高校生等奨学給付金(2026年版):授業料以外の教育費を賄う返還不要の給付金を、申請まで完全解説

本記事は2026年6月27日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・申請期間はいずれも変更されることがあるため、申請前に必ず各都道府県の公式サイトで最新情報をご確認ください。

この記事が整理すること

高校の教育費というと、「授業料の無償化があるから大丈夫」と思いがちです。しかし実際に子どもが高校に入学してみると、授業料以外にも教科書代、副教材費、制服・体操服代、修学旅行積立、生徒手帳代、PTA会費など、さまざまな名目の出費が続くことに気づく保護者は多くいます。こうした「授業料以外の教育費」を対象に、返還不要の給付金を支給する制度が「高校生等奨学給付金」です。

ところが、対象であるにもかかわらず申請していない世帯が、私立高校だけでも推計で2万人超に上るとの指摘があります。高等学校等就学支援金(授業料無償化)とは別の制度であること、毎年自分で申請しなければならないこと、そして令和8年度(2026年度)から年収約490万円未満の世帯まで対象が大幅に広がったことが、まだ十分に知られていない状況です。

この記事では、次のことを整理します。

対象は、高校生(高等学校・高等専門学校・専修学校高等課程・通信制など)を抱える保護者です。「そもそも自分は対象なのか」という確認から「申請書類をそろえて提出するまで」を一本の記事でたどれるように構成しています。

制度の全体像

この制度が支援する「授業料以外の教育費」とは何か

高校生等奨学給付金が対象とするのは、高校生活に必要な授業料以外の費用です。具体的には、次のような品目・費目が想定されています。

給付金はこれらの費用すべてに「一対一で充当する」というわけではなく、世帯の手取り収入を補完する現金給付として保護者の口座に振り込まれます。何に使うかについての縛りはないため、実態として制服代や通学定期券代など幅広い用途に使われています。

いつ・誰に・いくら・どこへ申請するか

項目内容
支給対象者保護者(高校生の父母等。生計を維持している人)
申請先都道府県(学校経由の場合と直接申請の場合がある)
申請時期毎年7〜9月頃(都道府県・学校により異なる)
支給時期12月末〜翌年3月頃(都道府県により異なる)
支給方法保護者の指定口座への振込
返還の要否返還不要(給付型)
毎年の更新必要(自動継続ではない)
所得の判定基準保護者全員の住民税所得割合算額
主な判定根拠前年分の住民税の課税証明書(令和8年度なら令和8年度課税証明書)

申請は毎年行う必要があります。一度受給が認められても、翌年は改めて申請書類を提出し直さなければなりません。この「毎年申請」という点が見落とされやすいポイントのひとつです。

No.13「高等学校等就学支援金」とは何が違うのか

本記事の制度(高校生等奨学給付金)と、よく混同される高等学校等就学支援金(本シリーズNo.13)は、まったく別の制度です。

比較項目高等学校等就学支援金(No.13)高校生等奨学給付金(本記事)
対象費目授業料のみ授業料以外の教育費
支給先学校(授業料と相殺)保護者口座に直接振込
所得制限令和8年度より撤廃(全世帯対象)あり(年収目安約490万円未満等)
申請者生徒本人または保護者(学校経由)保護者(都道府県へ)
返還義務なしなし
毎年の手続き就学支援金は収入確認が必要毎年申請が必要

最大の違いは、就学支援金が「学校に納める授業料に充当されるもの」であるのに対し、本記事の給付金は「授業料以外の教育費のために保護者口座に振り込まれるもの」という点です。

就学支援金を受けていても、高校生等奨学給付金は自動的には給付されません。要件を満たしていれば別途申請することで両制度を同時に活用できます。この「ダブル活用」については後の節で詳しく説明します。

令和8年度の主な変更点

令和8年度(2026年度)は、制度の歴史の中でも特に大きな拡充が行われた年です。主な変更点は次のとおりです。

  1. 対象世帯の拡大(最重要):従来は生活保護世帯と住民税非課税世帯(年収目安約270万円未満)のみが対象でしたが、令和8年度からは住民税所得割合算が182,500円未満(年収目安約490万円未満)の課税世帯まで対象が拡大されました。
  1. 新たな所得区分の設置:課税世帯向けに「区分2」(所得割合算100円〜105,500円・年収目安約270万〜380万円)と「区分3」(所得割合算105,500円〜182,500円・年収目安約380万〜490万円)の2段階が新設されました。
  1. 支給額の差異:区分2・区分3の支給額は非課税世帯(区分1)の約3分の1〜4分の1程度で設定されています。少額ではあっても、教科書代や学用品費の一部には充当できます。

