両立支援等助成金の全コースと申請実務(2026年度版・育休・介護・不妊治療に対応する事業主のための完全ガイド)
本記事は2026年6月27日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・受付状況はいずれも変更されることがあるため、申請前に必ず都道府県労働局または厚生労働省の公式サイトで最新情報をご確認ください。
本記事は制度情報の提供を目的としており、申請書類の作成代行や個別手続きの代行は行いません。雇用助成金の申請手続き代行は社会保険労務士の独占業務(社会保険労務士法第2条)に該当します。実際の申請にあたっては、都道府県労働局または社会保険労務士にご相談ください。
この記事が整理すること
従業員が育児休業を取得した、あるいは介護のために休業した。そういった場面で「うちの会社は助成金をもらえないのだろうか」と思いながら、調べてもコース名が多すぎて混乱してしまう、という経営者や人事担当者の声をよく聞きます。
両立支援等助成金は、仕事と育児・介護等の両立に取り組んだ事業主(雇用者側)に対して国が支払う雇用助成金です。従業員が給付を受ける雇用保険の育児休業給付とは完全に別の制度で、受け取るのは会社(事業主)側です。2026年度は6つのコースに再編されており、コースによっては1件で81万円から、組み合わせれば百数十万円規模の支給を受けられる可能性があります。
この記事では以下の点を整理します。
まず、どの事業主がどのコースの対象になるかという全体像を示します。次に、2026年度に変わった点(コース新設・支給額引き上げ)を具体的な数字とともに説明します。その上で、申請の準備として何をいつまでにするべきか、どの書類をどこで入手してどこに提出するか、電子申請(雇用関係助成金ポータル)をどう使うか、差し戻しや不支給になりやすいパターンをどう防ぐか、を順を追って説明します。
この記事の対象読者は、従業員を雇用している中小事業主、人事総務担当者、助成金の存在を知ってはいるが手が出せていない経営者の方々です。
制度の全体像
両立支援等助成金とは何か
両立支援等助成金は、厚生労働省が雇用保険の財源を使って実施する雇用関係助成金の一つです。事業主が仕事と育児・介護等の両立を支援する制度を整備し、実際に従業員がその制度を利用した場合に支給されます。
大切な点として、この助成金を受け取るのは従業員ではなく事業主です。従業員が育児休業中に受け取る「育児休業給付金」(雇用保険から給付)とは別物です。この区別が混乱の原因になりやすいため、最初に確認してください。
また、助成金を受け取るには「先に制度を整備し、先に従業員が制度を利用し、その後に申請する」という順序が必須です。後から就業規則を整備しても遡って申請できないケースがほとんどです。
2026年度の6コース一覧
| コース名 | 主な対象 | 主な支給額 |
|---|---|---|
| 1. 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) | 男性従業員の育休取得 | 1人目20万円、取得率向上60万円 |
| 2. 介護離職防止支援コース | 介護休業・介護両立制度利用 | 40万円〜(有給介護休暇新設で30〜50万円) |
| 3. 育児休業等支援コース | 育休取得と職場復帰 | 取得時30万円、復帰時30万円 |
| 4. 育休中等業務代替支援コース | 業務代替者への手当・新規採用 | 最大81万円(新規雇用) |
| 5. 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 育児期の柔軟な働き方制度整備 | 20万円〜25万円 |
| 6. 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース | 不妊治療・月経・更年期への制度利用 | 各30万円 |
(確認日: 2026年6月27日。出典: 厚生労働省リーフレット No.14 2026年4月作成)
コースの選び方のポイント
まず「従業員の現状」を起点に考えます。男性従業員の育休取得が課題なら1番のコース、介護で悩む従業員がいれば2番のコース、育休取得と復帰の仕組みを整えたければ3番のコース、という具合です。複数のコースを同時に申請することも、原則として可能です(コース間の併給制限については後の章で詳しく説明します)。
なお、2026年10月施行の育児・介護休業法の改正により、一定規模の事業主には育児期の柔軟な働き方に関する措置の義務化が予定されています。5番のコースは、この義務化への先行対応を支援するという性格も持っています。
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男性従業員が育児休業を取得する場面で、事業主が受け取れる助成金がどのように決まるかを、実際のケースで最後まで計算します。「わかった気はするが具体的にどう動けばいいのかわからない」という方のために、申請の窓口と提出書類の名前まで含めて説明します。
前提となるケース
ここで取り上げるのは次の状況です。
- 従業員数15名の小売業(雇用保険適用事業所)
- 男性従業員の田中さん(正社員、雇用保険被保険者)の配偶者が子を出産
- 田中さんが子の出生後8週以内に育児休業を開始し、連続14日間取得した
- これが田中さんの1人目の子どもについての育休取得
この状況で、事業主(会社側)が申請できる助成金があります。出生時両立支援コースの①「男性労働者の育児休業取得」です。
いくらもらえるか
1人目のお子さんについての取得であるため、支給額は20万円です。支給額は「1人の男性従業員が1回の育休を取得した」単位で決まります。2・3人目のお子さんの場合は10万円になります(「2・3人目」は人数ではなく、同一事業主での2番目・3番目の申請という意味です)。
受け取るために必要な事前準備(ここが重要です)
育休を取得してから準備を始めても遅い場合があります。申請が認められるためには、育休の開始日の前日までに以下が揃っている必要があります。
まず就業規則等への規定です。育児・介護休業法等に定められた雇用環境整備の措置を複数、就業規則や社内規程に規定しておく必要があります。措置の例としては、育児休業を取得しやすい雰囲気づくりに関する研修の実施、相談窓口の設置、育休取得事例の収集・提供、育休取得の意向確認の仕組みなどがあります。
次に業務代替に関する規定です。育休取得者の業務を周囲が代替する際の業務見直しに係る規定等を策定し、業務体制の整備を実施する必要があります。
この2つが育休開始前に整っていなければ、申請できません。後付けで整備しても遡及適用はできません。「来月から育休に入るから今日就業規則を変えよう」では間に合わない場合があります。
申請の流れ(ステップ別)
ステップ1: 事前準備(育休開始前)
就業規則・育児介護休業規程の整備と、業務代替体制の整備を行います。
ステップ2: 田中さんが育休を取得
子の出生後8週以内に育休を開始し、連続5日以上取得してもらいます(1人目の場合)。
ステップ3: 申請書類の準備
育休終了後から申請書類を整えます。
ステップ4: 申請期限内に提出
「育休開始日から3か月を経過する日の翌日から2か月以内」に申請します。これが申請期限です。例えば田中さんが4月1日に育休を開始した場合、4月1日から3か月後は7月1日で、その翌日の7月2日から2か月以内(9月1日まで)が申請できる期間となります。
ステップ5: 労働局の審査・支給
本社等の所在地を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)が審査を行い、支給が決定されると指定口座に振り込まれます。申請から支給まで通常3か月から6か月程度かかります。
提出する書類(正式名称)
以下の書類を揃えて提出します。
- 支給申請書(【出】様式第1号①②): 出生時両立支援コース用の申請書本体です。様式は厚生労働省のウェブサイト「両立支援等助成金(電子申請用の様式)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33675.html)からダウンロードできます。
- 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号): 助成金共通の申立書です。同サイトからダウンロードできます。
- 育児休業の取得を確認できる書類: 育児休業申出書、育児休業期間変更申出書など社内で作成した書類が該当します。
- 子の出生を確認できる書類: 母子手帳(子の出生を証明する部分のコピー)または出生届の受理証明書などです。
- 雇用環境整備の措置を実施したことを確認できる書類: 研修の実施記録(開催通知・参加者リスト等)、相談窓口設置の案内文書など、実施した内容に応じた証憑が必要です。
- 業務代替の規定等を確認できる書類: 就業規則・業務代替に関する規程の写し。
- 出勤簿またはタイムカード(育休期間中の確認用)
- 賃金台帳(支給申請日の直前の賃金支払い状況を確認するもの)
電子申請の場合は、上記書類のPDFまたは画像をポータルにアップロードします。
申請窓口
提出先は本社等の所在地を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)です。窓口の電話番号や所在地は、厚生労働省の都道府県労働局一覧ページ(https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/)でお住まいの地域の労働局を検索できます。
このケースで起こりやすい注意点
育休の「開始日から3か月経過後」という申請期限の起算点を誤るケースがよくあります。育休の終了日からではなく、開始日から3か月後を計算する必要があります。短期間の育休(たとえば2週間)を取得した場合、育休が終わってから3か月以上たたないと申請できないという関係が生じます。
また、育休の日数が「連続5日以上」を満たしているかどうかを確認する必要があります。このケースの田中さんは14日間連続取得のため問題ありませんが、週末をはさんだ形で実際の連続性が書類上確認できるかどうかが問われます。
ここから先は、申請に直結する実務です。
対象事業主の要件を正確に把握する
中小事業主の定義(業種別)
両立支援等助成金のほとんどのコースは「中小事業主」を対象としています。ただし「中小事業主」の定義は業種によって異なります。コースによっては中小事業主以外でも対象になる例外もあるため、自社が対象かどうかを確認することが最初の作業になります。
業種別の基準は以下の通りです。資本金(または出資金)または常時雇用する労働者数のいずれかが基準以下であれば、中小事業主に該当します(いずれかの要件を満たせばよく、両方満たす必要はありません)。
| 業種 | 資本金または出資金 | 常時雇用する労働者数 |
|---|---|---|
| 小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| その他(製造業・建設業・運輸業等) | 3億円以下 | 300人以下 |
(出典: 厚生労働省「中小企業の範囲」https://jsite.mhlw.go.jp/kumamoto-roudoukyoku/newpage_00407.html 確認日2026年6月27日)
資本金や出資金のない事業主(個人事業主など)は、常時雇用する労働者数のみで判断します。また、複数の業種に該当する場合は、主たる事業活動の業種で判断します。判定は事業所単位ではなく企業(法人)単位で行います。支店ごとに判定するのではなく、会社全体の従業員数と資本金で判断します。
個人事業主・一人親方が対象になる場合
個人事業主であっても、雇用保険の適用事業所として従業員(雇用保険被保険者)を雇用していれば、対象になります。一人で全ての業務を行う完全な一人親方(従業員ゼロ)は対象外です。
助成金を申請するためには最低限、雇用保険の適用事業主であること(雇用保険適用事業所として届け出をしていること)が必要です。また、一般事業主行動計画を策定して労働局に届け出ることも要件の一つになっているコースがあります(特に育児・介護関連コース)。従業員が一定数いれば自動的に届け出義務が生じますが、義務の有無にかかわらず届け出た上で申請する必要があります。
コースごとの対象の違い
出生時両立支援コースの②(男性労働者の育児休業取得率の上昇等)は、2025年度まで中小企業のみを対象としていましたが、2026年度から常時雇用する労働者数が300人以下であれば業種・資本金にかかわらず対象になるよう拡大されました。
