認知症の人と家族を支える制度を整理する(成年後見制度利用支援・見守り・SOSネットワーク・費用助成の実務ガイド)
本記事は2026年6月27日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・受付期間はいずれも変更されることがあるため、申請前に必ず公式サイトまたは担当窓口で最新情報をご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言・医療的助言を行うものではありません。
この記事が整理すること
家族の中に認知症の疑いがある人が現れたとき、多くの方が最初に感じるのは「どこに相談すればいいのかわからない」という混乱です。病院なのか、市役所なのか、介護保険の担当なのか、それとも弁護士や司法書士なのか。窓口が複数あるように見えて、どこから動けばいいかの入口が見つからないまま時間が過ぎることが少なくありません。
この記事では、認知症の人と家族を支える制度を、次の5つの軸に沿って整理します。
1つ目は、認知症という状態の基本(種類・症状・法的な意味)です。制度を正しく使うためには、「認知症であること」が各制度でどのように要件として関わるのかを理解しておく必要があります。
2つ目は、成年後見制度の全体像です。法定後見の3区分(後見・保佐・補助)と任意後見の違い、そして家族信託とは何が違うのかを整理します。制度の選択を誤ると後から修正がきかないケースもあるため、仕組みの違いを把握しておくことが重要です。
3つ目は、成年後見制度利用支援事業(費用助成)です。申立費用や後見人への報酬が払えない方に向けた市区町村の助成制度ですが、「成年後見制度本体」と「費用助成の仕組み」が別のものであることが理解されていないまま検索している方が多く、整理する価値のある論点です。
4つ目は、地域の見守り・SOSネットワーク・認知症初期集中支援チームです。認知症の人が行方不明になったとき、あるいはまだ診断が出ていない早期段階でのつなぎ方など、実際に手を動かす局面での手順を具体的に説明します。
5つ目は、認知症カフェや家族会などのピアサポートの活用方法です。制度の外側にある、当事者家族同士のつながりや地域のネットワークをどう使うかについてもまとめます。
この記事を読み終えたとき、「次に何をすれば動けるか」が具体的にイメージできる状態になることを目指しています。
対象読者は、家族に認知症の疑いがある方、すでに認知症と診断されている方の家族・介護者、市区町村や地域包括支援センターの制度を使いたいが何から始めればよいかわからない方、成年後見制度の費用や手続きに不安がある方です。
制度の全体像
認知症に関わる公的な支援は、大きく「医療・介護サービス系」「成年後見制度と費用助成系」「地域見守り・ネットワーク系」の3つに分かれます。
医療・介護サービス系には、介護保険によるサービス(訪問介護・通所介護・グループホーム等)、医療機関での診断・治療、認知症疾患医療センターへの紹介などがあります。これらは別記事(17 介護保険等)で扱うテーマのため、本記事では主に後者2つに焦点を当てます。
成年後見制度と費用助成系は、さらに「成年後見制度本体(法定後見・任意後見)」と「成年後見制度利用支援事業(費用助成)」に分かれます。この2つを混同している記事が多いため、本記事では明確に区別して説明します。
地域見守り・ネットワーク系には、認知症初期集中支援チーム、SOSネットワーク(行方不明時の一斉配信)、見守りシール・GPS機器助成、認知症カフェ・家族会などが含まれます。いずれも市区町村単位で整備されており、住んでいる地域によって内容が異なります。
認知症という状態の基本(種類・症状・法的な位置づけ)
認知症の主な種類
認知症は一つの病気の名前ではなく、脳の障害によって認知機能が低下し、日常生活に支障が出ている状態の総称です。代表的な種類は次の4つです。
アルツハイマー型認知症は認知症全体の中で最も多く、脳にアミロイドβというたんぱく質が蓄積して神経細胞が失われることで起こります。初期症状は記憶障害が中心で、「出来事の全体」を忘れることが特徴です。たとえば昨日何を食べたかではなく、「昨日誰かと食事をしたこと自体」を忘れる形です。ゆっくりと進行することが多く、見当識障害(今が何年か・どこにいるかわからなくなる)や判断力の低下が続いて表れます。
血管性認知症は脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で起こります。障害を受けた脳の部位によって症状が異なり、段階的に悪化することが多い点がアルツハイマー型と異なる特徴です。高血圧・糖尿病・喫煙などの生活習慣病との関係が深いとされています。
レビー小体型認知症は、脳の神経細胞にレビー小体という異常なたんぱく質が蓄積することで起こります。現実にはないものが見える(幻視)こと、パーキンソン症状(手足の震え・小刻み歩行)、睡眠中の激しい寝言や体の動きが主な特徴です。進行が速いとされており、薬の副作用への感受性が高い場合があるため、医師への情報提供が特に重要です。
前頭側頭型認知症は前頭葉・側頭葉が萎縮して起こり、発症が比較的若い年代(50代〜60代)に多い傾向があります。記憶よりも「人格の変化」「社会的な行動のコントロールができなくなる」「常同行動(同じ行動を繰り返す)」などが目立ちます。国の難病にも指定されており(ピック病等)、医療費助成の対象となる場合があります。
認知症の症状の二層構造(中核症状と周辺症状)
認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」の2層に分けて理解するとわかりやすくなります。
中核症状は脳の機能低下から直接生じるもので、記憶障害・判断力の低下・見当識障害・実行機能障害(物事を計画通り行えない)・失語・失認・失行などがあります。これらは程度の差こそあれ、認知症の方に共通して見られます。
周辺症状(BPSDとはBehavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの略)は、中核症状を背景に、その人の性格・生活環境・人間関係などの要因が重なって現れます。不眠・うつ・不安・怒り・幻覚・妄想・興奮・一人歩きなどが含まれます。周辺症状は環境の工夫や対応の仕方で軽減できることがあります。
認知症と「判断能力」の法的な意味
成年後見制度など法的な手続きにおいて重要になるのが「判断能力」という概念です。
日常生活を送る上での「認知症の有無」と、法的な手続きで問われる「判断能力の程度」は直接イコールではありません。軽度の認知症であっても、その方が単独で行う法律行為(不動産の売買・大きな金銭の動き・遺言の作成等)に問題が生じ得る場合があります。逆に、認知症と診断されていても判断能力がまったくない状態とは限りません。
成年後見制度では、判断能力の程度を医師が診断し、場合によっては家庭裁判所が医師に「鑑定」を依頼することで、「後見(まったく判断能力がない)」「保佐(著しく不十分)」「補助(不十分)」のいずれが適切かを判定します。
成年後見制度の全体像(法定後見・任意後見・家族信託)
成年後見制度とは何をする制度か
成年後見制度は、認知症・知的障害・精神障害などにより判断能力が不十分な方の、財産管理と身上監護(療養看護に関する法律行為)を支援する制度です。家庭裁判所が関与する点が、民間の財産管理契約と異なる大きな特徴です。
重要なのは、成年後見制度は「財産を守る・法律行為を代理する」制度であり、日常的な介護サービスを提供する制度ではないという点です。後見人が食事の世話をするわけではなく、介護保険サービスの利用契約の締結や、財産の管理・医療に関する法律行為の代理などを担います。
法定後見の3区分
法定後見は、すでに判断能力が低下している方のために、本人・家族・市区町村長などが家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所が後見人等を選任する仕組みです。