この拡充は、「低所得世帯だけでなく、中所得世帯も授業料以外の教育費の負担は重い」という認識に基づくもので、公明党が長年主張してきた政策として実現したものです。

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無料サンプルとして、実際に申請するとどうなるか、受け取れる金額はいくらか、どこに何を出せばよいかを1ケース丸ごと解説します。申請判断に迷っている保護者の方がこの節だけ読んでも、「自分のケースに当てはまるかどうか」「いくら受け取れるか」「どう動けばよいか」が最後までわかるように書きます。

想定ケース

ステップ1:自分が対象区分かどうかを確認する

令和8年度の区分判定は「保護者全員の住民税所得割合算額」で行います。夫の住民税所得割82,000円、妻は専業主婦で課税なし(所得割0円)なので合算は82,000円です。

対象区分の判定:

このケースは区分2に該当します。

ステップ2:受け取れる支給額を確認する

区分2の公立高校全日制に通う生徒の場合、令和8年度の支給額(国基準)は年額47,900円です。

年額47,900円を12か月で単純に割ると月あたり約3,992円です。教科書代や副教材費の一部、修学旅行積立の一部に充当できる金額といえます。

ここで注意したい点があります。都道府県によっては国の基準額に上乗せをしている場合があります。このケースでは埼玉県を想定しており、埼玉県の令和8年度の支給額は国基準に準じています(上乗せの有無については各都道府県のページで確認が必要です)。

ステップ3:申請書類をそろえる

申請に最低限必要な書類は次のとおりです(埼玉県の国公立高校向けを参考に記載しています。他の都道府県では書類が異なる場合があります)。

  1. 奨学給付金申請書(高等学校等奨学のための給付金)
  1. 令和8年度課税証明書(住民税の課税証明書)
  1. 振込口座の確認書類(通帳の写しや銀行口座情報がわかるもの)
  1. 住民票の写し(都道府県や世帯状況によって必要な場合がある)

この4点が基本セットです。生活保護世帯の方は、これに加えて「生業扶助の受給を証する書類(生業扶助受給証明書等)」が必要になります。

ステップ4:申請書を提出する

埼玉県の場合、公立高校(国立・県立)に通っている生徒の保護者は、在籍する学校経由で申請書類を提出します。学校側が一括して教育委員会に送付するしくみになっています。

県外(他県)の公立高校に通っている場合は、郵送で直接提出します(令和8年度は6月17日が郵送期限)。

私立高校に通っている場合は、窓口が別になります(私立高校担当の担当課は後述の窓口一覧を参照してください)。

提出後は都道府県による書類審査が行われます。不備があった場合は問い合わせが来ることがあります。

ステップ5:支給を受ける

書類審査が通ると、保護者が指定した口座に振り込まれます。埼玉県を含む多くの都道府県では12月末〜翌年3月頃の振込になります。7〜8月に申請して12月に振込という流れが標準的です。

支給額の確認書(支給決定通知書)が都道府県から郵送されます。この通知書は翌年の申請時にも参照できるので、保管しておくことをおすすめします。

このケースのまとめ

支給額47,900円は決して大きくはありませんが、申請するだけで受け取れる返還不要の給付金です。申請書類のほとんどは年1回の課税証明書の取得と申請書への記入で対応できます。

ここから先は、申請に直結する実務です。

所得区分の詳細と、自分の区分を正確に判定する方法

住民税所得割とは何か、なぜ「年収」では判定しないのか

支給対象の判定で用いられるのは「住民税所得割合算額」です。年収そのものではなく、税制上の計算を経た後の数字で判定するため、「自分は年収いくらなら対象か」という問いに対して一律に答えることが難しくなっています。

住民税所得割は、前年の所得金額から各種控除(基礎控除・社会保険料控除・医療費控除・扶養控除など)を引いた課税所得に税率を掛けて計算します。扶養親族の数が多い世帯や医療費控除を受けている世帯は、同じ収入額でも課税所得が下がり、所得割が小さくなる場合があります。

つまり「年収約○万円以下なら対象」という目安はあくまで参考値であり、実際には課税証明書の「所得割額」の記載を確認することが、自分の区分を正確に把握する唯一の方法です。