育休中等業務代替支援コースのうち「手当支給等」(育児休業・短時間勤務)の2種については、業種を問わず常時雇用する労働者数が300人以下であれば対象です。
介護離職防止支援コース、育児休業等支援コース、柔軟な働き方選択制度等支援コース、不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースは原則として中小事業主のみが対象です。
コース1: 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)の詳細
制度の目的
男性従業員が育児休業を取りやすい環境を整えた事業主に対して支給される助成金です。産後パパ育休(出生時育児休業)を含む、子の出生後8週間以内の育休取得を後押しすることが主な目的です。
2種類の助成(①と②)
このコースには2つの種別があります。①「男性労働者の育児休業取得」と②「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」です。①は男性従業員が1人育休を取るたびに申請できる性格のものですが、②は事業所全体の育休取得率が目標を超えた事業年度に1回だけ申請できるものです。①と②は同一年度内に両方申請することはできません。
①男性労働者の育児休業取得の要件と支給額
支給額は1人目のお子さんについての取得で20万円、2人目・3人目(事業主としての申請回数で数えます)で10万円です。
要件の骨格は次の3点です。
第1に、育児・介護休業法等に定める雇用環境整備の措置を複数実施していることです。具体的には、育休取得に関する研修、相談窓口の設置、育休取得事例の収集・提供、育休取得の意向確認のうち、複数を実施している必要があります。
第2に、育児休業取得者の業務代替者の業務見直しに係る規定等を策定し、業務体制の整備を実施していることです。要するに「誰かが育休に入った場合の業務分担の仕組み」が書類上も実態としても整っていることが求められます。
第3に、男性従業員が子の出生後8週間以内に開始する育児休業を一定日数以上取得することです。最低日数は1人目が5日以上、2人目が10日以上、3人目が14日以上です。
②男性労働者の育児休業取得率の上昇等の要件と支給額
支給額は60万円で、1事業主につき1回限りです。受け取るためには次のいずれかの達成が必要です。
条件Aは、申請年度の前事業年度の男性育休取得率が、前々事業年度と比較して30%以上上がっており、かつ前事業年度の育休取得率が50%以上であることです。
条件Bは、前々事業年度に子が出生した男性従業員が5人未満であり、かつ前事業年度と前々事業年度の育休取得率がいずれも70%以上であることです。
①の要件(雇用環境整備・業務代替体制)も満たしている必要があります。
コース2: 介護離職防止支援コースの詳細
制度の目的
介護を理由とした離職を防ぐために、従業員の介護休業取得・職場復帰を支援したり、介護の状況でも継続して働ける制度を整備したりした事業主を支援する助成金です。
4つの種別
このコースには①介護休業、②介護両立支援制度、③業務代替支援、④介護休暇制度有給化支援(2026年度新設)の4つの種別があります。①〜③はそれぞれ1事業主につき5人まで(同一事業主での受給上限)ですが、④は1事業主につき1回限りです。
①介護休業の要件と支給額
支給額は40万円(従業員1人あたり)です。
要件の骨格は次の通りです。まず、介護休業の取得・職場復帰支援に関する方針を社内に周知する必要があります(就業規則への記載と全従業員への告知など)。次に、対象従業員と面談を実施し、仕事と介護の両立支援プランを作成・実施します。そして対象従業員が連続5日以上の介護休業を取得し、職場に復帰して支給申請日まで継続雇用されることが必要です。
申請期限は介護休業終了日の翌日から3か月が経過した後、2か月以内です。
2026年度から有期雇用労働者の場合に10万円の加算が新設されています。
②介護両立支援制度の要件と支給額
介護のために短時間勤務やテレワーク等の制度を整備し、従業員が実際に利用した場合の助成です。
制度を1つ導入し対象従業員が利用した場合は20万円、2つ以上導入し1つ以上利用した場合は25万円です。
対象となる介護両立支援制度は、時差出勤制度、短時間勤務制度、在宅勤務制度、フレックスタイム制度、介護サービス費用補助制度のいずれかです。
面談の実施と両立支援プランの作成・実施が必要な点は①と共通しています。
③業務代替支援の要件と支給額
介護休業中に業務代替を行った場合の助成です。
新規雇用(または派遣受入)で業務代替要員を確保した場合は20万円です。業務代替者への手当支給を就業規則等に規定した上で実際に手当を支給した場合は、介護休業取得者の代替者への支給で5万円、介護短時間勤務者の代替者への支給で3万円です。
④介護休暇制度有給化支援(2026年度新設)
2026年度から新設された種別です。有給の介護休暇制度を導入し、従業員が実際に利用した場合に支給されます。
支給額は原則30万円ですが、年10日以上の有給介護休暇が取得できる制度を導入した場合は50万円とされています(複数の解説情報で確認。公式リーフレット本文には「30万円」のみ記載のため、申請前に手引きまたは都道府県労働局でご確認ください)。1事業主1回限りです。
要件は、法定の介護休暇を上回る有給の介護休暇制度を就業規則に規定すること、利用に関する方針を社内周知すること、従業員が一定基準以上利用することです。
「法定の介護休暇」は育児・介護休業法に基づく無給(または労使協定で有給化している場合もあり)の制度ですが、この助成金が求める「有給の介護休暇制度」は法定を上回る有給の制度である必要があります。就業規則に「介護休暇は有給とする」と規定する改訂が求められます。
有給介護休暇制度の実務的な導入ステップは次の通りです。まず現行の就業規則の介護休暇規定を確認します。無給または記載がない場合、「有給」と明示する改訂が必要です。改訂案を作成し、就業規則変更届を所轄労働基準監督署に届け出ます(常時10人以上の事業所)。改訂した就業規則を全従業員に周知します。次に介護が必要な状況にある従業員がいるか、または将来的に利用の可能性がある従業員に制度を案内します。実際に従業員が有給の介護休暇を取得し、一定の日数・回数に達した後に申請します。
コース3: 育児休業等支援コースの詳細
制度の目的
従業員の育児休業取得と職場復帰を円滑に進めるための体制を整備した事業主への助成金です。女性・男性を問わず対象になります。
2つの種別と支給額
①育休取得時に30万円、②職場復帰時に30万円で、合計60万円を受け取れる可能性があります。ただし、職場復帰時(②)の申請は、育休取得時(①)の申請をした同一の育休取得者のみを対象としています。①②ともに1事業主につき2人まで(無期雇用従業員1人、有期雇用従業員1人)です。
①育休取得時の要件
まず、育児休業の取得・職場復帰支援に関する方針を社内周知します。次に対象従業員との面談を実施し、育休復帰支援プランを作成・実施します。そして育休の開始日前日までに業務の引き継ぎを実施した上で、対象従業員が連続3か月以上の育児休業(産後休業と連続している場合はそれを含む)を取得します。
申請期限は「育休開始日(または産前休業開始日)から3か月が経過する日の翌日から2か月以内」です。
②職場復帰時の要件
育休中に職務・業務の情報や資料を提供します。育休終了前に上司または人事労務担当者が面談を実施し、結果を記録します。対象従業員を原職等に復帰させ、申請日までの間6か月以上継続雇用します。
申請期限は「復帰後6か月経過後2か月以内」です。育休→申請→復帰→6か月→申請という2段階の流れになります。
育休復帰支援プランとは
育休復帰支援プランは、従業員の育休取得から職場復帰までの過程で実施する支援の計画書です。厚生労働省が参考様式(育休復帰支援プラン策定マニュアル内の様式第2号・第3号)を公開しており、そのまま使うことができます。面談シートは【育】様式第2号として、育休復帰支援プランは【育】様式第3号として公式の様式があります。
プランには面談の日時・内容、育休中の連絡体制・業務引き継ぎの方針、復帰後の勤務形態・職務等の予定などを記録します。これが審査の際に証憑として機能するため、適当に作成するのではなく、実際の面談内容を反映させた形で作成することが求められます。
コース4: 育休中等業務代替支援コースの詳細
制度の目的
育休取得者や短時間勤務者の業務を引き受ける同僚への手当を支給したり、業務代替のための人員を新規採用したりした事業主を支援します。「周囲に迷惑をかけたくない」という心理的な壁を減らし、育休取得を促進することが目的です。
3つの種別
①手当支給等(育児休業)、②手当支給等(短時間勤務)、③新規雇用(育児休業)の3種別があります。①と②は業種・規模を問わず常時300人以下の事業主が対象です。
①手当支給等(育児休業)の要件と支給額
業務代替者への手当制度を就業規則等に規定した上で、実際に手当を支給した場合の助成です。
支給額は2部構成になっています。Aの「業務体制整備費」は最大20万円(対象従業員1人ごとに育休中に1回支給)で、業務の見直し・効率化の取組を実施した場合に受け取れます。Bの「業務代替手当」は手当支給額の4分の3相当(年度内の上限は240万円)です。Bは実際に支給した手当額に連動するため、手当を多く払うほど助成金も増える仕組みです。
なお、手当を支給しても助成率が4分の3であるため、残りの4分の1は事業主の実費負担となります。
申請のタイミングは育休ごとに異なる計算式があります。詳細は後述する申請タイムラインの節で確認してください。
②手当支給等(短時間勤務)の要件と支給額
育休取得ではなく短時間勤務(3歳未満の子を持つ従業員が利用する所定労働時間短縮措置)の際の業務代替者への手当支給を助成します。
支給額はAの業務体制整備費が最大20万円、Bの業務代替手当が手当支給額の4分の3相当(上限108万円)です。
対象従業員が短時間勤務制度を1か月以上利用し、支給申請日まで継続雇用されていることが要件です。
③新規雇用(育児休業)の要件と支給額
育休取得者の代替として新しく従業員を雇用(またはアルバイトを派遣で受け入れ)した場合の助成です。
支給額は代替期間によって段階的に決まります。代替期間が7日以上(最短)で9万円、1か月以上で最大27万円、3か月以上で最大45万円、6か月以上で最大63万円、1年以上(最長)で最大81万円です。2025年度は1年以上の上限が67.5万円でしたが、2026年度に81万円に引き上げられました。
対象従業員が7日以上の育休を取得し、代替要員が育休期間中に実際に業務を行い、育休終了後も対象従業員が継続雇用されていることが条件です。
コース5: 柔軟な働き方選択制度等支援コースの詳細
制度の背景と2025年10月の義務化
2025年10月1日から、育児・介護休業法の改正により、常時雇用する労働者数が一定規模以上の事業主には育児期(子が3歳〜小学校就学前)の柔軟な働き方を実現するための措置を2つ以上導入することが義務化されました。この助成金は、法定の義務対応にあわせて積極的に制度整備した事業主を助成するものです。
2026年度は義務化後の基準に対応した内容で運用されています。
支給額
柔軟な働き方選択制度を3つ導入し、対象従業員が利用した場合は20万円、4つ以上導入した場合は25万円です(1事業主5人まで)。
障害のある子や医療的ケアが必要な子を持つ従業員について、制度利用可能期間を子が18歳になる年度末まで延長した場合、20万円の加算が受けられます(2026年度から新設)。
また、子の看護等休暇制度を有給化し、従業員が利用した場合は30万円(1事業主1回限り)です。
対象となる柔軟な働き方選択制度(5種類)
- フレックスタイム制度または時差出勤制度(従業員の申し出により利用できる形で設ける)
- 育児のためのテレワーク等(週または月の半分以上の頻度で利用できる形で設ける)
- 柔軟な働き方を実現するための短時間勤務制度(法定義務の3歳未満を超えた年齢まで適用する等の拡充)
- 保育サービスの手配及び費用補助(従業員負担額の5割以上かつ月3万円以上の補助等)
- 養育両立支援休暇制度(有給で年10日以上付与、時間単位で取得可能な形)
このうち3つ以上(または4つ以上)を就業規則等に規定した上で、対象従業員(3歳〜小学校就学前の子を養育する従業員)が実際に利用することが必要です。
申請の流れ