後見は、精神上の障害により判断能力が「まったくない」状態に該当する方が対象です。後見人は本人の財産管理と身上監護に関するほとんどすべての法律行為について代理権と取消権を持ちます。本人が単独で行った法律行為は、後見人が取り消すことができます(日用品の購入などの日常的な行為を除く)。
保佐は、判断能力が「著しく不十分」な状態の方が対象です。保佐人は民法13条1項に定める重要な法律行為(不動産の売買・借金・相続の承認放棄・新築・増改築等)について同意権・取消権を持ちます。家庭裁判所の審判によって代理権を付与することもできます。
補助は、判断能力が「不十分」な状態(軽度の認知症等)で、本人の申立てや同意を前提とする区分です。補助人は特定の法律行為についての同意権・代理権を持ちます。本人の意思尊重が強く求められるため、本人の同意なしに補助が開始されることは原則としてありません。
3区分の判断は医師の診断書と、必要に応じて行われる鑑定をもとに家庭裁判所が決定します。
任意後見制度
任意後見制度は、本人が判断能力のあるうちに、将来判断能力が不十分になった場合に備えて、信頼できる人(任意後見受任者)と公正証書で契約を締結しておく制度です。
認知症の診断後に制度を使いたい場合、任意後見は「今まだ判断能力がある」段階でないと新規に締結できないという点が重要です。すでに判断能力が低下しているなら法定後見しか選べません。
判断能力が低下して任意後見を発動させる際には、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申立てます。任意後見監督人は弁護士・司法書士・社会福祉士等の中から選任されることが多く、その報酬(月1万〜3万円程度が目安)は継続して発生します。
任意後見の最大のメリットは「自分で後見人を選べる・権限の内容を自分で決めておける」点です。法定後見では家庭裁判所が後見人を選任するため、必ずしも家族が選ばれるとは限りません。
法定後見の重要な注意点
成年後見制度(法定後見)には、利用前に十分に理解しておく必要がある特徴があります。
第一に、「原則として途中でやめることができない」ことです。法定後見は、本人の判断能力が回復したと認められない限り、本人が亡くなるまで続きます。「もう後見人は不要になった」「別の方法に切り替えたい」と思っても、判断能力が回復していなければ取り消しはできません。
第二に、「家庭裁判所に対する報告義務が生じる」ことです。後見人等は毎年、管理している財産の状況や本人の生活状況を家庭裁判所に報告する義務があります。家族が後見人になった場合でも同様です。
第三に、「専門職後見人が選任されると報酬が継続的に発生する」ことです。専門職後見人(弁護士・司法書士・社会福祉士等)の報酬は、管理財産の額に応じて家庭裁判所が決定します。目安は管理財産が1,000万円以下の場合で月額2万円、1,000万〜5,000万円で月額3〜4万円、5,000万円超で月額5〜6万円程度とされています(家裁の算定基準による目安であり、個別案件で異なります)。後見が10年続けば総額240〜720万円規模になることもあります。
第四に、「家族を後見人にしたくても選ばれないことがある」ことです。家庭裁判所は本人の財産保護の観点から、第三者(専門職)を後見人として選任することがあります。特に本人の財産が一定規模以上の場合や、家族間に対立がある場合、家族後見人は選ばれにくい傾向があります。
これらの特徴から、できる段階であれば、任意後見や家族信託を事前に検討することにメリットがある場合があります。個別の状況に応じた制度選択については、司法書士・弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。
家族信託との比較と選択の判断軸
家族信託(民事信託)は、財産を持つ本人(委託者)が信頼できる家族(受託者)に財産の管理・運用・処分を委ねる契約です。家庭裁判所が関与せず、家族が柔軟に財産を管理できる点が最大の特徴です。
法定後見と比べた場合の主な違いを整理すると次のようになります。
契約の時期については、家族信託は本人に判断能力がある段階でなければ締結できません。法定後見はすでに判断能力が低下した後でも申立て可能です。
後見人等の選定については、家族信託では家族(受託者)が財産管理を担うため、専門職への報酬は原則不要です。法定後見では後見人を家庭裁判所が選任し、専門職が選ばれると継続的な報酬が発生します。
家庭裁判所の関与については、家族信託は原則として家裁の監督を受けません。法定後見は毎年の報告義務など家裁の関与が継続します。
できることの範囲については、家族信託は財産の管理・運用・処分については柔軟に設計できます。ただし身上監護(医療の同意・施設入所の契約)については法定後見の方が権限が明確です。
選択の判断軸を単純化すると次のようになります。「まだ判断能力が残っている段階」で将来の財産管理を整理したいなら家族信託または任意後見、「すでに判断能力が低下している」なら法定後見、「医療の同意や身上監護に関する権限が必要」なら法定後見または任意後見が候補になります。
なお家族信託と法定後見を組み合わせて使うこともあります(財産管理は家族信託・身上監護は後見人、という役割分担)。個別の状況は専門家(司法書士・弁護士)に相談することをおすすめします。本記事は制度の一般的な情報提供にとどめており、個別の制度選択の代行・助言は行いません。
【無料サンプル】成年後見制度利用支援事業(費用助成)を1ケースだけ最後まで全部見せます
この制度が存在する理由
成年後見制度を利用したくても、申立てにかかる費用(鑑定費用等)や、専門職後見人が選任された場合の毎月の報酬が払えないという状況がある方がいます。低所得の高齢者・障害者の方がこのハードルで制度を利用できない状態を防ぐために、市区町村が費用を助成する仕組みが「成年後見制度利用支援事業」です。
重要なのは、この制度は「成年後見制度本体(法定後見・任意後見)」とは別の、費用面の支援を行う制度だという点です。成年後見制度本体の申立ては家庭裁判所が担い、成年後見制度利用支援事業は市区町村が担います。この2つを混同すると、「どこに申請すればいいか」が見えなくなります。
想定するケース(無料サンプル)
85歳の女性Aさん(アルツハイマー型認知症の診断あり)が独居で生活しており、月額8万円の年金収入以外に資産はほとんどありません。子どもはいますが遠方に住んでおり、財産管理や医療同意に関して後見人が必要な状態になっています。申立てのための鑑定費用と、専門職後見人への報酬の見通しが立たないため、地域包括支援センターに相談した、というケースです。
利用できる支援内容(一般的な事業の内容)
成年後見制度利用支援事業は市区町村の事業であり、内容は自治体によって異なります。以下に一般的に設けられている2種類の助成を示します。
1つ目は、申立費用の助成です。家庭裁判所への申立てにかかった実費(収入印紙・郵便切手・鑑定費用等)を市区町村が助成します。収入や資産が一定額以下の方が対象になることが多く、鑑定が必要になった場合の費用(5万〜10万円程度)も助成の対象となる自治体が多くなっています。
2つ目は、後見人等報酬の助成です。家庭裁判所が決定した後見人等への報酬のうち、本人・親族が負担できない部分を市区町村が助成します。助成上限は、在宅の場合は月額28,000円以内、施設入所中の場合は月額18,000円以内が広く採用されている目安ですが(複数の自治体の公式ページで確認)、上限は自治体によって異なります。確認日2026年6月27日時点・各自治体へのご確認をおすすめします。
対象となる方の要件(一般的な例)
対象者の要件は市区町村で定めていますが、多くの自治体で共通しているのは次のような条件です。
申立ての種類については、本人・親族・市区町村長による申立てが対象になることが多く、市区町村長申立てのケースを主な対象として明示している自治体も多くなっています。
費用負担能力については、本人の収入・財産が一定額以下(生活保護受給者・低所得者等)を対象とする自治体が多いです。一方、親族が申立てをした場合でも、本人の資産が少なく費用負担が困難な場合に助成対象とする自治体も増えています。
Aさんのケースでの動き方(手順)