世帯の所得割の合算方法

判定に使うのは「保護者全員の住民税所得割の合算」です。

保護者が父母ともにいる場合は、父の所得割と母の所得割を合算します。一方が専業主婦(夫)で住民税が非課税(所得割0円)であれば、もう一方の所得割がそのまま世帯の合算額になります。

離婚・死別等でひとり親世帯の場合は、実際に生計を維持している保護者1人分の所得割が判定基準になります。

祖父母と同居しているケースで、祖父母が生計の担い手(扶養者として認定されている場合など)になっているケースは、各都道府県の判断によります。「同居の親族全員の所得割を合算するわけではない」点を理解しておく必要があります。

令和8年度の4つの所得区分(生活保護・非課税・区分2・区分3)

区分住民税所得割合算額年収の目安(4人家族の場合)
生活保護受給世帯生業扶助を受給中生活保護基準以下
非課税世帯(区分1)合算が0円(非課税)年収目安約270万円未満
区分2合算100円〜105,500円未満年収目安約270万〜380万円
区分3合算105,500円〜182,500円未満年収目安約380万〜490万円

年収の目安は、扶養親族が子1人(高校生)の4人家族を想定したおおよその参考値です。扶養人数が変わると目安の金額も変わります。

非課税世帯かどうかは、市区町村民税の所得割が0円(非課税)であることで判断します。所得が全くない世帯は当然非課税ですが、一定額以下の収入や各種控除の適用によって所得割が0円になる場合も含まれます。

所得割額の確認方法(課税証明書の見方)

毎年6月以降に市区町村から送られてくる「住民税の通知書」(給与所得者の場合は「特別徴収税額の決定通知書」、それ以外は「普通徴収税額の決定通知書」)には所得割額が記載されています。また、市区町村の窓口で取得する「課税証明書(住民税課税証明書)」にも所得割額が明記されています。

確認したい項目:「市区町村民税所得割額」と「道府県民税所得割額」の2つを合算した数字が判定に使われます。

注意点:給与明細に書かれている「住民税(特別徴収額)」の月額ではなく、課税証明書に記載されている「年間の所得割額」を確認してください。

学校種別・所得区分別の支給額一覧(令和8年度)

国公立高等学校・中等教育学校後期課程・高等専門学校(1〜3年次)全日制・定時制

区分年額支給額月換算(参考)
生活保護受給世帯32,300円約2,692円
非課税世帯(区分1)143,700円約11,975円
区分2(所得割100円〜105,500円未満)47,900円約3,992円
区分3(所得割105,500円〜182,500円未満)35,930円約2,994円

私立高等学校・専修学校高等課程 全日制・定時制

区分年額支給額月換算(参考)
生活保護受給世帯(生業扶助受給)52,600円約4,383円
非課税世帯(区分1)152,000円約12,667円
区分2(所得割100円〜105,500円未満)50,670円約4,222円
区分3(所得割105,500円〜182,500円未満)38,000円約3,167円

通信制(公立)

区分年額支給額
非課税世帯(区分1)50,500円
区分216,830円
区分312,630円

通信制(私立)

区分年額支給額
非課税世帯(区分1)52,100円
区分217,370円
区分313,030円

生活保護世帯(生業扶助非受給)の通信制

生活保護を受給しているが生業扶助を受給していない世帯が通信制高校に通う場合は、非課税世帯と同様の扱い(公立50,500円・私立52,100円)が適用されるケースが多いですが、都道府県によって異なります。

専攻科(高校専攻科・中等教育学校専攻科)

高校の専攻科については、令和8年度から区分2・区分3の一部が適用される都道府県があります。また、多子世帯(高校等に在籍する子を含めて扶養する子が複数いる世帯)に対象を広げている都道府県もあります。

具体例として、東京都の令和8年度の国公立向け制度では、専攻科の生徒について、年収目安380万〜600万円かつ多子世帯(住民税所得割合算264,500円未満)の区分まで対象を広げ、年額12,630円を支給する設定が示されています。専攻科については一般の全日制・通信制とは異なる独自の区分が設けられている都道府県があるため、専攻科に在籍する場合は必ず各都道府県の専攻科担当窓口に最新の区分と金額を確認してください。

専攻科の支給額は、基本的に通信制と同水準で設定されることが多く、都道府県によって異なるため、詳細は各都道府県の専攻科担当窓口に確認することをおすすめします(確認日2026年6月27日時点の東京都の例であり、他の都道府県や年度により異なります)。