まず柔軟な働き方選択制度を3つ以上就業規則等に規定し、制度利用に関する方針を全従業員に周知します。次に対象従業員と面談を実施し、「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」を作成します。そして対象従業員が制度利用を開始してから6か月以内に一定の基準以上利用したことを確認した上で申請します。
申請期限は「6か月の制度利用期間の翌日から2か月以内」です。
コース6: 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの詳細
制度の目的
不妊治療、月経に起因する症状(PMSを含む)、更年期に起因する症状に対応するための両立支援制度を整備し、従業員が実際に利用した場合の助成金です。
3つの支援区分と支給額
A区分は不妊治療のための両立支援制度を5日(回)利用した場合で30万円です。B区分は月経に起因する症状への対応のための支援制度を5日(回)利用した場合で30万円です。C区分は更年期に起因する症状への対応のための支援制度を5日(回)利用した場合で30万円です。A〜Cそれぞれ1事業主1回限りです。
必要な体制整備
A〜C各区分に対応する両立支援制度(休暇制度、所定外労働制限制度、時差出勤制度、短時間勤務制度、フレックスタイム制度、在宅勤務等)を就業規則等に規定することが必要です。また、労働者からの相談に対応する両立支援担当者を選任し、対象従業員が制度を合計5日(回)以上利用することが必要です。
支給額一覧(コース横断サマリー)
| コース | 種別 | 支給額 | 上限(1事業主) |
|---|---|---|---|
| 出生時両立支援 | ①育休取得(1人目) | 20万円 | 複数人可 |
| 出生時両立支援 | ①育休取得(2・3人目) | 10万円 | 複数人可 |
| 出生時両立支援 | ②取得率向上 | 60万円 | 1回限り |
| 介護離職防止 | ①介護休業 | 40万円 | 5人まで |
| 介護離職防止 | ②介護両立支援制度(1制度) | 20万円 | 5人まで |
| 介護離職防止 | ②介護両立支援制度(2制度以上) | 25万円 | 5人まで |
| 介護離職防止 | ③業務代替(新規雇用) | 20万円 | 5人まで |
| 介護離職防止 | ③業務代替(手当・介護休業) | 5万円 | 5人まで |
| 介護離職防止 | ③業務代替(手当・介護短時間勤務) | 3万円 | 5人まで |
| 介護離職防止 | ④介護休暇有給化(年10日未満) | 30万円 | 1回限り |
| 介護離職防止 | ④介護休暇有給化(年10日以上) | 50万円 | 1回限り |
| 育児休業等支援 | ①育休取得時 | 30万円 | 2人まで |
| 育児休業等支援 | ②職場復帰時 | 30万円 | 2人まで |
| 育休中等業務代替 | ①手当支給等(育休)A体制整備費 | 最大20万円 | 年度内10人 |
| 育休中等業務代替 | ①手当支給等(育休)B代替手当 | 手当の3/4(最大240万円) | 年度内10人 |
| 育休中等業務代替 | ②手当支給等(短時間)A体制整備費 | 最大20万円 | 年度内10人 |
| 育休中等業務代替 | ②手当支給等(短時間)B代替手当 | 手当の3/4(最大108万円) | 年度内10人 |
| 育休中等業務代替 | ③新規雇用(最短7日以上) | 9万円 | 年度内10人 |
| 育休中等業務代替 | ③新規雇用(最長1年以上) | 81万円 | 年度内10人 |
| 柔軟な働き方 | ①制度3つ導入 | 20万円 | 5人まで |
| 柔軟な働き方 | ①制度4つ以上導入 | 25万円 | 5人まで |
| 柔軟な働き方 | ①障害児等18歳延長加算 | 20万円加算 | 別途 |
| 柔軟な働き方 | ②子の看護等休暇有給化 | 30万円 | 1回限り |
| 不妊治療等 | A不妊治療制度5日利用 | 30万円 | 1回限り |
| 不妊治療等 | B月経症状対応制度5日利用 | 30万円 | 1回限り |
| 不妊治療等 | C更年期症状対応制度5日利用 | 30万円 | 1回限り |
(確認日: 2026年6月27日。出典: 厚生労働省リーフレット No.14 2026年4月作成)
申請前に必要な社内規程の整備
なぜ事前整備が不可欠なのか
両立支援等助成金の申請において最も多い失敗は「就業規則の整備が間に合わなかった」という問題です。助成金の支給要件のほぼ全コースで、対象従業員の育休・介護休業等の開始日前日までに就業規則や育児介護休業規程が整備されていることが要件になっています。従業員が休業を開始してから就業規則を変えようとしても、その育休については助成金の対象になりません。
整備すべき就業規則・規程の項目
育児休業等支援コース・出生時両立支援コースを申請するためには、就業規則または育児介護休業規程に少なくとも次の項目が規定されている必要があります。
育児休業の取得に関する規定として、対象となる労働者の範囲(雇用期間の定め等の条件)、育休の申出方法・期日、育休開始日・終了日の定め、育休期間の延長要件と手続き、育休の撤回・中断に関する規定が含まれることが求められます。
職場復帰に関する規定として、育休終了後の原職等復帰の方針、復帰前の面談の実施規定、復帰後の短時間勤務等の選択肢が就業規則上で確認できることが望ましいです。
業務代替に関する規定として、育休取得者の業務を誰がどのように引き受けるかに関する規定の存在が求められます(具体的な業務分担の記述まで求められるわけではなく、「業務見直し・業務体制の整備を行う旨」が確認できる規定であれば足ります)。
介護離職防止支援コースを申請するためには、介護休業制度および介護のための所定労働時間短縮等の措置が就業規則等に規定されていることが必要です。有給の介護休暇制度を新設する場合(④の種別)は、「介護休暇は有給とする」という明記が就業規則上で確認できる必要があります。
就業規則変更の手順
就業規則を変更する際は、次の手順で進めます。
まず変更案を作成します。既存の育児介護休業規程と照合し、不足している条項を追記・修正します。次に、常時10人以上の労働者を使用する事業所は、就業規則変更届を所轄の労働基準監督署に提出します。10人未満の事業所は届け出義務はありませんが、変更した就業規則を作成・保管しておく必要があります。そして変更した就業規則を全従業員に周知します(掲示・配布・電子メール等の方法による)。周知の証憑(掲示日の記録、メール送信記録等)を保存します。
就業規則の変更は労働基準監督署への届け出から周知までを含めると、最低でも数週間の余裕が必要です。助成金の申請を考えている場合は、関係する従業員が育休等を取得する2か月以上前には整備に着手することをおすすめします。
一般事業主行動計画の届け出
柔軟な働き方選択制度等支援コース等では、一般事業主行動計画を策定して労働局に届け出ることが要件の一つになっています。常時雇用する労働者数が100人超の事業主は法律上の届け出義務があります。100人以下でも策定・届け出を行うことが要件となるコースがあるため、申請を予定している場合は未届け出の場合に対応が必要です。
申請の流れ(ステップ別詳細)
全コース共通の4つのステップ
両立支援等助成金の申請は、次の4段階で進みます。
ステップ1: 制度の整備
就業規則・育児介護休業規程の整備、面談・プラン作成の仕組みの構築、業務代替体制の整備など、コースごとに求められる事前整備を対象従業員の休業等の開始前に完了させます。
ステップ2: 対象従業員の制度利用
従業員が育休・介護休業・各種制度を利用します。面談実施・プランの策定・業務引き継ぎなど、この段階でも書類を作成・保管することが求められます。証憑は後から作っても審査で問題になるため、実際の実施と同時に記録を残します。
ステップ3: 申請書類の作成
支給申請書本体(コース別の様式)、支給要件確認申立書(共通)、証憑書類を揃えます。電子申請の場合はPDF化してポータルに添付します。
ステップ4: 期限内に提出・審査
申請期限内に管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に提出します。書類不備があれば追完を求められ、指定期日までに追完できない場合は不支給になることがあります。審査完了後、支給決定通知と振込が行われます。申請から支給まで通常3か月から6か月程度かかります。
コース別の申請タイムライン
それぞれのコースで申請できる時期(申請期限)が異なります。期限を過ぎると申請できません。
出生時両立支援コース①(育休取得)の場合、育休開始日から3か月が経過する日の翌日から2か月以内が申請期限です。
育児休業等支援コース①(育休取得時)の場合、育休開始日(または産前休業開始日)から3か月が経過する日の翌日から2か月以内が申請期限です。
育児休業等支援コース②(職場復帰時)の場合、復帰後6か月が経過した日の翌日から2か月以内が申請期限です。①の申請をした後、さらに育休終了・復帰・6か月待機の後に②を申請するという2段階の構造です。
育休中等業務代替支援コース③(新規雇用)の場合、育休終了日の翌日から2か月以内が申請期限です。ただし、育休期間が6か月以上の場合は期間途中での申請(中間申請)もできます。
介護離職防止支援コース①(介護休業)の場合、介護休業終了日の翌日から3か月が経過する日の翌日から2か月以内が申請期限です。
柔軟な働き方選択制度等支援コースの場合、6か月の制度利用期間の翌日から2か月以内が申請期限です。
不妊治療等両立支援コースの場合、対象従業員が制度を利用した日が5日(回)目に達した日から2か月以内が申請期限です。
申請書類の種類と準備チェックリスト
全コース共通の書類
いずれのコースでも以下の書類が必要です。
- 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号): 「不正受給をしていない」「労働関係法令に違反していない」等を申立てる書類です。様式はポータルまたは厚生労働省のサイトからダウンロードします。
- 事業所一覧・役員等一覧: 電子申請に対応する様式です。
- 就業規則または育児介護休業規程の写し: 対象となる制度が規定されているページのみのコピーで構いません。複数の事業所がある場合は本社等と対象従業員の所属事業所両方の規程が必要です。
コース別の申請書類(主なもの)
出生時両立支援コース①の場合は、【出】様式第1号①②(支給申請書)、育休開始・終了日を証明する書類(育児休業申出書等)、子の出生を証明する書類(母子手帳コピー等)、雇用環境整備の措置実施を証明する書類、業務代替体制整備を証明する書類(就業規則の関連箇所等)が必要です。
育児休業等支援コース①の場合は、【育】様式第1号①②(支給申請書)、面談シート(【育】様式第2号)、育休復帰支援プラン(【育】様式第3号)、業務引き継ぎを確認できる書類(引き継ぎ資料や引き継ぎを実施した記録)が必要です。
介護離職防止支援コース①の場合は、【介】様式第2号①②(支給申請書)、面談シート兼介護支援プラン(【介】様式第4号)、要介護状態を確認できる書類(介護保険被保険者証の写し等)が必要です。
育休中等業務代替支援コース①②の場合は、【代】様式第1号①②③(支給申請書)、業務代替者への手当支給を証明する書類(賃金台帳・振込記録等)が必要です。
書類取得先一覧
就業規則・育児介護休業規程: 自社作成のため、作成・保管場所は各事業主。
育休申出書・介護休業申出書: 自社作成(書式は厚生労働省のモデル規程・様式集からダウンロード可能)。
母子手帳(コピー): 従業員が原本を持参、コピーを会社が保管。
介護保険被保険者証(コピー): 従業員が写しを提出。
支給申請書各様式: 厚生労働省「両立支援等助成金(電子申請用の様式)」ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33675.html)からダウンロード。
賃金台帳・出勤簿: 自社作成・保管のもの。
雇用関係助成金ポータルを使った電子申請の手順
ポータルの概要
令和5年6月26日から、両立支援等助成金を含む雇用関係助成金の電子申請が雇用関係助成金ポータル(https://www.esop.mhlw.go.jp/)から可能になりました。郵送申請と電子申請の両方が選べますが、電子申請には事前にGビズIDの取得が必要です。
ステップ1: GビズIDの取得
GビズIDは法人・個人事業主が行政サービスを利用するための共通アカウントです。ポータルへのログインにはGビズIDが必須です。