ステップ1:地域包括支援センターへの相談です。最初の窓口は自宅近くの地域包括支援センターです。「認知症の家族がいて成年後見制度を使いたいが費用が心配」と伝えると、成年後見制度利用支援事業の対象になるかどうかの確認や、申立て手続きの案内につないでもらえます。
ステップ2:市区町村の担当窓口(高齢福祉課・介護保険課・障害福祉課等)への問い合わせです。「成年後見制度利用支援事業」を担当する部署に連絡し、対象要件・申請に必要な書類・手続きの流れを確認します。
ステップ3:市区町村長申立ての判断です。Aさんのように身寄りがいない、または親族がいても申立てができない・しない場合には、市区町村長が家庭裁判所に申立てを行うことができます(老人福祉法32条に根拠規定があります)。市区町村の担当者がこの判断を行います。
ステップ4:家庭裁判所への申立てと審判です。申立てを行った後、家庭裁判所が必要に応じて調査・鑑定を行い、後見・保佐・補助のいずれかの審判を下し、後見人等を選任します。
ステップ5:後見人等報酬助成の申請です。後見人等が選任され、家庭裁判所が報酬額を決定した後、市区町村に報酬助成の申請を行います。窓口は市区町村の担当部署(高齢福祉課等)です。
申請に必要な書類(一般的な例)
申立費用助成の申請に必要な書類としては、申請書(市区町村の書式)、申立てにかかった費用の領収書、本人の収入・資産がわかる書類(年金振込通知書・通帳の写し・課税証明書等)、本人と申請者の関係がわかる書類などが一般的です。
後見人等報酬助成の申請には、家庭裁判所の報酬付与審判書の写し、本人の収入・資産がわかる書類などが一般的に必要になります。
必要書類は自治体によって異なるため、事前に担当窓口に確認することをおすすめします。
このケースで押さえるポイント
Aさんのケースで重要な点は3つです。
1点目は「費用助成の申請は、後見人が選任された後に行うもの」という点です。申立てをする前に助成が確定するわけではなく、申立てにかかった実費を後から助成申請するという流れが多くなっています。事前に担当窓口で確認しておくことが重要です。
2点目は「市区町村長申立ての条件と手順」です。Aさんのような独居・低資産・身近な申立人がいない状況では、市区町村長申立てが現実的な選択肢です。この申立ては市区町村が主体となって行うものであり、地域包括支援センターや担当部署が手続きを進めます。家族がいる場合でも「申立てを行える親族がいない」と判断されれば対象となります。
3点目は「後見開始後は途中でやめられない」という認識を持った上で申立てを行うことです。費用助成は制度を使うための手助けをするものですが、後見が始まれば原則として本人が亡くなるまで続きます。後見人等への報酬助成が続く限りは費用負担が軽減されますが、助成対象外になった場合の見通しも担当窓口と相談しておくと安心です。
ここから先は、申請に直結する実務です。
申立ての具体的な手順(ステップ・書類・窓口・費用)
申立前の準備段階
成年後見制度(法定後見)の申立ては、家庭裁判所への申立書類の作成と提出から始まりますが、その前に整理しておく必要があることがあります。
まず、「申立てをする人(申立人)」を確認します。申立てができるのは、本人・配偶者・四親等内の親族・市区町村長・検察官です(民法7条・11条・15条)。四親等は祖父母・兄弟姉妹・いとこ・甥姪などを含みます。友人や近隣の方は申立人になれません。
次に、「どの区分が必要か」の見当をつけます。かかりつけ医や認知症の専門医(神経科・精神科・神経内科等)に現状を説明し、診断書(書式は家庭裁判所が定める書式)を作成してもらいます。この診断書が申立書類の一つになります。
申立て先となる家庭裁判所は「本人の住所地を管轄する家庭裁判所」です。家庭裁判所のウェブサイトで管轄を確認できます。
申立てに必要な書類の一覧と取得先
申立書類は家庭裁判所によって若干異なる場合がありますが、一般的に次の書類が必要になります。
申立書は家庭裁判所の書式を使います。家庭裁判所の窓口でもらうか、裁判所のウェブサイトからダウンロードします(https://www.courts.go.jp/ 上で「成年後見申立書」で検索)。
診断書は、精神科・神経科・神経内科・かかりつけ医等に依頼して作成してもらいます。家庭裁判所が定める書式があるため、医師に書式を渡してから記入を依頼します。費用は医療機関によって異なり、数千円から1万円程度が目安です。
本人の戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場(窓口・郵送・マイナポータル等)で取得します。取得費用は1通450円です。
本人の住民票(マイナンバー記載なし・本籍地記載あり)は住民登録地の市区町村役場で取得します。取得費用は1通200〜300円程度です。
申立人の住民票も同様に取得します。
後見登記事項証明書(後見の記録がないことの証明:「登記されていないことの証明書」)は、法務局(全国の法務局・地方法務局の本局)の窓口または郵送で取得します。取得費用は1通300円です。本人・申立人・後見人候補者それぞれについて必要です。
固定資産評価証明書は、本人が不動産を持っている場合に必要です。不動産の所在地の市区町村役場で取得します(本人名義の不動産について)。
財産目録・収支状況報告書は申立人が作成する書類で、本人の財産(預貯金残高・不動産等)と収入・支出の状況をまとめます。通帳のコピーや不動産の登記事項証明書を添付します。
収入印紙・郵便切手は家庭裁判所に申立てる際に必要な費用です。収入印紙は申立手数料800円分(後見の場合)と登記手数料2,600円分が必要です。郵便切手は後見の場合、3,270円分程度が一般的な目安ですが、家庭裁判所によって指定額が異なります。申立先の家庭裁判所に事前確認することをおすすめします。
申立後の流れと審判まで
申立書類を家庭裁判所に提出すると、調査官による調査が行われます。調査では、本人・親族・申立人へのヒアリングが行われることがあります。
鑑定は、家庭裁判所が判断能力の程度を医学的に確認する必要があると判断した場合に実施されます。鑑定を行う医師は家庭裁判所が選定します。費用は実際の医師の診察・鑑定にかかる費用であり、5万〜10万円程度が目安です(医療機関によって異なります)。令和6年の司法統計によると、全体の約3.8%の案件で鑑定が実施されています。
申立てから審判確定まで、おおむね2〜4カ月程度かかることが多いとされています。緊急の財産管理が必要な場合は「保全処分」の申立てを検討する場合もあります(詳しくは弁護士・司法書士等に相談してください)。
審判確定後は、後見人等の権限が開始し、法務局に後見の登記が行われます。後見人等は財産の引き継ぎ後、家庭裁判所への初回報告を行います。
費用の全体目安
法定後見申立てにかかる費用の目安をまとめます。申立てにかかる実費としては、収入印紙代3,400円(800円+2,600円)、予納郵便切手代約3,270円、診断書料(医療機関による)数千円〜1万円程度が主なものです。
鑑定費用は必要な場合のみ発生し、5万〜10万円程度が目安です。
後見人等の報酬は、選任後に毎月または年1回程度(家裁が決定)発生します。親族後見人の場合は無報酬の場合もあります(本人の財産状況等による)。専門職後見人の場合は前述の通り月2〜6万円程度が目安です。
成年後見制度利用支援事業(費用助成)の対象となる場合、これらの費用の一部または全部が市区町村から助成されます(対象要件・助成額は市区町村によって異なります)。
窓口とつながり方
担当窓口は、市区町村によって名称が異なりますが「高齢福祉課」「介護保険課」「障害福祉課」「権利擁護担当」「成年後見担当」などが多くなっています。地域包括支援センターに相談すると適切な窓口につないでもらえます。
成年後見制度の申立てを専門家に依頼したい場合は、地域の司法書士会・弁護士会が窓口として相談を受け付けています。なお、本記事は制度の情報提供にとどめており、申請書類の作成代行・個別手続きの代行は行いません。
市区町村長申立ができる条件と具体的なフロー
市区町村長申立てとは