通信制・全日制の比較と留意点

通信制高校の支給額は全日制に比べると大幅に少なく設定されています。これは通信制の学費構造(授業料が単位制で費用が低い・修学旅行等が少ない)を反映したものです。

ただし通信制でも、副教材費・スクーリング交通費・教科書代などは発生します。非課税世帯であれば公立通信制で50,500円(月換算約4,208円)を受け取れるため、申請する価値は十分にあります。

No.13授業料無償化と高校生等奨学給付金の「ダブル活用」シミュレーション

2制度の組み合わせで年間の教育費負担がどのくらい変わるか

令和8年度から高等学校等就学支援金(授業料の無償化)は全世帯に所得制限なしで適用されることになりました。これにより、授業料については国・都道府県の支援で多くが賄われる形になっています。高校生等奨学給付金はこれと並行して申請するもので、両者を合わせると教育費の軽減効果は相当大きくなります。

ケース別シミュレーション

シミュレーションはあくまで制度の理解を助けるための参考値です。実際の支給額・控除額は所得・税額・学校種別・都道府県の独自支援等によって変わります。

ケースA:年収320万円・公立高校全日制(非課税世帯)

制度年間支援額の目安
高等学校等就学支援金(授業料分)公立高校の授業料が実質無償化(年額約118,800円相当を学校側で相殺)
高校生等奨学給付金(本制度・非課税世帯)年額143,700円(保護者口座に振込)
合計年間約26万円以上の軽減

ケースB:年収430万円・私立高校全日制(区分3)

制度年間支援額の目安
高等学校等就学支援金(授業料分)令和8年度から所得制限撤廃・全世帯対象。私立の上限は年額457,200円(学校が設定する授業料により実際の支給額は異なる)
高校生等奨学給付金(本制度・区分3)年額38,000円(保護者口座に振込)
合計授業料支援+38,000円の給付金

ケースC:年収480万円・私立通信制(区分3)

制度年間支援額の目安
高等学校等就学支援金通信制の単位あたり支援(単位数×支援単価)
高校生等奨学給付金(本制度・区分3)年額13,030円

区分3の通信制は支給額が少ないですが、申請の手間に比べれば申請する価値はあります。

注意:就学支援金と奨学給付金は別申請

就学支援金を申請していても、奨学給付金は自動的には給付されません。それぞれ別の制度であるため、別々に申請する必要があります。学校から就学支援金の案内が来ても、奨学給付金の案内が一緒に来るとは限りません。

対象となる学校の種類(詳細)

対象となる学校一覧

高校生等奨学給付金を受けられる「高等学校等」の範囲は次のとおりです。

  1. 高等学校(全日制・定時制・通信制)
  2. 中等教育学校の後期課程
  3. 高等専門学校(第1学年〜第3学年)
  4. 専修学校の高等課程(高校卒業と同等の資格が得られる課程)
  5. 専修学校の一般課程のうち、国家資格者養成施設として指定を受けている課程(都道府県の判断による)

高等専門学校(高専)の場合

高等専門学校(いわゆる「高専」)は、第1学年〜第3学年が対象です。第4学年以降は大学相当とみなされるため、高校生等奨学給付金の対象外になります(ただし、JASSOの高等教育向け給付型奨学金の対象にはなり得ます)。

高専の支給額は国公立高校と同じ区分で計算されます(令和8年度・非課税世帯で年額143,700円)。

専修学校の場合

専修学校高等課程(高等専修学校)は対象です。一方、専修学校の専門課程(いわゆる「専門学校」)は、高等学校等の修業後に入学するものであるため、高校生等奨学給付金の対象外です(大学・専門学校向けの制度はJASSOの給付型奨学金などで別途対応されます)。

特別支援学校高等部の場合

特別支援学校の高等部は高校生等奨学給付金の対象外とされています。特別支援学校高等部については、各都道府県が独自の就学奨励費制度を設けており、教科書代・副教材費・通学費などが別途支援される場合があります。就学奨励費の申請方法は在籍する特別支援学校に確認してください。

外国籍の生徒の世帯

外国籍の方が在籍する世帯について、在留資格によって対応が異なります。

対象となる在留資格(令和8年度の例):

上記以外の在留資格(技能実習・技術・人文知識・国際業務等)の保護者の世帯は、基本的には生活保護世帯・住民税非課税世帯(区分1まで)が対象で、区分2・区分3は対象外となることがあります(都道府県の判断による)。