取得方法はGビズIDのウェブサイト(https://gbiz-id.go.jp/)でアカウントを登録します。法人の場合はgBizIDプライムの取得をおすすめします(プライムは印鑑証明書を使った審査があり、より信頼性の高いアカウントです)。個人事業主はgBizIDエントリーから始めることができます。取得には数日〜1週間程度かかる場合があります。申請期限の直前にならないよう余裕を持って取得してください。
ステップ2: ポータルへのログインと事業所情報登録
GビズIDを使ってポータルにログインします。初回ログイン時に事業所の基本情報(所在地・名称・事業種別等)を入力します。また、助成金の支払いを受け取る口座(受取人住所届)を登録します。この登録情報は労働局による確認を経た後に有効になります。
ステップ3: 申請コースの選択と申請書の作成
ポータルのメニューから申請したいコースを選択します。画面の指示に従って申請書の各項目を入力します。支給申請書本体は、ポータル内の様式(Excel形式)をダウンロードして記入した後、PDFに変換してアップロードする形式が基本です。添付書類(就業規則、面談シート等)もPDFまたは画像(JPEG・PNG等)でアップロードします。
ステップ4: 添付書類の確認と送信
送信前に添付漏れがないかを確認します。書類不備は差し戻しの最大の原因であるため、送信前に「添付一覧」と証憑書類の対応を一件ずつ照合してから送信します。
電子申請の場合、申立書の一部が不要になるケースがあります。また、電子で申請できるのは令和5年4月1日以降に制度を利用した場合に限られます(それ以前の制度利用は郵送申請のみ)。
ステップ5: 審査・差し戻し対応
送信後、労働局の担当者が審査を行います。書類不備や追加資料が必要な場合、ポータル経由または電話・郵便で連絡があります。補正を求められた場合は、指定された期日(通常1週間程度)以内に対応する必要があります。期日を過ぎると不支給になることがあるため、ポータルの通知や電話を見逃さないようにしてください。
電子申請マニュアルの入手方法
詳細な操作手順は厚生労働省の公式マニュアル(「雇用関係助成金ポータル電子申請マニュアル」)で確認できます。また、厚生労働省のYouTubeチャンネルでは申請手順を解説した動画も公開されています。
コース間の併給制限・同時申請の可否
原則:複数コースの同時申請は可能
両立支援等助成金の複数のコースを同じ時期に申請することは、原則として可能です。例えば、ある従業員の育休取得について「育児休業等支援コース(①育休取得時30万円)」を申請しながら、同じ従業員について「育休中等業務代替支援コース(③新規雇用)」を申請することは、制度上可能です。
ただし、同一の育休取得者に対して複数コースを重ねる場合は個別の要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。
注意が必要な組み合わせ
出生時両立支援コース①(男性育休取得)と育児休業等支援コース①(育休取得時)については、同一の育休取得者・同一の育休について併給できません。どちらか一方を選択する必要があります。
出生時両立支援コース②(取得率向上)を申請した年度と、同一の育休取得者を対象とするコース①の申請は同一年度内に行うことができません。
育休中等業務代替支援コースの①②③は、それぞれ1年度内に対象従業員10人を上限とします。同時期に複数の従業員の育休が重なっても、同一年度内の合計で10人が上限です。
介護離職防止支援コースの①②③は、それぞれ1事業主5人まで(同じ従業員について1コース1回限り)です。
複数コースの組み合わせ例
育休取得1人について最大の助成を受けようとする場合の組み合わせ例を示します。なお、実際の申請可否は状況や年度によって変わるため、労働局に確認の上で進めてください。
例1: 男性従業員の育休(出生時両立支援コース①で20万円)+業務代替のため新規雇用1年以上(育休中等業務代替支援コース③で81万円)→合計101万円(一方、出生時両立支援コース①と育児休業等支援コース①は併給不可)。
例2: 女性従業員の育休(育児休業等支援コース①30万円+②30万円)+業務代替手当(育休中等業務代替支援コース①のA20万円+B手当額の3/4)→合計60万円+代替手当連動分。
よくある不支給・差し戻し事例と対策
事例1: 就業規則の整備が育休開始後だった
最も多い失敗パターンです。従業員が突発的に育休や介護休業を申し出た場合、就業規則が整備されていない状態で取得が始まってしまうことがあります。その場合、後から就業規則を整備しても「育休開始日の前日までに整備」という要件を満たせず、不支給になります。
対策: 従業員を雇用した段階で育児介護休業規程を整備しておくことが根本的な解決策です。整備のタイミングが間に合わなかった場合でも、次の育休・介護休業については準備できます。
事例2: 証憑が実施後に後付けで作成されたことが発覚した
面談シートや育休復帰支援プランを、審査を受けるために後から作成することは審査で問題になります。面談の実施日と書類の作成日に矛盾があったり、実態と書類の内容がかみ合わなかったりすると差し戻しや不支給につながります。
対策: 面談は実施日に記録し、プランはその日の内容を反映させた形で作成します。電子データのメタデータ(作成日時・更新日時)も確認対象になることがあるため、「後から整える」という習慣は避けてください。
事例3: 申請期限を数日過ぎた
申請期限は「〇日以内」と厳密に定められており、1日でも過ぎると申請できません。「育休開始日から3か月経過後2か月以内」という計算の起算点を間違えたり、郵送の消印が期限日の翌日だったりするケースで失敗が起きます。
対策: 各コースの申請期限を従業員の休業開始と同時にカレンダーに登録します。期限の1か月前を社内の提出締切日として設定し、余裕を持って準備します。電子申請の場合は送信完了日が申請日になりますが、ポータルのシステム障害等のリスクも考慮して余裕を持って送信してください。
事例4: 育休の連続日数が要件を満たしていなかった
育児休業等支援コースの要件「連続3か月以上の育児休業」を満たしているかどうかを、日数ではなく月数で換算する必要があります。例えば育休を途中で一部中断して復帰した期間があった場合、連続性が途切れることになります。
出生時両立支援コース①の「5日以上(1人目)」については、週末・祝日が間に入る場合でも育休期間として継続していれば問題ありませんが、途中に就業した日が入ると連続性が途切れます。
対策: 育休の開始日・終了日と、途中での職場復帰がないかどうかを確認します。勤怠記録と育休申出書の内容を照合し、矛盾がないか確認した上で申請します。
事例5: 同一の育休で重複申請を試みた
出生時両立支援コース①と育児休業等支援コース①は、同一の育休取得者・同一の育休について重複申請できません。重複して申請しても一方が不支給になります。
対策: どちらのコースを選択するかを休業開始前に決定します。一般的には育休中等業務代替支援コース(新規雇用)との組み合わせが多く選ばれるケースでは出生時両立支援コース①を選択する判断もありますが、事業主の状況に応じて社会保険労務士に相談することをおすすめします。
事例6: 業務代替手当の計算を誤った
育休中等業務代替支援コース①②では、実際に支給した手当額の4分の3が助成されます。しかし手当の支給額の算定方法・支給時期・就業規則上の規定と実際の支給内容が一致しない場合に問題が生じます。
対策: 就業規則に業務代替者への手当制度を規定する際、支給額・支給条件・支給時期を明記します。賃金台帳と振込記録で実際の支給を確認できるよう整備しておきます。
事例7: 電子申請の添付ファイルが不足していた
電子申請では紙申請と異なり、窓口担当者がその場で「これが足りません」と指摘することができません。提出後に差し戻しの連絡が来ますが、補正期限が短い(1週間程度の場合が多い)ため、その期間内に追加資料を準備しなければなりません。
対策: 送信前に「申請書類チェックリスト」(各コースの手引きに記載)と添付ファイルを1枚ずつ照合します。特に、面談シートや育休復帰支援プランなどの「自社作成書類」が漏れていないか、書類の内容が申請書の記載と整合しているかを確認してから送信します。
申請から支給完了までのリアルな所要期間
コース別の目安
育児休業等支援コース①(育休取得時)を例にとると、申請期限が「育休開始から3か月経過後2か月以内」ですので、最短で育休開始から3か月後に申請できます。そこから審査に3〜6か月かかるため、育休開始から数えると早くて6〜7か月後に支給される計算です。
育児休業等支援コース②(職場復帰時)は、復帰後6か月待ってから申請し、さらに審査に3〜6か月かかります。育休開始から計算すると、育休が1年間だったとすれば、支給は育休開始から1年半〜2年後になる可能性があります。
介護離職防止支援コース①(介護休業)は、介護休業終了から3か月後が申請開始で、審査に3〜6か月かかります。
育休中等業務代替支援コース③(新規雇用)は、育休終了後2か月以内に申請し、審査に3〜6か月かかります。育休が7日間の最短ケースでは、育休終了から3〜8か月後に支給される計算です。
資金計画への影響
業務代替のために新規採用した場合、採用費や給与は先払いになります。助成金は後から回収できるものの、最大で6か月以上のタイムラグが生じます。小規模事業者では資金繰りへの影響を事前に試算しておくことが重要です。申請予定の助成金を「確実に入る収入」として資金計画に組み込むのは危険です。要件を満たしていても審査段階で不支給になる可能性があるためです。
不支給決定後の対応:異議申し立ての方法
支給申請に対して「不支給決定通知書」が届いた場合、行政不服申立て(審査請求)の制度を利用することができます。
審査請求は不支給決定を知った日の翌日から3か月以内に、厚生労働大臣(または都道府県労働局長)に対して文書または口頭で行います。審査請求書には不支給決定の内容、処分を不当とする理由、証拠書類を記載・添付します。
審査請求を経てもなお不服がある場合は、行政不服申立ての審理後に行政事件訴訟(取消訴訟)を提起することができます。ただし、行政訴訟は手続きが複雑なため、弁護士への相談が現実的です。
実務上は、審査請求を提起する前に都道府県労働局の担当者に不支給の理由を詳しく聞き、追加資料や補正で対応できる余地がないかを確認することが先決です。担当者とのコミュニケーションで解決するケースも少なくありません。
2026年度の主な変更点(2025年度との比較)
変更点1: 介護離職防止支援コースに有給介護休暇制度有給化支援が新設
2025年度までは介護離職防止支援コースに「介護休暇制度の有給化」という種別は存在しませんでした。2026年4月から新設された「④介護休暇制度有給化支援」は、有給の介護休暇制度を新たに導入した事業主に30万円(年10日以上の制度を導入した場合は50万円)を支給するものです。
介護休暇は法定でも認められている制度ですが、法定の介護休暇は無給(または労使協定で有給化している場合もあり)が原則です。この助成金では法定を上回る「有給の介護休暇」を新設することを求めています。介護に携わる従業員にとっては収入を維持しながら休暇を取得できるメリットがあり、事業主にとっては介護離職を防ぐ効果が期待できます。
変更点2: 育休中等業務代替支援コースの新規雇用の上限額引き上げ
2025年度の最大支給額は代替期間6か月以上で67.5万円でした。2026年度からは代替期間1年以上の区分が新設(または拡充)され、最大81万円になりました。育休が1年間の場合に業務代替の人員を確保すると、より手厚い支援を受けられる仕組みです。
変更点3: 出生時両立支援コース②(取得率向上)の対象拡大
2025年度まで中小事業主のみを対象としていた出生時両立支援コース②(男性育休取得率の上昇等)について、2026年度から常時雇用する労働者数が300人以下であれば業種・資本金に関係なく対象になりました。中規模以上の事業主でも従業員300人以下であれば申請できるようになっています。
変更点4: 柔軟な働き方選択制度等支援コースの加算新設
2026年度から、障害のある子や医療的ケアが必要な子を持つ従業員について、制度利用可能期間を子が18歳になる年度末まで延長した場合に20万円の加算が新設されました。
変更点5: 2025年10月施行の育児期柔軟な働き方義務化との関係