老人福祉法第32条・知的障害者福祉法第28条・精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第51条の11の2には、市区町村長が成年後見等の審判の申立てを行うことができる旨が規定されています。
身寄りがない方、または親族がいても連絡が取れない・申立てを行えない・行わない場合に、市区町村長が申立てを行う制度です。
対象となる方の要件
市区町村長申立てが検討されるのは、一般的に次のような状況です。
本人に申立てできる親族がいない(独居・天涯孤独)場合、親族が遠方に住んでいて連絡が取れない場合、親族間の意見対立などで申立てが進まない場合、高齢者虐待などにより親族による申立てが本人の保護にならない場合などが含まれます。
市区町村長申立ての具体的な流れ
ステップ1として、地域包括支援センターまたは市区町村の担当窓口(高齢福祉課等)への相談です。「身寄りがなく、後見が必要な状態にある高齢者がいる」という情報が地域包括支援センター等に入ると、担当者が状況を調査します。
ステップ2として、市区町村による調査・意見交換です。市区町村の担当者が、本人の生活状況・判断能力・財産状況・親族関係を確認します。近隣住民・民生委員・ヘルパー等からの情報収集が行われることもあります。
ステップ3として、市区町村長による申立て決定です。市区町村長が成年後見等の申立てを行うことが相当と判断した場合、必要書類を準備して家庭裁判所に申立てを行います。
ステップ4として、家庭裁判所による審判です。以降は通常の法定後見の手続きと同様で、調査・鑑定・後見人等の選任という流れになります。
ステップ5として、費用助成の申請です。市区町村長申立ての場合、申立費用・後見人等報酬について成年後見制度利用支援事業の助成が受けやすい状況にあることが多いです(自治体によって要件が異なります)。
「気づいた人が動く」ことが大切
身寄りのない高齢者の方の場合、制度を知る機会がなく、支援が届かないことがあります。地域の民生委員・町内会役員・医療機関スタッフ・ヘルパー事業所の職員などが「この方には後見が必要かもしれない」と感じた場合は、地域包括支援センターに連絡することが一番の近道です。地域包括支援センターが市区町村と連携して市区町村長申立てにつなげます。
地域包括支援センターの役割と認知症相談の入口
地域包括支援センターとは
地域包括支援センターは、介護保険法に基づき市区町村が設置する(または委託して設置する)地域の相談窓口です。保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーが配置され、高齢者とその家族のあらゆる相談を受け付けています。
認知症に関しては、「医療への橋渡し」「介護保険サービスへのつなぎ」「成年後見制度等の法的制度の情報提供」「SOSネットワーク登録の案内」「認知症初期集中支援チームへのつなぎ」など、幅広い役割を担っています。
設置場所は市区町村の規模によって1か所から複数か所に分かれており、「地域包括支援センター + お住まいの市区町村名」で検索するか、市区町村のウェブサイトから一覧を確認できます。
最初の相談でできること
地域包括支援センターへの最初の相談では、「家族に認知症の疑いがある」「どこに相談したらいいかわからない」という状況からでも相談を受け付けています。
相談の結果として、かかりつけ医や認知症専門医への受診案内、認知症初期集中支援チームへのつなぎ、介護保険の要介護認定申請の案内、成年後見制度の説明と申立て支援、SOSネットワーク登録の案内、などにつないでもらえます。
電話での相談も受け付けている場合がほとんどで、はじめての方は電話で一度状況を伝えてから来所するとスムーズです。
認知症地域支援推進員
認知症地域支援推進員は、地域包括支援センターや市区町村に配置されている専門職です。医療機関・介護サービス事業所・地域住民の間を「つなぐ」ことを役割とし、医療と介護の連携を推進しています。認知症カフェの開催支援や、認知症の方が地域で活動できる場づくりなども担います。
地域包括支援センターに相談した際に、この推進員と話せる機会を得られる場合もあります。
認知症初期集中支援チームの仕組みと利用方法
認知症初期集中支援チームとは
認知症初期集中支援チームは、2013年度から全国でモデル事業が開始され、2018年度以降は全市区町村への設置が進んでいます。認知症の早期診断・早期対応を支援するために、複数の専門職がチームを組んで対応する仕組みです。
チームは、認知症サポート医(専門的な研修を受けた医師)の指導のもと、医師・看護師・社会福祉士・精神保健福祉士・作業療法士などの専門職が2名以上で構成されています。
配置場所は地域包括支援センターや市区町村の関係機関です。地域によっては診療所・病院・認知症疾患医療センターに配置されている場合もあります。
対象者の要件
認知症初期集中支援チームの対象となるのは、次のような方です。
40歳以上で自宅で生活している認知症の人または認知症が疑われる人のうち、認知症の診断を受けていないか、または治療を中断している方、医療・介護サービスを利用していないか、利用を中断している方、医療・介護サービスを利用してはいるが、認知症の症状により対応に困っている方などが対象になります。
すでに介護保険サービスを利用していてケアマネジャーが担当している方は、まず担当ケアマネジャーに相談することが適切な場合もあります。
利用の手順
ステップ1として、地域包括支援センターへの相談です。本人・家族・民生委員・医療機関スタッフなど、誰でも相談できます。
ステップ2として、チーム員会議(アセスメント)です。チームが情報を収集・整理し、支援の方向性を検討します。
ステップ3として、家庭訪問による支援です。チームが本人の自宅を訪問し、状態の評価と本人・家族への支援を行います。訪問は複数回行われることが一般的です(おおむね6カ月を目安とする)。
ステップ4として、適切な医療・介護サービスへのつなぎです。受診への同行支援、介護サービスの利用開始支援など、必要な機関につなぎます。
ステップ5として、ケアマネジャー等への引き継ぎで支援を終了します。
利用に費用はかかるか
認知症初期集中支援チームの活動は、市区町村の地域支援事業として実施されており、原則として本人・家族の費用負担はありません(確認日:2026年6月27日・各市区町村に確認ください)。
認知症高齢者の見守り・SOSネットワークの仕組み
SOSネットワークとは
認知症の方が一人で外出して行方不明になることは、本人の生命に関わる深刻な状況につながることがあります。認知症SOSネットワーク(正式名称は自治体によって異なります)は、こうした事態に備えて地域が連携して早期発見・早期保護を目指す仕組みです。
行政・警察・事業者(コンビニ・スーパー・バス・タクシー・金融機関等)・地域住民が協力し、行方不明者の情報を一斉にFAXや電子メールで共有するネットワークです。
SOSネットワークの主な構成要素は、事前登録(ネットワークへの登録)、行方不明時の一斉連絡(協力事業者・関係機関へFAX・メール送信)、発見時の通報、の3つです。
事前登録の手順
SOSネットワークへの事前登録が、行方不明時の素早い対応につながります。登録することで、行方不明になった際に本人の情報(氏名・年齢・顔写真・身体的特徴・服装の傾向等)を協力機関に迅速に届けることができます。
登録窓口は市区町村の高齢福祉課・介護保険課・地域包括支援センターです。登録情報は、本人の氏名・生年月日・住所・写真・身体的特徴(身長・体重・顔の特徴・歩き方の特徴等)・普段の服装の傾向・かかりつけ医・家族の連絡先などを登録します。
登録情報は定期的に更新することが大切です。容姿や服装の傾向が変わった場合、写真が古くなった場合などは更新の依頼を窓口に行いましょう。
見守りシールの活用
見守りシールは、認知症の方の衣服・靴・持ち物などに貼ることで、万が一発見された際に身元確認ができるようにするための取り組みです。
運用方法には2種類あります。1つ目は自治体が独自のコードや番号を割り当て、発見者がそのコードを行政窓口に連絡すると家族に通知が届く仕組みです。2つ目はQRコードを貼付するタイプで、発見者がスマートフォンでQRコードを読み取ると登録した家族に連絡が届く仕組みです。