また、外国籍の生徒が在籍する場合、都道府県によっては「永住・就労継続意思等に関する申告書」の提出を求める場合があります。東京都私学財団では令和8年度からオンライン申請にこの書類の添付が求められています。

申請の具体的な流れ(全ステップ)

ステップ1:申請の案内を確認する(4月〜6月)

入学後の4〜6月頃、学校または都道府県から案内が配布されることが多いです。ただし、案内が届かないケースや、案内が薄くて気づかないケースも報告されています。

案内が届かなかった場合の対処法は次のとおりです。

ステップ2:課税証明書を取得する(6月以降)

課税証明書は「令和8年度」分が必要です。令和8年度の課税証明書は、前年(令和7年・2025年)の所得をもとに令和8年(2026年)6月頃から発行されます。申請時期が7〜8月であれば、6月以降に取得した課税証明書を使用します。

ステップ3:申請書を入手して記入する(7〜8月)

申請書は都道府県のウェブサイトからダウンロードするか、学校から受け取ります。記入内容は次のとおりです。

ステップ4:書類を提出する(学校経由または直接)

提出方法は都道府県と学校の種類によって異なります。

国公立高校の場合は、多くの都道府県で「在籍する学校に提出→学校が一括して教育委員会へ送付」という流れをとっています。

私立高校の場合は、各都道府県の私立学校主管課(私学振興課・学事課など)への提出になることが多く、学校経由ではなく保護者が直接提出する都道府県もあります。

通信制高校の場合は、本校または学習センターが申請のとりまとめをする場合と、保護者が直接都道府県に申請する場合があります。

提出期限は厳守してください。多くの都道府県では「期限後は原則受付不可」としています。

ステップ5:支給決定通知書を受け取り、振込を確認する(12月〜翌年3月)

審査後、支給決定(または不支給決定)の通知書が郵送されます。支給の場合は指定口座への振込が行われます。

振込の時期は都道府県によって異なります。

申請に必要な書類一覧(正式名称・取得先・注意点)

全員が共通して準備する書類

書類名正式名称・形式取得先取得費用注意点
申請書高等学校等奨学のための給付金支給申請書(都道府県所定様式)在籍学校または都道府県ウェブサイト無料様式は都道府県ごとに異なる
課税証明書令和8年度市(区)民税・都道府県民税課税証明書市区町村窓口、コンビニ(マイナカード要)200〜300円程度保護者全員分が必要。「令和8年度」分を取得すること
振込口座確認書類通帳の写しまたは口座番号がわかる書類本人保管無料保護者名義の口座に限る

世帯状況に応じて必要な書類

対象書類名取得先
生活保護世帯生業扶助受給証明書または保護受給証明書福祉事務所(ケースワーカーに依頼)
外国籍保護者が含まれる世帯在留カードの写し(または永住・就労継続意思に関する申告書)本人保管(申告書は都道府県から書式入手)
一人親世帯住民票の写し(続柄記載)市区町村窓口
生計維持者が単身赴任中の世帯単身赴任証明等(都道府県によって求める書類が異なる)勤務先発行
祖父母と同居世帯住民票の写し(世帯全員分)市区町村窓口

よくある書類の不備パターン

不備1:課税証明書の年度が違う。令和7年度(前々年分)ではなく「令和8年度(前年分)」が必要です。

不備2:課税証明書ではなく所得証明書を提出してしまう。所得証明書には所得割額の記載がないため審査に使えません。

不備3:一人分の課税証明書しかない(父母両方が必要な都道府県で父分のみ提出した)。

不備4:振込口座が生徒本人の口座になっている。保護者名義の口座が必要です。

不備5:申請書の世帯区分の欄が空欄または誤記入。課税証明書の所得割額を確認した上で、対応する区分を選んでください。

不備6:コンビニ発行の課税証明書が折れ・汚れている。コンビニで出力した書類は受け付けてもらえる場合が多いですが、折り目が入ったり汚れていたりすると再発行を求められることもあります。

家計急変時の特別申請制度

通常申請と家計急変申請の違い

通常の高校生等奨学給付金申請は、前年分の住民税に基づいて判定するため、今の収入が急激に下がっている世帯が通常申請をしても「去年の高い収入のデータ」で判定されてしまい、支給対象外となることがあります。