2025年10月1日から、育児・介護休業法の改正により、事業主は育児期(子が3歳〜小学校就学前)の従業員に対して柔軟な働き方を実現するための措置を2つ以上提供することが義務化されています(事業主の規模等によって施行時期が異なる場合があります)。柔軟な働き方選択制度等支援コース(コース5)は、この義務化への対応を後押しする助成金として位置づけられています。
義務化により法定の措置(2つ以上の制度設置)が必要になりましたが、助成金の対象となるのは法定を上回る制度整備(3つ以上の制度導入)を行い、実際に従業員が利用した場合です。義務化の対応だけでは助成金の対象にはなりません。
制度導入のメリット(事業主視点)
離職防止と人材定着
育児や介護を理由とした離職は、採用・教育コストの損失に直結します。両立支援等助成金の対象となる制度(育休環境整備・介護支援制度・柔軟な働き方)を整備することで、経験のある従業員が離職せずに続けられる環境を作ることができます。助成金で費用の一部を賄いながら、長期的な人材定着のコストを下げる効果が期待できます。
採用力の強化
求人において「育休取得実績あり」「男性育休取得率〇%」という情報は、特に子育て世代の求職者に対して大きな訴求力を持ちます。柔軟な働き方や介護支援制度の整備は、求人票・採用ページでの差別化につながります。
くるみん認定・プラチナくるみん認定との連携
育児支援に取り組む企業に対して、厚生労働省は「くるみん」または「プラチナくるみん」の認定制度を設けています。両立支援等助成金の取り組みとくるみん認定は、要件の一部が重なっています。認定を取得することで、就職サイト等での差別化ができるほか、一部の助成金でプラチナくるみん認定による支給額の上乗せがある場合があります(詳細は厚生労働省のくるみん制度のページで確認してください)。
職場環境改善と生産性向上
業務代替支援コースは、特定の従業員が休業した際に周囲の業務負担が過大になることを防ぐ仕組みです。業務の見直しや効率化を実施する機会になるため、結果的に職場全体の生産性が上がるという副次的な効果が報告されています。
社会保険労務士への相談を検討する場面
本記事は制度の情報提供を目的としており、個別の申請代行や書類作成の代行は行いません。雇用助成金の申請手続き代行は社会保険労務士の独占業務(社会保険労務士法第2条)に該当します。
次のような場面では、社会保険労務士への相談を検討してください。
まず、就業規則・育児介護休業規程が現状どのように整備されているか、どのコースの要件を満たしているかを診断してもらいたい場合です。
次に、複数のコースを同時に申請する際の組み合わせ・申請タイミングを設計したい場合です。コース間の併給制限や申請期限の管理は複雑になるため、専門家の助言が有効です。
また、不支給決定を受けた場合の対応(審査請求・再申請の可否)についても、社会保険労務士または弁護士への相談が現実的です。
都道府県社会保険労務士会の相談窓口(各都道府県の社会保険労務士会のウェブサイトで確認できます)や、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)でも制度説明を受けることができます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 従業員が育休から途中帰国(早期復帰)した場合、助成金は受け取れますか。
A1. 育児休業等支援コース(①育休取得時)の要件は「連続3か月以上の育休取得」です。予定より早く復帰した結果、3か月に満たなかった場合は要件を満たしません。出生時両立支援コース①については最短5日以上の取得のため、短期間でも対応しやすいですが、こちらは「子の出生後8週間以内に開始」という条件もあります。
Q2. アルバイトや契約社員でも対象になりますか。
A2. 対象となる労働者の範囲はコースや種別によって異なります。育児休業等支援コースは無期雇用・有期雇用の双方を対象にしていますが、有期雇用の場合は雇用保険被保険者であること等の条件があります。不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースは「雇用保険被保険者として継続雇用」されていることが要件です。各コースの支給要件確認申立書や手引きで対象労働者の定義を確認してください。
Q3. 同じ年度に複数の従業員の育休が重なった場合、何人分申請できますか。
A3. 育休中等業務代替支援コースは、①〜③全て合わせて年度内10人まで、初回から5年間が支給の目安です。育児休業等支援コースは各種別2人まで(無期・有期各1人)です。出生時両立支援コース①は1事業主での申請回数に上限がありますが、同一年度内の上限人数については手引きでご確認ください。
Q4. 創業初年度でも申請できますか。
A4. 一般事業主行動計画の届け出(次世代育成支援対策推進法に基づく)が要件になっているコースがあります。創業直後の場合、この届け出が未了であることが申請できない理由になることがあります。また、「前事業年度」「前々事業年度」の育休取得実績を参照するコース(出生時②等)は、設立間もない会社では実績の蓄積がなく申請できないケースがあります。
Q5. 個人事業主で一人だけで営業しています。対象になりますか。
A5. 従業員を雇用していない一人親方・個人事業主は対象外です。雇用保険の適用事業所として、少なくとも1人の雇用保険被保険者(パート・アルバイト含む)を雇用していることが最低限の要件です。
Q6. 助成金の支給申請書はどこでもらえますか。
A6. 紙の様式は管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に問い合わせることで入手できます。電子申請用の様式(Excel形式)は厚生労働省のウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33675.html)からダウンロードできます。
Q7. 不支給になったら再申請できますか。
A7. 不支給の理由が「申請期限切れ」や「要件を満たさない状況での申請」であった場合、同一の育休・介護休業について再申請することは基本的にできません。不支給理由が「書類の不備」であれば、補正期間内に追加資料を提出することで対応できる場合があります。審査の過程で「補正してください」という通知が来た場合は、指定期限内に対応します。
Q8. 男性従業員が2回育休を取った場合、2回申請できますか。
A8. 出生時両立支援コース①については、1人目の育休で20万円、2人目で10万円、3人目で10万円という支給がありますが、「2・3人目」は「事業主としての2番目・3番目の申請」という意味です。同一の従業員が同一の子について2回育休を分割取得した場合、2回目の育休についても申請できる可能性がありますが、詳細は労働局に確認することをおすすめします。
相談窓口・問い合わせ先
両立支援等助成金に関する相談・申請の窓口は、本社等(主たる事業所)の所在地を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)です。
申請先(窓口)の所在地や電話番号は、厚生労働省のウェブサイト「各都道府県労働局(都道府県別)」(https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/)からお住まいの都道府県の労働局を検索してください。
東京都の場合は東京労働局 雇用環境・均等部 企画課(TEL: 03-6893-1100)が窓口となっています。
ハローワーク(公共職業安定所)は雇用保険の給付や求人に関する窓口ですが、両立支援等助成金の申請・相談は原則として労働局 雇用環境・均等部(室)が担当しています。ハローワークでは一部の雇用関係助成金の相談を受け付けていることもありますが、申請先の確認が必要です。
電子申請(雇用関係助成金ポータル)のシステムに関するお問い合わせは、ポータルサイト(https://www.esop.mhlw.go.jp/)内のヘルプページまたはコールセンター(ポータル内で案内)に問い合わせてください。
申請チェックリスト(コース別)
出生時両立支援コース①(男性育休取得)の確認事項
- 雇用保険適用事業所として届け出がある
- 育児・介護休業法に基づく雇用環境整備の措置を複数実施している(就業規則等に記載・実施記録あり)
- 業務代替者の業務見直しに係る規定等を策定している(就業規則等に記載あり)
- 対象の男性従業員が子の出生後8週間以内に育休を開始している
- 育休の連続日数が1人目5日以上・2人目10日以上・3人目14日以上を満たしている
- 申請期限(育休開始から3か月経過後2か月以内)を把握している
- 支給申請書(【出】様式第1号)と支給要件確認申立書を準備した
- 添付書類(育休申出書・子の出生証明・就業規則等)を揃えた
育児休業等支援コース(①育休取得時・②職場復帰時)の確認事項
- 中小事業主の要件を満たしている(業種別の資本金または従業員数)
- 育休の取得・職場復帰支援に関する方針を社内周知している
- 対象従業員と育休前に面談を実施し、育休復帰支援プランを作成した
- 業務引き継ぎを育休開始前日までに実施し、記録がある
- 対象従業員が連続3か月以上の育児休業を取得した
- ①の申請期限(育休開始から3か月経過後2か月以内)を把握している
- 育休中に職務・業務情報の提供を行った
- 復帰前の面談を実施し、記録がある
- 対象従業員を原職等に復帰させた
- ②の申請期限(復帰後6か月経過後2か月以内)を把握している
介護離職防止支援コース④(介護休暇有給化支援)の確認事項
- 有給の介護休暇制度を就業規則に規定した(法定を上回る有給であること)
- 制度利用に関する方針を全従業員に周知した
- 対象従業員が有給の介護休暇を一定基準以上利用した
- 年10日以上の有給介護休暇制度を導入した(50万円のコースを狙う場合)
- 申請は1事業主1回限りであることを確認した
出典一覧
- 厚生労働省「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html
確認日: 2026年6月27日
- 厚生労働省「両立支援等助成金のご案内(2026年4月作成リーフレット No.14)」
URL: https://www.mhlw.go.jp/content/001687926.pdf
確認日: 2026年6月27日
- 厚生労働省「両立支援等助成金 支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)」
URL: https://www.mhlw.go.jp/content/001691466.pdf
確認日: 2026年6月27日(URL自体は404だったためリーフレットPDFの内容を参照)
- 厚生労働省「両立支援等助成金(電子申請用の様式)」
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33675.html
確認日: 2026年6月27日
- 熊本労働局「中小企業の範囲」
URL: https://jsite.mhlw.go.jp/kumamoto-roudoukyoku/newpage_00407.html
確認日: 2026年6月27日
- 厚生労働省「都道府県労働局(都道府県別)」
URL: https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/
確認日: 2026年6月27日
- 東京労働局「仕事と家庭の両立に関する助成金(両立支援等助成金)」
URL: https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/kyoku_oshirase/_120743/_122075.html
確認日: 2026年6月27日
- 雇用関係助成金ポータル
URL: https://www.esop.mhlw.go.jp/
確認日: 2026年6月27日
免責事項
本記事は2026年6月27日時点の公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の申請手続きの代行・書類作成の代行・法律・税務・社会保険の個別助言はいたしません。制度の金額・要件・申請期限・窓口は変更されることがあります。実際の申請にあたっては、必ず最新の公式情報(厚生労働省のウェブサイトまたは管轄の都道府県労働局)でご確認ください。
雇用助成金の申請手続きの代行は社会保険労務士の独占業務(社会保険労務士法第2条第1項第1号)に該当します。代行を希望する場合は社会保険労務士にご相談ください。