横浜市では、シールタイプ(36枚)とアイロンシートタイプ(34枚)のセットを、SOSネットワーク登録済みの方に無料で配布しています(確認日:2026年6月27日・横浜市公式サイトより。内容は変更される可能性があるため、最新情報はhttps://www.city.yokohama.lg.jp/ でご確認ください)。
各自治体によってシールの形式・配布枚数・対象要件が異なります。まず居住地の市区町村の窓口または地域包括支援センターに問い合わせてください。
GPS機器助成
GPSを使った位置確認機器を認知症の方に携帯してもらうことで、行方不明時に所在を確認しやすくする取り組みも多くの自治体で進んでいます。
GPS機器の助成内容は自治体によって大きく異なります。以下は2026年6月27日時点に確認した例です(要確認・内容は変更される場合があります)。
福岡市の例では、認知症の人の見守りネットワーク事業の一環としてGPS端末機の貸与を行っており、初期費用は市が助成(無料)で、月額利用料1,375円(税込)が利用者負担となっています(通話料・アプリ通信料も利用者負担)。窓口は各区の保健福祉センター地域保健福祉課またはいきいきセンターふくおか。(出典:https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/dementia/health/00/03/3-040103.html 確認日:2026年6月27日)
門真市(大阪府)の例では、GPS利用助成金として初期導入費用の18,480円を上限に助成が行われており、月額基本料は自己負担、購入前の事前申請が必要です。対象は要支援または要介護認定を受けており認知症等により行方不明になる心配がある方を介護する家族です。(出典:https://www.city.kadoma.osaka.jp/kenko_fukushi/kaigohoken/6/29405.html 確認日:2026年6月27日)
お住まいの市区町村での実施状況は、市区町村の高齢福祉担当窓口または地域包括支援センターにご確認ください。
行方不明になったときに家族がとるべき手順
気づいた直後から30分以内
外出したまま帰らない・自宅にいるはずなのに見当たらないと気づいた時点で、まず自宅周辺と近隣をざっと探します。この時間を約15〜20分とし、見つからない場合はすぐに次のステップに移ります。「少し待てば帰ってくるだろう」と待機することは、発見が遅れる原因になります。
警察への届出
自力での探索で見つからない場合は、速やかに最寄りの警察署または交番に「行方不明者届」を提出します。警察署には24時間対応の窓口があります。
届出に持参するもの:本人の最近の写真(顔がはっきり写っているもの)、本人の氏名・生年月日・住所・身体的特徴(身長・体重・顔の特徴・服装)を記したメモ、本人がかかっている医療機関名・担当医名、本人の連絡先と連絡できる家族の人数。
行方不明届は、事件性がなくてもすぐに受け付けてもらえます。「認知症があり一人歩きが心配な高齢者が行方不明になった」という状況を明確に伝えてください。
警察への届出後、警察が独自の方法で捜索します。また、各都道府県警察がSOSネットワーク担当窓口と連携しているため、警察への届出が行政側のネットワーク発動のきっかけになる場合もあります。
市区町村・地域包括支援センターへの連絡
警察への届出と並行して、市区町村の担当窓口または地域包括支援センターに連絡します。SOSネットワークに事前登録していた場合、担当窓口に「行方不明になった」と届け出ることで、協力事業者へのFAX・メール一斉配信が始まります。
SOSネットワークが機能する時間帯・対応範囲は自治体によって異なります(例:福岡市の「捜してメール」は8時〜20時・365日対応)。事前に自分の住む自治体のネットワークの内容を確認しておくことをおすすめします。
周辺への連絡と協力依頼
警察・市区町村への届出をしつつ、地域の民生委員・近隣住民・かかりつけ医・通所サービスのスタッフ・近くのスーパー・コンビニなどにも声をかけましょう。特に認知症の方が習慣的に訪れる場所(以前の職場・生家・よく行く公園等)への確認は早い段階で行うことが有効です。
GPS機器を持っている場合は、その端末の位置情報を確認します。
帰宅後の振り返り
帰宅した後は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに状況を伝え、再発防止のための対策(見守りシールの更新・GPS機器の導入・自宅の安全確保・デイサービス等の利用増など)について相談することをおすすめします。
認知症カフェ・家族会などピアサポートの活用
認知症カフェとは
認知症カフェは、認知症の人と家族、地域住民、専門家が集まり、お茶を飲みながら気軽に話し合える場です。参加するために要件はなく、「話を聞いてもらいたい」「認知症について知りたい」という気持ちだけで参加できます。
認知症カフェは全国的に増加しており、地域包括支援センター・社会福祉協議会・医療機関・NPO・ボランティア団体などが主催しています。開催頻度は月1回程度のものが多いです。
認知症カフェに参加することで得られるものとして、同じ経験を持つ家族同士の情報交換、専門職(看護師・ケアマネジャー・社会福祉士等)への気軽な相談、本人が「社会とつながる場」として機能すること、などが挙げられます。
認知症カフェの探し方としては、地域包括支援センターへの相談が最も確実です。また、認知症の人と家族の会(https://www.alzheimer.or.jp/)のウェブサイトでも情報を確認できます。
公益社団法人 認知症の人と家族の会
「公益社団法人 認知症の人と家族の会」は、認知症の人と家族・支援者が集まる全国組織です。各都道府県に支部があり、電話相談・集いの開催・情報誌の発行などを行っています。
フリーダイヤルの相談窓口(0120-294-456)では、認知症に関する悩みを専門の相談員が受け付けています。(確認日:2026年6月27日)
家族の会に参加することで、同じ状況にある方の経験談を聞くことができ、「一人ではない」という気持ちを持てることが支えになると多くの方が語っています。
若年性認知症の方のための支援
認知症は高齢者だけの問題ではなく、64歳以下で発症する「若年性認知症」の方もいます。若年性認知症の場合、就労・子育て・ローンの返済など、高齢者とは異なる課題があります。
若年性認知症の方のための専門的な相談窓口として、各都道府県に「若年性認知症支援コーディネーター」が配置されており、就労継続や経済的な支援についても相談できます。
若年性認知症であっても、介護保険の要介護認定を受ければ65歳未満でも利用できる場合があります(特定疾病に認知症が含まれます)。
認知症施策推進大綱と自治体の認知症施策推進計画
認知症施策推進大綱(2019年)
2019年6月に「認知症施策推進大綱」がまとめられました。対象期間は2025年(令和7年)まで、「共生」と「予防」を両輪として位置づけています。5つの柱として、普及啓発・本人発信支援、予防、医療・ケア・介護サービス・介護者への支援、認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援、研究開発・産業促進・国際展開が設定されています。
この大綱の期間が2025年で終了するにあたり、後継として2023年に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が制定(2024年1月1日施行)されました。
認知症基本法(2024年施行)
認知症基本法(正式名称:共生社会の実現を推進するための認知症基本法)は、国・地方公共団体・国民それぞれに責務を定めています。
地方公共団体(都道府県・市区町村)は、認知症施策推進計画(都道府県計画・市町村計画)を策定する努力義務を負います。この計画には地域独自の目標・施策が盛り込まれます。
自治体の認知症施策推進計画の探し方
各自治体の認知症施策推進計画は、都道府県・市区町村の公式ウェブサイトで公開されていることが多いです。「(市区町村名) 認知症施策推進計画」または「(都道府県名) 認知症施策推進計画」で検索すると見つかります。