このようなケースに対応するのが「家計急変申請(家計急変世帯向け特別給付金)」です。

家計急変の対象となる事由

注意点として、定年退職は「自発的な離職」とみなされることがあり、家計急変の対象外となる都道府県があります。また、災害(台風・地震等)による収入減についても、別途の援助制度がある場合があります。

家計急変申請の基準と手続き

急変後の収入を年間収入に換算して、非課税世帯相当または各区分の基準を下回ると認められれば、給付金が支給されます。都道府県によっては「急変後の収入見込みが年収270万円未満相当」になっていれば申請可能としているところもあります。

必要書類には、通常の申請書類に加えて次のものが必要です。

家計急変の申請は年度中いつでも受け付けている都道府県が多く、支給は申請が認められた月以降(または年度末まで)の分が対象になることが一般的です。

家計急変申請の申込先

通常申請と同じ窓口(在籍する学校または都道府県の担当部署)に問い合わせてください。

都道府県別申請窓口一覧(全47都道府県・令和8年度確認分)

以下は文部科学省が公表している都道府県別の問い合わせ先(令和8年度版)です。国公立高校と私立高校では担当部署が異なります。申請書類の提出先についても各都道府県のウェブサイトで最新情報を確認してください(確認日:2026年6月27日。電話番号・担当部署は変更される場合があります)。

都道府県国公立担当部署電話番号私立担当部署電話番号
北海道高校教育課011-204-5760行政局学事課011-204-5066
青森県学校施設課017-734-9873県民活躍推進課017-734-9869
岩手県教育企画室019-629-6109学事振興課019-629-5041
宮城県高校財務・就学支援室022-211-3711私学・公益法人課022-211-2261
秋田県高校教育課018-860-5161総務課018-860-5111
山形県高校教育課023-630-2513高等教育政策・学事文書課023-630-2191
福島県高校教育課024-521-7775高校教育課024-521-7775
茨城県財務課029-301-5169私学振興室029-301-5249
栃木県教育政策課028-623-3354文書学事課028-623-2056
群馬県管理課027-226-4543私学・青少年課027-226-2141
埼玉県財務課048-711-7012学事課048-830-2725
千葉県財務課0120-23-1008学事課043-223-2162
東京都高等学校教育課03-5320-7862私学振興課03-5206-7925
神奈川県財務課045-210-8251私学振興課045-210-3793
新潟県財務課025-280-5143大学・私学振興課025-280-5912
富山県県立高校課076-444-3448学術振興課076-444-3159
石川県教育政策課076-225-1816総務課076-225-1233
福井県教職員課0776-20-0563大学私学課0776-20-0248
山梨県高校教育課055-223-1769まなび支援課055-223-1322
長野県高校教育課026-235-7428県民の学び支援課026-235-7058
岐阜県教育財務課058-272-8734私学振興課058-272-8249
静岡県高校教育課054-221-2141私学振興課054-221-2065
愛知県高等学校教育課052-954-6785学事振興課私学振興室052-954-7477
三重県教育財務課059-224-2827私学課059-224-2161
滋賀県教育総務課077-528-4587子ども若者政策・私学振興課077-528-3271
京都府高校教育課修学支援係075-414-5043文教課経営支援・宗教法人係075-414-4516
大阪府施設財務課06-6910-8001私学課06-6910-8001
兵庫県財務課078-362-3882教育課078-341-7711
奈良県学校支援課0742-27-9859教育振興課0742-27-8347
和歌山県生涯学習課073-441-3728文化学術課073-441-2098
鳥取県人権教育課0857-26-7541人権教育課0857-26-7541
島根県学校企画課0852-22-5799総務課0852-22-6050
岡山県財務課086-226-7572総務学事課086-226-7198
広島県教育支援推進課082-222-3015学事課082-513-2755
山口県教育政策課083-933-4510学事文書課083-933-2138
徳島県生涯学習課088-621-3132こども未来政策課088-621-2026
香川県高校教育課087-832-3754総務学事課087-832-3058
愛媛県教育総務課施設厚生室089-912-2924私学文書課089-912-2221
高知県高等学校課088-821-4851私学・大学支援課088-821-4690
福岡県財務課092-643-3866私学振興課092-643-3139
佐賀県教育総務課0952-25-7223法務私学課0952-25-7464
長崎県教育環境整備課095-894-3323学事振興課095-895-2282
熊本県高校教育課096-333-2675私学振興課096-333-2064
大分県教育財務課097-506-5447学事・私学振興課097-506-3086
宮崎県高校教育課0985-26-7237みやざき文化振興課0985-26-7118
鹿児島県高校教育課099-286-5288学事法制課099-286-2146
沖縄県教育支援課098-866-2711総務私学課098-866-2074