各コースの申請における具体的な計算例
計算例1: 育休中等業務代替支援コース①(手当支給等・育児休業)
従業員の鈴木さん(女性)が産後8週間の産休に続いて1年間の育休を取得することになりました。その間、業務代替者として田村さん(同部署の正社員)が鈴木さんの業務を週に5時間程度追加で担当することになり、事業主は田村さんに月2万円の業務代替手当を支給することにしました。
まず事前準備として、就業規則等に「育休取得者の業務代替者への手当支給制度」を規定します。また業務の見直し・効率化の取組を実施し、その記録を残します。
育休期間は1年間(12か月)です。その間、田村さんへの手当支給額は月2万円なので、12か月で合計24万円です。
助成金の計算は次のようになります。
まずBの業務代替手当は、支給した手当額の4分の3が助成されます。12か月分の合計24万円の4分の3は18万円です。
次にAの業務体制整備費として最大20万円が加算されます(業務の見直し・効率化の取組を実施した場合)。
この2つを合計すると、18万円+20万円=38万円の助成を受けられる計算になります。
なお、年度内の上限(10人まで)と初回から5年間という制約があります。
計算例2: コース③(新規雇用)との比較
同じ鈴木さんの育休(1年間)について、業務代替要員として山田さん(新規採用)を雇用した場合はどうなるでしょうか。
育休期間が1年以上(12か月以上)の新規雇用の場合、支給額は81万円です(2026年度の上限)。
田村さんへの手当支給方式(38万円)と新規採用方式(81万円)では、新規採用の方が43万円多く受け取れます。ただし新規採用にかかる採用コスト(求人費・面接時間等)や、育休終了後の人員計画(余剰になる可能性)を考慮した上で、どちらが事業主にとって適切かを判断する必要があります。
計算例3: 男性育休×業務代替の組み合わせ
男性従業員の渡辺さんが子の出生後8週以内に5日間の育休を取得しました。事業主は出生時両立支援コース①で20万円を受け取れます。渡辺さんの不在5日間に業務代替者へ手当を支給した場合、育休中等業務代替支援コース①も申請できます(5日間分の手当×4分の3+業務体制整備費)。
この組み合わせで、20万円(出生時)+業務代替手当助成分が受け取れます。なお、出生時両立支援コース①と育児休業等支援コース①は同一の育休について重複申請できない点に注意してください(育休中等業務代替支援コース①との組み合わせは問題ありません)。
就業規則・育児介護休業規程の整備実務
規程整備の全体像
両立支援等助成金の申請を円滑に進めるためには、就業規則と育児介護休業規程が法定の水準を満たし、かつ助成金固有の要件にも対応している必要があります。
就業規則本体と育児介護休業規程は、別の規程として作成することが一般的です。就業規則本体には「育児・介護休業等については、育児介護休業規程の定めによる」と記載し、詳細を別規程に委ねる構成が多く採用されています。
育児介護休業規程に盛り込むべき主な項目
育児休業関連では、次の項目が必要です。育児休業の対象となる労働者の範囲(1歳未満の子を養育する場合の対象者の条件、有期雇用の場合の継続雇用要件等)、育休の申出方法と申出期限(原則として育休開始希望日の1か月前まで)、育休期間の定め(原則子が1歳になるまで。最長2歳まで延長できる条件)、産後パパ育休(出生時育児休業)の取扱い(子の出生後8週間以内に最大4週間取得可能)、育休中の社会保険料の取扱いに関する従業員への説明方法。
介護休業関連では、介護休業の対象となる労働者の範囲(「要介護状態」の定義を含む)、介護休業の申出方法と期限(原則2週間前まで)、93日という通算日数と3回分割取得の規定、所定外労働の制限・時間外労働の制限・深夜業の制限の各規定。
介護休暇関連では、年5日(家族1人)・10日(家族2人以上)の時間単位取得が可能な制度の規定、有給の介護休暇制度を新設する場合は「本規程に定める介護休暇は有給とする」という明記。
モデル規程の活用
厚生労働省は育児・介護休業等に関するモデル規程を公開しています。厚生労働省の「育児・介護休業法のあらまし」ページから「モデル育児・介護休業等規程」をダウンロードして、自社の状況に合わせて修正する方法が最もコストを抑えた整備方法です。
ただし、モデル規程は法定の最低基準を満たすものです。各助成金コースが求める「法定を上回る措置」(業務代替体制の規定、有給介護休暇制度の新設等)はモデル規程に含まれていないため、追加で規定する必要があります。
就業規則変更届の提出先と手続き
常時10人以上の従業員を使用する事業所は、就業規則を作成・変更した場合に所轄の労働基準監督署長に届け出ることが義務です(労働基準法第89条)。
届け出の際には、就業規則変更届(任意様式・各労働基準監督署で入手できます)と改訂後の就業規則1部を提出します。過半数代表者(または過半数組合)の意見書も添付が必要です。
9人以下の事業所は届け出義務はありませんが、変更した就業規則を事業所内に保管し、従業員がいつでも閲覧できる状態に置くことは義務です。
業種別・規模別の申請事例
事例A: 飲食業(従業員8名・個人事業主)
主として飲食業を営む個人事業主。資本金なし(個人事業のため)、常時雇用する従業員(雇用保険被保険者)は8名。
飲食業(サービス業に準ずる業種として扱われることが多い)の中小事業主の要件は「資本金5,000万円以下または常時雇用50人以下」です。従業員8名なので要件を満たします。
このケースで活用できるコースの例: 女性従業員の育休取得について育児休業等支援コース(①30万円+②30万円)、男性従業員の育休取得について出生時両立支援コース①(1人目20万円)。
注意事項: 個人事業主は法人に比べて一般事業主行動計画の届け出が漏れやすい傾向があります。柔軟な働き方選択制度等支援コースを申請する予定がある場合は、届け出状況を確認してください。
事例B: IT系サービス業(従業員45名・株式会社)
資本金1,000万円、常時雇用従業員45名。
サービス業の要件は「資本金5,000万円以下または常時100人以下」です。両方の条件を満たしています。
このケースで活用できるコースの例: 育休中等業務代替支援コース③(新規雇用、育休1年で81万円)、柔軟な働き方選択制度等支援コース(テレワーク導入済みの場合、制度数によって20〜25万円)。
IT業はテレワーク等の柔軟な働き方が整備されやすい業種です。既に導入済みの制度(フレックス・テレワーク等)が助成金の対象制度に該当するかを確認すると、追加投資なしに申請できる場合があります。
事例C: 製造業(従業員120名・中小事業主の境界線)
資本金2億円、常時雇用従業員120名。
製造業の中小事業主の要件は「資本金3億円以下または常時300人以下」です。資本金2億円は3億円以下、従業員120名は300人以下なので、両方の要件を満たしており中小事業主に該当します。
このケースで注意が必要なのは、出生時両立支援コース①(男性育休取得)が中小事業主のみを対象としている点です。一方で育休中等業務代替支援コース①②の「手当支給等」は常時300人以下の全業種が対象なので申請可能です。
事例D: 卸売業(従業員110名)
卸売業の要件は「資本金1億円以下または常時100人以下」です。従業員が110名の場合、常時100人以下の要件を超えています。資本金が1億円以下であれば中小事業主に該当しますが、資本金が1億円を超えていれば中小事業主には該当しません。
この境界線付近の事業主は、毎年度の開始前に自社が中小事業主に該当するかどうかを確認することが重要です。会社の資本金変更や M&A 等で規模が変わった場合は要件の再確認が必要です。
電子申請の実務的なポイント(操作レベルの補足)
GビズIDの種類と選択
GビズIDには3種類があります。gBizIDプライム(法人登記・個人事業者の確認書類を使った審査あり・最も信頼性が高い)、gBizIDメンバー(プライムアカウントから追加するアカウント・同一法人内の担当者用)、gBizIDエントリー(スマートフォンで手軽に取得可能・一部サービス制限あり)です。
雇用関係助成金ポータルへのログインには、原則としてgBizIDプライムまたはgBizIDメンバーが必要です。エントリーでは一部機能が制限される場合があります。
プライムの取得には印鑑証明書(法人の場合は法人印鑑証明書)が必要で、審査に数日かかることがあります。申請期限の直前に取得しようとすると間に合わない可能性があるため、助成金の申請を考えた時点で取得手続きを進めておくことをおすすめします。
ポータルの画面構成と操作の流れ
雇用関係助成金ポータル(https://www.esop.mhlw.go.jp/)にGビズIDでログインすると、メインメニューに「新規申請」「申請状況確認」「受取人住所届」等のメニューが表示されます。
新規申請では、助成金の種類(両立支援等助成金)とコースを選択すると、申請に必要な様式のリストと添付書類の説明が表示されます。各様式はExcel形式でダウンロードして記入し、PDFに変換してアップロードします。
添付書類はPDF・JPEG・PNG等の形式でアップロードします。ファイルサイズや形式の制限があるため、スキャンした書類が大きすぎる場合は圧縮が必要になることがあります。
申請データを「一時保存」してから「最終確認」の画面で全体をチェックし、「送信」ボタンを押すと申請が完了します。送信後に受付番号が発行され、ポータル上で審査状況を確認できます。
電子申請で注意すべきファイル管理
申請に使用した書類(就業規則・面談シート・申請書等)は、申請後も一定期間(通常5年間程度)保存する義務があります。電子申請の場合は送信したデータのバックアップを取っておくことが重要です。ポータル上で提出済みの書類を再ダウンロードできますが、念のため手元にも保存しておくことをおすすめします。
雇用保険との関係と混同しやすい制度の整理
育児休業給付金と両立支援等助成金の違い
従業員が育児休業を取得した場合、二つの金銭的支援が発生します。
一つは育児休業給付金(雇用保険からの給付)です。これは育休中の従業員本人が雇用保険から受け取る給付で、原則として休業前の賃金の67%(育休開始から6か月後は50%)が支給されます。申請するのは事業主(ハローワークを通じて)ですが、受け取るのは従業員本人です。
もう一つが両立支援等助成金です。こちらは事業主が都道府県労働局に申請し、事業主が受け取るものです。従業員の育休取得をサポートするための制度整備や業務代替体制の整備に対する助成という性格があります。
育休給付金の申請と両立支援等助成金の申請は、申請先(ハローワーク vs. 労働局)も様式も異なります。担当者が同じ場合もありますが、混同しないよう整理してください。
育児・介護休業法の義務と助成金の関係
育児・介護休業法は事業主に一定の義務を課しており、違反した場合は勧告・公表の対象になります(場合によっては20万円以下の過料)。
一方、両立支援等助成金は法定義務を超えた取り組みを行った事業主を支援するものです。法定の育児休業制度を導入しているだけでは多くのコースで不十分で、「面談・プラン策定・周知」などの追加的な取り組みが求められます。
「法定義務を果たしているから申請できるはずだ」という思い込みは避け、各コースの具体的な要件を確認してください。
次世代育成支援対策推進法の行動計画との関係
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(くるみんプランとも呼ばれます)は、従業員101人以上の事業主に策定・届け出が義務付けられています。100人以下の事業主には義務はありませんが、柔軟な働き方選択制度等支援コース等で一般事業主行動計画の届け出が要件になっている場合があります。
行動計画は策定しただけでは不十分で、都道府県労働局への届け出が必要です。届け出後に労働局から受け付け番号が発行され、それが証憑になります。行動計画の内容は育児支援に関する目標(男性育休取得率○%以上等)を盛り込んで策定します。
助成金申請に関連するその他の制度との比較
介護保険との関係
従業員が家族の介護のために介護休業を取得する場合、その家族が介護保険の要介護認定を受けている状況であることが多いです。介護休業取得の要件として「要介護状態」の認定が必要ですが、介護保険の「要介護」認定と両立支援等助成金が定める「要介護状態」の定義は必ずしも一致しません。