この計画には、地域のSOSネットワーク整備の方針、認知症カフェの設置目標、認知症初期集中支援チームの体制、成年後見制度利用支援事業の方針なども含まれます。
成年後見制度の注意点と専門職後見人の報酬相場
途中でやめられないことの意味
法定後見が一度開始されると、本人の判断能力が回復したと家庭裁判所が認める場合を除き、本人が亡くなるまで続くことが原則です。これは制度の設計上の特徴であり、デメリットとしてよく指摘されます。
実際には、「認知症が進んで後見が始まったが、家族が管理したかった不動産が売却できなくなった」「後見人が決まってから毎月の報酬が想定より高かった」「家族が後見人になれなかった」などの声が聞かれます。
これらの点を理解した上で、可能な段階であれば任意後見や家族信託を検討するというのが、制度設計上の回避策になります。
家庭裁判所への報告義務
後見人等(家族が後見人になった場合も含む)は、毎年1回、家庭裁判所に後見事務の報告書を提出する義務があります。財産目録・収支計算書・本人の生活状況などの書類を作成して提出します。
この手続きは年1回とはいえ、財産の記録を日頃からきちんとつけておく必要があり、慣れない方には負担になることがあります。家庭裁判所の書式(管理財産目録・年間収支報告書等)は各家庭裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。
報告に不備があった場合、家庭裁判所から補正を求められることがあります。不正が発覚した場合は後見人の解任や損害賠償の問題につながる場合もあります。
専門職後見人の報酬相場と助成の適用
家庭裁判所が決定する後見人等の報酬は、管理財産の額を一つの基準として算定されます。
一般的な目安(家庭裁判所の基準に基づく広く知られる目安)として、管理財産が1,000万円以下の場合は月額2万円、1,000万円超5,000万円以下の場合は月額3〜4万円、5,000万円超の場合は月額5〜6万円程度です。また、困難な事情(財産の種類が多い・法的手続きが多いなど)がある場合は増額されることがあります。
成年後見制度利用支援事業(費用助成)は、この報酬の一部または全部を助成する仕組みです。助成の上限は多くの自治体で在宅の場合月額28,000円以内、施設入所中の場合月額18,000円以内が目安とされています(確認日:2026年6月27日。自治体によって異なります)。
つまり、管理財産が少なく専門職後見人の報酬が月額2万〜3万円程度であれば、費用助成の上限(28,000円)でほぼカバーできる場合がある一方、管理財産が大きくなって報酬が上がると助成上限を超える部分が本人(または家族)の負担になります。この点は申立前に市区町村担当窓口と相談しておくとよいでしょう。
任意後見と家族信託の選択基準
「今」どの段階にあるかが判断の出発点
制度選択の判断は、本人の判断能力の現状から始めます。
本人がまだ自分の意思を明確に伝えられる状態(軽度の物忘れ・まだ意思決定ができる)であれば、任意後見・家族信託のいずれかを検討する余地があります。
本人がすでに意思能力を欠くと判断される状態(重度の認知症・重度の知的障害等)であれば、法定後見一択になります。
任意後見が向いているケース
任意後見が特に有用なのは、「将来の後見人を自分で選びたい」「後見の権限の範囲を自分でコントロールしたい」という方です。
また、「今の段階では元気だが、将来認知症になったときに備えたい」という方が、任意後見契約を結んでおくことは一種の「将来への備え」になります。認知症の家族歴がある方、独居の高齢者の方などに向いています。
家族信託が向いているケース
家族信託は、「財産の管理・運用・処分を信頼できる家族に任せたいが、毎月の専門職への報酬は避けたい」「不動産の管理・賃貸・売却などをスムーズに行いたい」「収益不動産の管理を子世代に委ねたい」という場合に検討されることが多いです。
一方で家族信託には、身上監護(医療同意・施設入所の契約)については法的な代理権が得られないという限界があります。このため「財産管理は家族信託+身上監護は任意後見または法定後見」という組み合わせが検討されることもあります。
専門家への相談について
任意後見契約は公正証書で作成する必要があるため(公証役場での作成・費用は1〜2万円程度が目安)、司法書士または弁護士の関与が一般的です。家族信託も、信託契約書の作成に際して司法書士・弁護士・税理士等の関与が推奨されます。
本記事は制度の一般的な情報提供にとどめており、個別の制度選択の判断・契約書の作成代行・申請手続きの代行は行いません。最終的な判断は司法書士・弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。
大都市・地方都市の制度サービス例比較(地域例方式)
認知症支援の制度・サービスは自治体によって大きく異なります。ここでは2026年6月27日時点に確認できた情報をもとに、大都市と地方都市の例を比較します。いずれも「確認日時点の情報・内容は変更される可能性があるため、申請前に必ず各自治体の公式情報をご確認ください」という前提で参照してください。
横浜市(政令指定都市)の例
横浜市では「認知症高齢者等SOSネットワーク」を実施しており、見守りシール(シールタイプ・アイロンシートタイプ各1セット)の無料配布、行方不明時の協力事業者への情報一斉配信などを行っています。
成年後見制度利用支援事業については、市の担当部署(各区の高齢・障害支援課)が窓口になります。
認知症初期集中支援チームは各区に配置されており、地域包括支援センターから相談・利用につなぐ形になっています。
(出典:https://www.city.yokohama.lg.jp/ 確認日:2026年6月27日)
福岡市(政令指定都市)の例
福岡市では「認知症の人の見守りネットワーク事業」として、(1)登録制度、(2)「捜してメール」(協力事業者への一斉メール、8時〜20時・365日)、(3)GPS端末機の貸与(初期費用:市が助成・月額利用料1,375円が利用者負担)を実施しています。
窓口は各区の保健福祉センター地域保健福祉課またはいきいきセンターふくおかです。
(出典:https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/dementia/health/00/03/3-040103.html 確認日:2026年6月27日)
門真市(大阪府・中規模都市)の例
門真市では(1)QRコードシール交付(初回無料)、(2)GPS利用助成金(初期費用18,480円上限の助成・月額基本料は自己負担)、(3)SOSネットワーク登録の3つを実施しています。
(出典:https://www.city.kadoma.osaka.jp/kenko_fukushi/kaigohoken/6/29405.html 確認日:2026年6月27日)
地方部の市区町村
人口規模の小さな自治体では、SOSネットワークやGPS機器の助成が整備されていない場合もあります。一方で地域のつながりが強いため、民生委員や近隣住民による見守りが機能しているケースもあります。
自分の住む市区町村で何の事業が実施されているかは、市区町村の公式ウェブサイトの「高齢福祉」または「認知症」のカテゴリ、あるいは地域包括支援センターへの問い合わせで確認できます。
申請チェックリスト
成年後見申立てのチェックリスト
申立て前の準備段階として確認することは次のとおりです。
本人の「判断能力の程度」について、かかりつけ医または専門医に相談しているかどうか。申立先の家庭裁判所(本人の住所地管轄)を確認しているかどうか。申立人(本人・配偶者・親族・市区町村長)を確認しているかどうか。成年後見制度利用支援事業(費用助成)の対象になるか、市区町村の担当窓口に確認しているかどうか。以上を確認してください。
