間に締切を過ぎてしまったケースもあります。事前に担当窓口に書類一覧を確認しておくと、不備による再提出のリスクを減らせます。
よくある質問(FAQ)
Q1. jGrantsとミラサポplusはどちらを先に使えばよいですか。
情報収集・制度の比較検討にはミラサポplusが向いています。補助金の申請手続きを行うのはjGrantsです。まずミラサポplusで使える制度を調べ、申請したい制度が決まったらjGrantsで手続きをする、という順番が典型的な流れです。
Q2. GビズIDを持っていない個人(事業者ではない生活者)は、これらのサイトを使えませんか。
jGrantsは事業者向けですが、補助金の検索・閲覧はGビズIDなしでも可能です。個人・家計向けの給付制度を探す場合は、マイナポータル・自治体の公式サイト・民間の補助金検索サイトが入口になります。
Q3. 補助金・給付金を申請するにはお金がかかりますか。
公的な補助金・給付金の申請自体は無料です。申請代行を行政書士・社会保険労務士に依頼する場合は代行手数料がかかりますが、自分で申請すれば費用は原則かかりません。商工会議所やよろず支援拠点への相談も無料です。
Q4. 補助金ポータルやスマート補助金など民間サイトの情報は信頼できますか。
民間サイトは情報収集の入口として有用ですが、掲載情報の更新タイミングや正確性は各サイトで異なります。気になる制度を見つけたら、必ず各制度の公式サイト・公式窓口で最新の情報を確認してください。
Q5. 同一家庭で複数の補助金を同時に申請することはできますか。
対象となる経費や目的が異なれば、複数の制度を同時に申請・受給できる場合があります。ただし、同一の工事・購入に対して複数の補助金を重複申請することは、各制度の交付要綱で禁止されている場合があります。申請前に各制度の公募要領で「他の補助金との併用」に関する記述を確認してください。
Q6. 申請不要型の給付金はどうすれば受け取れますか。
自治体から通知が届いた場合は、内容を確認して指定された手続き(振込口座の登録・返送等)を期限内に完了させてください。マイナポータルに公金受取口座を事前に登録しておくと、口座登録の手間が省けるケースがあります。住所の変更手続きが済んでいない場合、通知が届かないことがあるため、転居後は速やかに住民票の移動を行うことが重要です。
Q7. 地域の自治体独自の給付制度は、どのタイミングで申請を開始すればよいですか。
自治体の独自制度は募集期間が短い場合が多く、気づいたときにはすでに締め切っているケースがあります。自治体の広報誌・公式LINE・公式サイトを定期的に確認し、募集が開始されたらすぐに申請に動けるよう準備しておくことが重要です。
Q8. 補助金を受け取ると税金はかかりますか。
事業者が受け取る補助金は、法人税・所得税の課税対象になることが多いです。個人が受け取る給付金も、雑収入として申告が必要なケースがあります。ただし、制度によっては非課税扱いになるものもあります(住宅ローン控除・各種福祉給付など)。詳細は国税庁の公式サイトまたは税理士に確認することをおすすめします。
Q9. 補助金・給付金の探し方で、よろず支援拠点は何を相談できますか。
事業者・個人事業主の方であれば、補助金の種類の案内・申請の流れの説明・経営計画書の書き方のアドバイスなど、補助金に関するあらゆる相談に応じてもらえます。無料・予約制であることが多いため、公式サイト(https://yorozu.smrj.go.jp/)から最寄りの拠点を探して予約することをおすすめします。
Q10. このシリーズの過去の記事(No.01〜98)はどこで読めますか。
補助金ラボ(note有料記事)のマガジンページからすべての記事にアクセスできます。テーマ別の目次は本記事(第11章)でも整理しています。気になる制度をテーマ名から検索することもできます。
出典一覧(URL・確認日)
本記事は以下の一次情報・公式サービスを確認した上で執筆しています。
jGrants(Jグランツ)公式サイト(デジタル庁)
https://www.jgrants-portal.go.jp/
確認日:2026年6月27日
jGrants デジタル庁ウェブサービス案内
https://services.digital.go.jp/jgrants/
確認日:2026年6月27日
補助金申請システム(Jグランツ)事業者クイックマニュアル(2026年3月26日版)
https://fs2.jgrants-portal.go.jp/操作マニュアル_事業者用.pdf
確認日:2026年6月27日
GビズID公式サイト(デジタル庁)
https://gbiz-id.go.jp/
確認日:2026年6月27日
ミラサポplus(経済産業省・中小企業庁)
https://mirasapo-plus.go.jp/
確認日:2026年6月27日
制度ナビ(ミラサポplus・中小企業庁)
https://seido-navi.mirasapo-plus.go.jp/catalogs
確認日:2026年6月27日
ミラサポplus GビズID連携・会員登録案内
https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/14819/
確認日:2026年6月27日
雇用関係助成金ポータル(厚生労働省)
https://www.esop.mhlw.go.jp/
確認日:2026年6月27日
雇用関係助成金の電子申請ページ(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00060.html
確認日:2026年6月27日
マイナポータル(デジタル庁)
https://myna.go.jp/
確認日:2026年6月27日
マイナポータル 給付金ページ
https://myna.go.jp/benefits
確認日:2026年6月27日
マイナポータルでの給付金申請(デジタル庁)
https://services.digital.go.jp/mynaportal/benefits/
確認日:2026年6月27日
よろず支援拠点全国本部(中小企業基盤整備機構)
https://yorozu.smrj.go.jp/
確認日:2026年6月27日
J-Net21中小企業ビジネス支援サイト(中小企業基盤整備機構)
https://j-net21.smrj.go.jp/
確認日:2026年6月27日
J-Net21 支援情報ヘッドライン
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
確認日:2026年6月27日
補助金ポータル(民間)
https://hojyokin-portal.jp/
確認日:2026年6月27日
スマート補助金(民間)
https://www.smart-hojokin.jp/
確認日:2026年6月27日
地域包括支援センターについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
確認日:2026年6月27日
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言を行うものではありません。制度の詳細・最新の要件・申請手続きについては、各公式サイトまたは担当窓口に直接ご確認ください。補助金の採択・給付は予算の範囲内で行われるものであり、要件を満たした全員が必ず受給できることを保証するものではありません。雇用関係助成金(No.81〜86相当)は社会保険労務士法の業務範囲との関係から、申請書類の作成代行・手続き代行は社会保険労務士が担う業務です。税金に関わる判断については税理士法の業務範囲との関係から、税理士にご相談ください。本記事はいずれの業務代行も行いません。