両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)における「要介護状態」は、育児・介護休業法の定義に準じており、「負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」を指します。介護保険の要介護認定を受けていることがそのまま要件を満たすわけではなく、また介護保険の認定がなくても「常時介護を必要とする状態」として認められる場合があります。
証憑として、要介護状態を確認できる書類(医師の診断書・介護保険被保険者証の写し等)が必要になります。
雇用調整助成金(81番の記事)との比較
雇用調整助成金(No.81)は、景気悪化等による一時的な休業・教育訓練を行った事業主への助成金で、従業員の雇用を維持することが目的です。両立支援等助成金は育児・介護等のライフイベントに対応した制度整備を評価する助成金です。
目的・申請理由・要件が全く異なるため、混同しないようにしてください。景気悪化による休業は雇用調整助成金、育休・介護休業は両立支援等助成金というように、別の制度です。ただし、同じ会社が時期の異なる事象で両方の助成金を申請することは可能です。
制度の歴史と今後の動向
両立支援等助成金の変遷
両立支援等助成金の前身は「育児・介護雇用安定等助成金」です。制度は継続的に見直されており、コース数・コース名・支給額はほぼ毎年度更新されています。
2024年度(令和6年度)までの主要コースは出生時両立支援コース・介護離職防止支援コース・育児休業等支援コース・育休中等業務代替支援コース・柔軟な働き方選択制度等支援コースの5コース(に近い構成)でした。2026年度から6コースに整理されています。
コースの廃止・統合・新設が毎年度あるため、「前の年に確認した情報」が翌年度には変わっている可能性があります。毎年度の申請手引き(厚生労働省のウェブサイトで公開)を確認することが必須です。
今後の注目点
2025年10月の育児・介護休業法改正(育児期の柔軟な働き方義務化)を踏まえ、2026年度・2027年度の助成金は義務化に対応した内容になっていくと見込まれます。また、介護離職防止に関する社会的ニーズの高まりを受けて、介護関連のコースが拡充される可能性があります。
助成金の財源は雇用保険料です。経済状況や労働市場の変化により、助成金の支給額や要件が見直されることがあります。特に大規模な経済変動の時期には、雇用調整助成金等に財源が集中する結果、他の助成金の予算が縮小されることもあります。
具体的な申請書類の取得・作成ガイド
就業規則の取得・作成の手順
まず現行の就業規則・育児介護休業規程の内容を確認します。育児・介護休業法の最新改正(2025年10月の改正を含む)に対応しているかどうかを確認します。
法改正に対応していない場合は、厚生労働省のモデル規程(「育児・介護休業法のあらまし」ページからダウンロード)を参照して改訂します。
助成金固有の追加規定(業務代替体制の規定、有給介護休暇制度等)が必要な場合は、モデル規程に追記します。
改訂後の規程を全従業員に周知します(社内掲示・メール配布等の記録を保存)。
常時10人以上の事業所は就業規則変更届(意見書添付)を所轄の労働基準監督署に届け出ます。
面談シートの作成方法
面談シートは育休・介護休業等の開始前に、対象従業員と事業主(または上司・人事担当者)が行う面談の記録です。
厚生労働省の「育休復帰支援プラン策定マニュアル」に含まれる様式第2号(面談シート)を使用することができます。このマニュアルは厚生労働省のウェブサイトから入手できます。
面談シートに記録すべき主な内容は、面談実施日・実施者・対象従業員の氏名、育休の予定期間(開始日・終了予定日)、育休中の業務引き継ぎの方針、育休中の連絡方法・頻度に関する合意、復帰後の勤務形態の希望・予定(短時間勤務の希望等)です。
面談シートは「その場で書いてその日に残す」ことが原則です。審査段階で書類の作成日を問われた場合に、面談実施日と作成日が一致していることが信頼性の根拠になります。
業務引き継ぎ資料の作成
育児休業等支援コース①の要件である「業務引き継ぎ」は、育休開始日の前日までに完了していることが求められます。業務引き継ぎの証憑として認められるのは、業務引き継ぎを行った事実が確認できる書類です。
具体的には、引き継ぎ資料(担当業務のリスト・操作マニュアル等)の作成日時が確認できるもの、引き継ぎ実施の記録(実施日・内容・引き継ぎ先担当者の確認)が記載されたもの等が証憑として機能します。
「引き継ぎ資料」自体は特定の様式があるわけではありません。担当業務の一覧表・手順書・取引先リスト等、業務代替者が業務を遂行するために必要な情報が整理されたものであれば、書式は問いません。
各コースの申請に特有のつまずきポイント
出生時両立支援コースのつまずきポイント
「育休を5日以上取得」の数え方について、産後パパ育休(出生時育児休業)と通常の育児休業は別の制度です。産後パパ育休は子の出生後8週間以内に最大4週間取得できる制度で、通常の育休は産後8週を過ぎた後から取得できます。出生時両立支援コース①の「子の出生後8週間以内に開始する育休」には、産後パパ育休が含まれます。両者を組み合わせて取得する場合でも、要件となる日数を満たせば問題ありません。
「雇用環境整備の措置を複数実施」という要件について、「複数」とは厚生労働省が定める措置の種類(研修・相談窓口・事例収集・意向確認等)のうち2種類以上を実施していることを意味します。1種類だけでは要件を満たしません。
育児休業等支援コースのつまずきポイント
「連続3か月以上の育休」という要件は、産後休業(産後8週間)と連続している場合はその期間も含めて計算できます。ただし、産後休業と育休の間に就業した日が1日でもあると「連続」の判定が変わる可能性があります。
産後休業(育休でも産休でもない、法定の産後8週間の禁止期間含む)と育休を連続して取得する場合の取扱いは複雑なため、労働局に事前確認することをおすすめします。
介護離職防止支援コースのつまずきポイント
「連続5日以上の介護休業」という要件について、法定の介護休業は通算93日・3回まで分割取得できます。出生時両立支援コース①の「連続5日以上」は、一回の介護休業が連続5日以上続いていることを指します。1日ずつ断続的に取得しても要件を満たしません。
「仕事と介護の両立支援プラン」の作成が介護休業取得前に求められる点について、実務では従業員が急遽介護休業を取得せざるを得ない状況(家族が突然倒れた等)があります。このような場合でも、可能な限り速やかに面談を実施してプランを作成することが求められます。緊急事態の場合は、休業開始後できるだけ早い時点での面談・プラン作成で対応できるかどうかを労働局に事前確認することをおすすめします。
申請から支給までを管理するスケジュール管理ツールの活用
Excelによる申請スケジュール管理表の作り方
複数の従業員が育休や介護休業を取得する場合、各コースの申請期限を個別に追いかけるのは煩雑です。一覧表を使って管理することで、申請漏れや期限切れを防ぐことができます。
スケジュール管理表に盛り込む列の例を示します。
まず従業員氏名と対象コースを記入します。次に申請起算日となるイベント(育休開始日・終了日・職場復帰日等)を記入します。そこから自動計算で申請開始日(〇か月後の翌日)と申請期限日(さらに2か月後)が計算されるよう数式を設定します。申請完了日と受け付け番号の列も設け、提出後に記録します。
例えばExcelで、育休開始日をA列に入れ、B列に「=EDATE(A1,3)+1」(3か月後の翌日)、C列に「=EDATE(B1,2)-1」(申請期限)という数式を入れると、自動でスケジュールが計算されます。
管理表はクラウドサービス(Google スプレッドシート等)に保存して担当者がいつでも確認できる状態にし、申請期限の1か月前と2週間前にアラートが届くよう設定することをおすすめします。
担当者間の引き継ぎと情報共有
人事総務担当者が変わった場合でも、申請漏れが起きないよう情報を整理しておくことが重要です。各助成金の申請情報(コース・対象従業員・申請期限・受け付け番号・支給額)をフォルダで管理し、紙と電子データで二重に保管します。
特に電子申請の場合は、ポータルのログイン情報(GビズIDのID・パスワード)の引き継ぎも必要です。担当者個人のスマートフォンに紐づいた2段階認証になっている場合、担当者が退職するとログインできなくなる事態が起きることがあります。GビズIDは組織単位で管理できるよう、複数の担当者でアクセスできる設定にしておくことをおすすめします。
申請手続きの代行を依頼する際のポイント
社会保険労務士への依頼
社会保険労務士は雇用関係助成金の申請手続きを代行できる専門家です(社会保険労務士法第2条第1項第1号・2号)。
依頼するメリットとして、要件充足の確認・就業規則の整備アドバイス・申請書類の作成・労働局への提出代行を一括して任せられることが挙げられます。特に初めて申請する事業主や、複数のコースを同時に申請したい場合は、社会保険労務士への依頼が現実的な選択です。
費用は社会保険労務士によって異なりますが、申請1件あたりの着手金・成功報酬の形式が一般的です。成功報酬型の場合、支給が決定した後に助成額の10〜20%程度を支払うケースが多いです。事前に複数の事務所から見積もりを取ることをおすすめします。
社会保険労務士を探す方法は、都道府県社会保険労務士会のウェブサイト(「全国社会保険労務士会連合会」のサイトから各都道府県の会へリンクされています)で会員検索ができます。助成金業務を得意とする事務所かどうかも確認することをおすすめします。
無料相談窓口の活用
都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)では、両立支援等助成金に関する無料相談を受け付けています。申請を検討している段階で一度相談することで、要件の確認や必要書類の事前確認ができます。
厚生労働省の「総合労働相談コーナー」(全国の労働局・労働基準監督署に設置)でも、育児・介護関連の制度に関する相談を受け付けています。
ただし、相談担当者の回答は一般的な制度説明にとどまる場合があり、個々の事業所の状況に即した具体的な申請書類の作成指導は社会保険労務士の業務範囲に属します。
両立支援等助成金と企業の ESG・人的資本開示との関係
助成金取得が対外アピールに使える場面
近年、企業の人的資本情報開示が重要視されるようになっています。育児・介護支援制度の整備、男性育休取得率、女性活躍推進等の指標が企業価値評価に組み込まれるケースが増えています。
両立支援等助成金の申請プロセスで整備する制度(育休環境・介護支援・柔軟な働き方)は、対外的にアピールできる実績になります。特に出生時両立支援コース②(男性育休取得率の向上)の達成は、男性育休取得率の数値として採用サイト・企業情報に掲載できます。
プラチナくるみんの認定を取得すると、厚生労働省のウェブサイト(「両立支援のひろば」)に企業情報が掲載されます。求職者が企業を検索した際に「育児支援に積極的な企業」として認識されやすくなります。
従業員への制度周知のコツ
助成金を申請できる状態になっても、従業員が制度を知らなければ利用してもらえません。就業規則に規定するだけでなく、実際に従業員が制度を利用できるよう周知することが求められます(これ自体が要件の一部にもなっています)。
周知の方法として有効なのは、全従業員向けの説明会を実施すること、社内イントラネット・掲示板への案内掲載、入社時のオリエンテーションで育休・介護休業制度を説明すること、育休取得者の体験談を社内で共有することなどです。
特に男性従業員に対しては「育休を取りたい気持ちはあるが職場の空気を読んでしまう」という心理的な壁が大きいことが調査で示されています。経営者・管理職が「育休取得を歓迎する」というメッセージを明示的に発信することが、取得促進に最も効果的と言われています。
申請をめぐる実務的な疑問(追加FAQ)
Q9. 育休中に従業員が産前産後休業から育休に切り替えた場合、申請タイミングはどこを起点にしますか。
A9. 育児休業等支援コース①の申請期限は「育休開始日(産前休業が先行する場合は産前休業開始日)から3か月が経過する日の翌日から2か月以内」です。産前休業(出産予定日の6週間前から)から育休に続く場合は、産前休業の開始日が起算点になります。出産予定日より実際の出産日が大幅に変わった場合の取り扱いについては、労働局に確認することをおすすめします。
Q10. 同じ従業員が2人目の子どもでも育休を取得しました。1人目の育休で申請した場合でも、2人目でも申請できますか。