書類準備の段階では、申立書(家庭裁判所書式)を入手しているか。本人の診断書(家庭裁判所書式)を医師に依頼しているか。本人・申立人の戸籍謄本を取得しているか。本人・申立人の住民票を取得しているか。「登記されていないことの証明書」を法務局で取得しているか。財産目録・収支状況報告書を作成し、通帳コピー等を準備しているか。不動産がある場合、固定資産評価証明書を取得しているか。収入印紙(申立手数料800円・登記手数料2,600円)と予納郵便切手(家裁に確認)を準備しているか。以上を確認してください。
申立後の確認事項として、家庭裁判所から追加資料の依頼が来た場合に対応できる体制があるか。鑑定が必要と言われた場合の費用負担(助成の有無を含む)を確認しているか。審判確定後の後見人等への財産引き継ぎに必要な書類の準備ができているか。以上を確認してください。
後見開始後の確認事項として、毎年1回の家庭裁判所への報告書作成ができる体制があるか。後見人等報酬の継続的な助成申請が必要な場合、申請手続きを理解しているか。以上を確認してください。
SOSネットワーク登録のチェックリスト
居住地の市区町村でSOSネットワーク事業が実施されているかを確認しているか。窓口(市区町村高齢福祉課・地域包括支援センター)を把握しているか。登録に必要な写真(最近の顔写真)を準備しているか。本人の身体的特徴・服装の傾向などをまとめたメモを準備しているか。登録後、定期的に写真・情報を更新する予定を立てているか。以上を確認してください。
見守りシール・GPS機器の活用として、見守りシールを申請・受け取っているか(配布している自治体の場合)。GPS機器の利用・助成について自治体窓口に確認しているか。家族全員がSOSネットワークに連絡する窓口の連絡先を知っているか。以上を確認してください。
行方不明時の備えとして、警察署・交番の連絡先を手元に控えているか。市区町村担当窓口・地域包括支援センターの連絡先を手元に控えているか。本人の最新の顔写真(捜索に使えるもの)を手元に準備しているか。以上を確認してください。
よくある誤解・つまずきポイント
誤解1:成年後見制度利用支援事業に申し込めば後見が始まると思っていた
成年後見制度利用支援事業(費用助成)は、あくまで費用負担を軽減する制度です。後見を開始するには別途、家庭裁判所への申立てが必要です。「市役所に相談したら全部やってもらえると思っていた」という誤解が起きやすい点に注意が必要です。
市区町村の担当窓口は申立ての情報提供・相談には乗りますが、書類作成代行は行いません(司法書士・弁護士等の専門家の業務です)。
誤解2:任意後見があれば法定後見は不要と思っていた
任意後見は「まだ判断能力がある段階」でしか契約できません。すでに認知症が進んで判断能力が失われている場合は、任意後見制度を新たに使うことができず、法定後見を申立てるしかありません。
「もう少し元気なうちにやっておけばよかった」という後悔が起きやすいのがこの部分です。元気なうちに任意後見・家族信託の検討を始めることが有効です。
誤解3:後見人は何でもしてくれると思っていた
後見人の権限は「財産管理と法律行為の代理・取消し」が中心であり、日常的な介護サービス(食事の世話・入浴介助等)を行う義務は後見人にはありません。医療同意(手術への同意等)についても、現行法では後見人に法的な権限が明確に認められていない点があり、医療機関や後見人の現場で課題として指摘されています。
日常生活の支援は介護保険サービス・ヘルパー等が担い、後見人は法的な代理行為を担う、という役割分担の理解が必要です。
誤解4:一度後見が始まれば費用助成はずっと受けられると思っていた
成年後見制度利用支援事業の費用助成は、毎年・毎月の申請が必要な自治体がほとんどで、その都度所得・資産の要件を満たしているかが確認されます。本人の資産が増えた(相続等)場合には助成対象から外れることがあります。
助成が受けられなくなった場合に、後見人への報酬が払えなくなると後見人の辞任・交代のための手続きが必要になります。この点も申立前に担当窓口と相談しておくことをおすすめします。
誤解5:SOSネットワークへの登録さえすれば必ず見つかると思っていた
SOSネットワークは行方不明時の早期発見・保護を「支援する」仕組みであり、必ず発見できることを保証するものではありません。協力事業者が多い地域・昼間の時間帯では効果が高くなりますが、深夜の行方不明や広域に移動した場合は時間がかかることもあります。
見守りシール・GPS機器・SOSネットワーク登録を組み合わせてリスクを下げることが大切です。また、本人が自宅の外に出られないよう物理的な対策(施錠の工夫等)と、介護保険のサービス(デイサービスの利用等)を組み合わせることも有効です。
誤解6:「徘徊」という言葉に傷つく家族がいる
「徘徊」という言葉は認知症の方の一人歩きを指す用語として長く使われてきましたが、当事者・家族から「本人には目的があっての行動なのに、否定的な印象を与える」という声があります。近年では「一人歩き」「外出・帰宅困難」などの表現が推奨されるようになっています。
制度の案内や申請書類でも「徘徊」という表記が残っている場合がありますが、それは法令・制度の文言によるものです。家族同士や支援者が話す際には、より配慮した表現を選ぶことが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 地域包括支援センターと市区町村の窓口(高齢福祉課等)はどう違いますか。
地域包括支援センターは相談の入口として機能します。「どこに相談すればいいかわからない」という段階で最初に連絡できる場所です。センターが話を聞いた上で、必要に応じて市区町村の担当窓口(成年後見利用支援事業の申請窓口等)につないでくれます。市区町村の担当窓口は費用助成の申請や市区町村長申立ての判断を担う部署で、センターより手続き寄りの役割です。最初の一歩は地域包括支援センターへの相談からで問題ありません。
Q2. 家族が成年後見人になれない場合はどんな場合ですか。
家庭裁判所が第三者(専門職後見人)を選任する可能性が高い場面として、本人の財産が一定規模以上(1,000万円以上の目安)の場合、親族間に対立や意見の相違がある場合、後見候補者として申請した親族に法的な問題(破産歴・犯歴等)がある場合などが指摘されています。必ずしも親族後見人が認められないわけではなく、審判の結果は個別案件ごとに異なります。
Q3. 成年後見制度以外に、認知症の方の財産を守る方法はありますか。
任意後見・家族信託が代表的です。またより限定的な方法として、口座の代理人カードの設定(金融機関によって対応が異なります)や、金融機関独自の「代理人指名」「見守りプラン」などのサービスを利用することもできます。ただしこれらは成年後見制度のような法的拘束力はなく、対応可能な場面が限られます。
Q4. 認知症初期集中支援チームを使いたいのですが、「まだ診断が出ていない」状態でも相談できますか。
はい、診断前の段階でも対象になります。むしろ「診断を受けていない方で、支援が届いていない方」が対象者の一つに含まれています。「認知症かどうかわからないが、物忘れが気になる家族がいる」という段階で地域包括支援センターに相談することが、初期集中支援チームにつながる入口になります。
Q5. 成年後見の後見人は家族が選べますか。
家庭裁判所に「後見人候補者」として申立書に記載することはできますが、最終的な選任は家庭裁判所が行います。申立書に記載した候補者が選任されないこともあります。特に本人の財産規模が大きい場合や親族間で意見が合わない場合は、第三者が選任されやすくなります。
Q6. 見守りシールやGPS機器の助成は、認知症と診断されていない状態でも使えますか。
自治体によって異なります。多くの自治体では「認知症の診断があること」または「認知症のため行方不明の危険がある」ことを要件としています。診断前の段階での利用可否は、担当窓口に確認してください。
Q7. SOSネットワークの登録情報はどこで管理されますか。個人情報の扱いは安全ですか。
登録情報は市区町村の担当部署が管理します。行方不明時に協力事業者へ提供されるのは本人の氏名・写真・身体的特徴等の必要最低限の情報であり、住所等の詳細な個人情報の取り扱いについては自治体の規定に基づいて保護されています。詳細は登録時に各市区町村の担当者に確認してください。
Q8. 後見人の報酬助成は、後見人が家族の場合でも受けられますか。
自治体によって対応が異なります。家族後見人への報酬を認めない(家族は無報酬が前提)とする自治体では、報酬助成の対象は専門職後見人のみになります。一方、家族後見人への報酬を家庭裁判所が認めた場合に助成対象とする自治体もあります。申立前に担当窓口で確認することをおすすめします。
Q9. 認知症カフェはどうやって探せばいいですか。
最も確実なのは地域包括支援センターへの問い合わせです。また、市区町村の公式ウェブサイト・広報誌に開催情報が掲載されることが多いです。「公益社団法人 認知症の人と家族の会」のウェブサイト(https://www.alzheimer.or.jp/)でも各地の情報を確認できます。
Q10. 任意後見契約の費用はどのくらいですか。
任意後見契約は公正証書で作成するため、公証役場の費用(証書代:1〜2万円程度が一般的な目安)が発生します。また、契約書作成を司法書士・弁護士等に依頼する場合は別途報酬が発生します(数万円〜十数万円程度が一般的な目安とされています。金額は依頼先によって異なります)。契約時点から後見監督人の選任申立てまでは費用は発生しませんが、後見監督人が選任されてからは月額1万〜3万円程度の監督人報酬が継続します。
Q11. 認知症の親が「後見なんていらない」と言っている場合はどうすればいいですか。
法定後見の「補助」区分は、本人の同意を前提としています(「後見」や「保佐」は必ずしも本人の同意は不要)。本人が強く拒否している場合は、まず地域包括支援センターや認知症初期集中支援チームに相談し、専門家に間に入ってもらうことが有効な場合があります。また、任意後見は判断能力があるうちであれば本人の意思で契約できるため、「将来のためにあなたが決めておける制度だよ」という形で話し合いをするアプローチも考えられます。個別の状況は専門家に相談することをおすすめします。
Q12. 自治体の認知症支援事業の内容は誰でも確認できますか。
はい、市区町村の公式ウェブサイトに掲載されていることが多いです。「(市区町村名) 認知症 支援 SOSネットワーク」「(市区町村名) 成年後見 利用支援」などのキーワードで検索するか、市区町村の「高齢福祉」または「介護保険」のページから探すと見つかりやすいです。見つからない場合は市区町村の代表番号または地域包括支援センターに電話で問い合わせてください。
Q13. 成年後見人が本人の医療同意を代わりに行えますか。
現行の法律では、成年後見人に医療同意権(手術への同意等)は明確に認められていません。この点は医療現場と後見実務の間で長年課題として指摘されており、議論が続いています。実務上は医療機関が家族や後見人に意向を確認しながら対応することが多いですが、法的に後見人が同意したことにはなりません。医療同意権の課題については、厚生労働省や日本成年後見法学会等でも検討が進んでいます。具体的なケースについては弁護士等の専門家に相談してください。
Q14. 認知症の人が締結した契約(訪問販売で買ったものなど)は取り消せますか。
成年後見人が選任されている場合は、後見人が日用品以外の法律行為を取り消せます。後見人が選任されていない場合でも、本人に意思能力がなかった状態での契約は無効となる場合があります(民法3条の2)。具体的な対応については、消費生活センター(188)または弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。
出典一覧(URL・確認日)
本記事は以下の一次情報および公式サイトを確認した上で執筆しています。
厚生労働省 認知症施策推進大綱について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00002.html
確認日:2026年6月27日
厚生労働省 認知症初期集中支援チーム
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000167753.html
確認日:2026年6月27日
厚生労働省 認知症に関する相談窓口
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a05.html
確認日:2026年6月27日
e-Gov法令検索 共生社会の実現を推進するための認知症基本法
https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC1000000065
確認日:2026年6月27日
川崎市 成年後見制度利用支援事業(審判請求費用・後見人等報酬助成)について
https://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000066653.html
確認日:2026年6月27日
大阪市 成年後見制度利用支援事業
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000369915.html
確認日:2026年6月27日
北九州市 成年後見制度利用支援事業
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/contents/29800171.html
確認日:2026年6月27日
福岡市 成年後見制度利用支援事業
https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/chiikihoken/health/00/04/4-02010-2.html
確認日:2026年6月27日
横浜市 認知症高齢者等SOSネットワーク
https://www.city.yokohama.lg.jp/kenko-iryo-fukushi/fukushi-kaigo/koreisha-kaigo/ninchisyo/ninchisyo-sodan/sos.html
確認日:2026年6月27日
福岡市 認知症の人の見守りネットワーク事業
https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/dementia/health/00/03/3-040103.html
確認日:2026年6月27日
門真市 認知症等の方への支援(QRコードシール・GPS利用助成・SOSネットワーク)
https://www.city.kadoma.osaka.jp/kenko_fukushi/kaigohoken/6/29405.html
確認日:2026年6月27日
茨城県 認知症初期集中支援チーム
https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/chiiki/ninchi/ninnchishoushoki/ninnchishoushoki.html
確認日:2026年6月27日
公益社団法人 認知症の人と家族の会
https://www.alzheimer.or.jp/
確認日:2026年6月27日
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言・医療的助言を行うものではありません。制度の金額・要件・手続きは年度や自治体によって変更される場合があるため、申請前に必ず各公式サイトまたは担当窓口(地域包括支援センター・市区町村担当部署・家庭裁判所・司法書士・弁護士等)に最新情報をご確認ください。
成年後見制度に関する手続き(申立書の作成・審判申立・後見人等への就任等)は、司法書士または弁護士の業務範囲に属します。本記事の内容は制度の概要を整理した情報提供にとどまり、個別の手続き代行は行いません。
認知症に関連する医療上の判断・治療の選択については、必ず医師または専門医にご相談ください。本記事における症状・疾患の記述は一般的な情報であり、個別の診断や治療の推奨を行うものではありません。
費用助成等の給付は、予算の範囲内・要件を満たした場合に行われるものであり、要件を満たした全員に必ず給付されることを保証するものではありません。