A10. 育児休業等支援コースについては、1事業主につき無期雇用従業員1人・有期雇用従業員1人の合計2人が申請上限です。したがって同一の従業員が2人目の子の育休を取得しても、すでに1人目の育休で申請済みであれば追加申請は原則できません。出生時両立支援コース①については1人目20万円・2人目10万円という仕組みなので、同一従業員が複数回利用できる設計です。
Q11. 申請書類に押印は必要ですか。
A11. 電子申請の場合は押印不要が原則です。紙申請の場合は、申請書の様式に押印欄がある場合は押印が求められます。具体的な様式の記載に従ってください。電子申請ではGビズIDによるログイン自体が本人確認の役割を果たしています。
Q12. 助成金を受け取った後に、対象となった従業員が退職した場合はどうなりますか。
A12. 助成金の支給後に対象従業員が退職しても、原則として支給済みの助成金を返還する必要はありません。ただし、支給申請の要件に「支給申請日まで継続雇用」という条件があるコースでは、申請日時点で在職していることが支給の条件です。また、不正受給(虚偽の申請)が後で発覚した場合は返還を求められます。
Q13. 外国人従業員が育休を取得した場合も助成金の対象になりますか。
A13. 国籍は助成金の対象要件とは無関係です。雇用保険被保険者として適法に雇用されている外国人従業員が育休・介護休業等を取得した場合も、日本人従業員と同様に助成金の対象になります。なお、在留資格の種類によっては雇用保険に加入できない場合があるため、その点を確認してください。
Q14. パートタイム労働者の育休取得でも申請できますか。
A14. 育児休業等支援コースは「有期雇用労働者」(パートタイム・契約社員等)も対象になります(1事業主につき無期雇用・有期雇用各1人が上限)。有期雇用労働者の場合は、育休の申出時点で「同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上」であることが要件になります(育休の対象となるかどうかの法定要件)。週20時間以上勤務の雇用保険被保険者であることが前提です。
Q15. 従業員が育休中に副業をしていた場合、助成金への影響はありますか。
A15. 育休中の副業・兼業の可否は事業主の就業規則による部分もありますが、副業先での就業実態がある場合に育休給付金との関係でも問題が生じる可能性があります。両立支援等助成金の観点では、「育休取得中」の期間に対象従業員が何らかの形で就業していた場合、育休の連続性や継続性の要件に影響が出ることがあります。具体的な状況については労働局に確認することをおすすめします。
地域ごとの相談窓口へのアクセス
都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)一覧(主要都市)
両立支援等助成金の申請・相談窓口は管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)です。全都道府県の連絡先は厚生労働省の「都道府県労働局(都道府県別)」ページ(https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/)で確認できます。本記事では代表的な都市のみ例示しますが、必ず上記の公式ページで最新の連絡先をご確認ください(確認日: 2026年6月27日時点の情報)。
東京の場合は東京労働局 雇用環境・均等部 企画課(TEL: 03-6893-1100)です。
大阪の場合は大阪労働局 雇用環境・均等部(TEL: 06-6941-8940)です。
愛知(名古屋)の場合は愛知労働局 雇用環境・均等部(電話番号は公式ページでご確認ください)です。
福岡の場合は福岡労働局 雇用環境・均等部(電話番号は公式ページでご確認ください)です。
いずれも電話相談が可能ですが、申請書類の具体的な作成指導は行っていません。制度の概要確認・要件の事前確認に活用してください。
都道府県社会保険労務士会の相談窓口
社会保険労務士への相談窓口として、都道府県社会保険労務士会が定期的に無料相談会を実施しています。全国社会保険労務士会連合会(https://www.shakaihokenroumushi.jp/)のウェブサイトから各都道府県の会へのリンクがあります。
規程の整備と実際の運用が乖離した場合のリスクと対策
最もリスクの高い乖離パターン
就業規則に制度を規定したにもかかわらず、実際の運用が規程と異なっている場合、助成金の不支給や返還請求につながる可能性があります。
最もリスクが高いパターンの第1は、就業規則では「連続3か月以上の育休を取得できる」と規定しているが、実際には上司から育休期間を短縮するよう圧力をかけているという状況です。この場合、対象従業員が本来の意思に反して短い育休しか取得できなかった場合に、助成金の要件となる「連続3か月以上」を満たせないという問題が生じます。また、育休取得の意思表示を妨害した場合は育児・介護休業法違反にもなります。
第2は、就業規則に業務代替手当の規定があるが、実際には手当を支給していないというケースです。育休中等業務代替支援コース①②では実際に手当を支給した額の4分の3が助成されます。規程上は手当があるように見えても、実際の支給記録(賃金台帳・振込記録)がなければ審査で問題になります。
第3は、面談を実施したとする書類があるが実際には面談を行っていないというケースです。形式的に面談記録を作成しただけで、実際の対話がなかった場合は虚偽の申告になります。不正受給として認定されると、受け取った助成金の全額返還に加えて、一定期間の助成金申請禁止措置が取られます。
乖離が生じやすい背景と予防策
乖離が生じやすい背景として、「とりあえず書類だけ整えて助成金をもらおう」という意識があることが挙げられます。助成金の審査では、書類の整合性だけでなく実態の確認も行われます。特に、書類の作成日時や、就業規則の整備日と育休開始日のタイムラインが矛盾していないかどうかも確認対象です。
予防策として最も効果的なのは、制度整備・面談実施・業務引き継ぎ・手当支給の各段階で、実施したその日に記録を残す習慣を組織に定着させることです。
具体的には、面談は毎回必ず面談シートに記録し、対象従業員と担当者の双方が署名する形にします。就業規則の改訂は、改訂日と全従業員への周知日を別々に記録します。手当支給は賃金台帳に手当項目を明記し、給与明細にも記載します。
不正受給が発覚した場合の対応と法的リスク
助成金の不正受給(虚偽の申告・書類の偽造等)が発覚した場合、受領した助成金の全額返還に加えて、詐欺罪(刑法246条)に問われる可能性があります。また、不正受給が確認された事業主には、不正受給が発覚した日から5年間、雇用関係助成金の支給が受けられなくなります(「不支給・返還等の措置」が適用されます)。
悪質な不正受給の場合は、厚生労働省・労働局から刑事告発されることがあります。助成金の申請は「書類さえ揃えばよい」という性格のものではなく、申請内容が事実であることへの信頼に基づく制度です。
内部統制として推奨されるのは、申請書類の作成担当者と提出・承認の担当者を分けることです。一人の担当者が書類を作成して自分で提出・確認まで行うワンマン体制では、チェック機能が働きません。申請前に上司または経営者が申請内容と書類の整合性を確認する承認フローを設けることで、意図せぬ誤りや不正を防ぐことができます。
年度をまたぐ申請のポイント
育休が年度をまたぐ場合
育休が4月1日をまたいで継続する場合、新年度に変わることで助成金の支給要件や支給額が変わることがあります。例えば、2025年度に開始した育休について2026年4月以降に申請する場合、どちらの年度の要件が適用されるかを確認する必要があります。
原則として、助成金の要件は「制度利用を開始した時点」または「申請する時点」の年度のどちらが基準になるかがコースによって異なります。育休開始日が属する年度の要件が適用されるケースが多いですが、支給申請日が属する年度の要件が適用される場合もあります。
年度をまたぐ申請を行う場合は、事前に管轄の労働局に「申請予定の育休取得はどの年度の要件が適用されますか」と確認することを強くおすすめします。特に2025年度から2026年度にかけては、コース内容や支給額に変更が生じているため、確認が不可欠です。
「初回から5年間」の支給期間に関する注意点
育休中等業務代替支援コースには「初回から5年間支給」という期間制限があります。これは、最初に助成金を受け取った年度から5年間(5事業年度)が支給の対象期間となり、6年目以降は受け取れないという意味です。
例えば、2022年度に初めてこのコースの助成金を受け取った事業主は、2026年度(5年目)が最後の受給可能年度になります。この期間制限に気づかず、6年目以降も申請しようとして不支給になるケースがあります。
自社がいつから受給を開始したかを確認し、支給可能な残り期間を把握した上で、受給可能な期間内に積極的に活用することが重要です。
両立支援等助成金の申請を後押しする補助ツール・情報源
厚生労働省が提供する無料ツール
厚生労働省は、育休復帰支援プランの策定を支援する「育休復帰支援プラン策定マニュアル」(PDF・様式含む)を無料で公開しています。このマニュアルには、面談シートのひな形、育休復帰支援プランのひな形、育休前・育休中・復帰後の各段階でのアクションチェックリストが含まれています。就業規則の整備に使えるモデル規程も同じく厚生労働省のサイトから入手できます。
また、「両立支援のひろば」(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/)では、育休取得実績や女性管理職比率等を公表している企業の情報検索、くるみん認定企業の情報、モデル規程・マニュアルのダウンロードができます。
中小企業向けの相談支援
中小企業が両立支援制度の整備に取り組む際には、独立行政法人労働政策研究・研修機構や、産業労働省系の相談窓口(中小企業サポートセンター等)でも、助成金に関する相談や就業規則整備のアドバイスを受けられる場合があります。
地域によっては、商工会議所や商工会が助成金に関するセミナー・勉強会を開催しています。地域の商工会議所に問い合わせることで、近くで実施している無料セミナーの情報を得られることがあります。
2026年度助成金活用の総合的な戦略
複数コース・複数人を活用した場合のシミュレーション
従業員20名の中小事業主が、2026年度1年間で複数の従業員の育休・介護休業等に対応した場合の、受け取れる可能性のある助成金の総額シミュレーションを示します(あくまで要件をすべて満たした場合の例です)。
まず女性従業員Aさんが1年間の育児休業を取得し、育児休業等支援コース①(30万円)と②(30万円)の合計60万円を申請できるとします。Aさんの業務代替として新規採用者を雇用した場合、育休中等業務代替支援コース③(1年以上・81万円)も申請できます。合計141万円です。
次に男性従業員Bさんが子の出生後8週以内に14日間の育休を取得した場合、出生時両立支援コース①で20万円が申請できます。Bさんの業務代替者に手当(月1万5,000円×2か月=3万円)を支給した場合、育休中等業務代替支援コース①(業務体制整備費20万円+業務代替手当3万円×3/4=2万2,500円)で約22万円が申請できます。合計約42万円です。
さらに、従業員Cさんの家族が介護が必要になり、Cさんが有給の介護休暇(新設)を取得した場合、介護離職防止支援コース④で30万円〜50万円が申請できます。
以上の合計は、要件をすべて満たした場合でおおむね200万円〜250万円規模になります。実際には審査があり、要件を満たしていない場合は支給されませんが、積極的に制度を整備することで相当額の助成を受けられる可能性があります。
助成金申請を「仕組み化」するためのチェックポイント
一度だけ申請してその後は忘れてしまうのではなく、継続的に助成金を受け取れる仕組みを社内に作ることが重要です。
仕組み化のためには次のポイントを押さえます。
まず、就業規則・育児介護休業規程を最新の法改正に追随させる仕組みを作ります。毎年4月に法改正の有無を確認し、必要に応じて就業規則を改訂する年次スケジュールを設けます。
次に、従業員が育休・介護休業等の申し出をした際に、自動的に助成金申請の準備が始まるフローを構築します。具体的には、育休申出書を受け取ったら同時に面談日程を設定し、育休復帰支援プランの作成着手と申請期限のカレンダー登録を行うという手順書を作成します。
そして、申請実績(コース・受給額・対象従業員・申請年度)を一覧で管理し、翌年度の計画立案に活用します。