出典:文部科学省「高校生等奨学給付金(専攻科含む)のお問合せ先一覧」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/detail/1353842.htm(2026年6月27日確認)

都道府県による独自上乗せ・独自支援の差

国基準と上乗せの関係

文部科学省が定めるのは補助基準額(国庫補助の上限)であり、都道府県はこの基準額に上乗せして独自に支給額を増やすことができます。そのため、同じ非課税世帯でも住んでいる都道府県によって実際の受取額が異なる場合があります。

東京都の独自対応

東京都は国の補助基準に上乗せした独自の支援を行っている都道府県のひとつです。東京都では、生活保護世帯が通信制に通う場合も支給額が設定されており、また専攻科についても支給対象に含めている点が特徴です。

また、多子世帯(複数の子どもが高校等に在籍している世帯)への配慮も都道府県によって異なります。東京都は一部の区分で多子世帯向けの加算を設けており、区分2の通信制で扶養子が3人以上の場合の加算も検討されています。

複数の子が同時に高校在籍している場合

保護者が複数の子ども(例えば長子と次子が同時に高校在籍)の場合、各子どもについて個別に申請することが基本です。ただし、給付額の合算上限を設けている都道府県もあるため、複数申請の可否は担当窓口に確認することをおすすめします。

第1子・第2子で支給額が変わる制度は、都道府県の独自施策として存在する場合があります。国基準では子の順位による差は設けられていませんが、都道府県独自の上乗せ分で差をつけているケースもあります。

申請漏れ2万人超の背景分析

なぜこれほど多くの世帯が申請をしていないのか

支給要件を満たすにもかかわらず申請していない世帯が、私立高校だけでも推計2万人超に上るという指摘があります(報道による推計で、令和6年度以前のデータに基づくもの。国公立を含めた全体像は明らかになっていません)。令和8年度から対象が年収約490万円未満まで拡大されたことで、これまで「自分は対象外」と考えていた世帯が新たに対象に含まれており、潜在的な未申請者数はさらに増加している可能性があります。

申請漏れが生じる理由として、次のことが考えられます。

理由1:就学支援金(授業料無償化)と混同される

高等学校等就学支援金は入学時に学校から案内があり、学校が申請手続きをとりまとめるケースが多いため「手続きが済んだ」と思われがちです。ところが就学支援金は授業料のみが対象であり、高校生等奨学給付金(授業料以外の教育費の給付)は別途申請しなければ受け取れません。

理由2:学校からの案内が生徒に届かない

案内のプリントが生徒の荷物の底に埋もれていたり、保護者に届かなかったりするケースが報告されています。特に新入生の場合、入学直後の忙しい時期に複数の書類が重なることで、優先順位が下がって見逃されることがあります。

理由3:制度名が紛らわしい

「奨学給付金」という名称は、JASSO(日本学生支援機構)の給付型奨学金や就学援助と混同されやすい面があります。「奨学金は大学から使うもの」というイメージもあり、高校段階での制度に気づかない保護者も少なくありません。

理由4:令和8年度の拡充が伝わっていない

今まで「所得制限がかかって対象外だった」と思っていた世帯が、令和8年度から区分2・区分3として対象になっていることを知らないケースが増加する見込みです。

理由5:申請書類の取得・記入が面倒に感じられる

課税証明書の取得(窓口またはコンビニ)・申請書への記入・提出という一連の作業が「手間だ」と感じてしまい、「たいして受け取れないかもしれないので後で」となってしまうケースもあります。

申請漏れを防ぐための対処法

入学後の4〜5月に学校から配布物が多い時期でも、「高校生等奨学給付金」または「奨学のための給付金」に関するプリントや案内を必ず確認してください。配布物の中に見当たらない場合は、学校事務室に「奨学給付金の案内はありますか?」と一声かけてみるだけで手続きが始まります。

令和8年度から新たに区分2・区分3が設けられたため、「今まで案内が来なかったが今年は変わったかもしれない」という世帯は、特に注意して確認してみることをおすすめします。

よくある誤解・つまずきポイント

誤解1:「就学支援金をもらっているから、他の給付金は申請しなくていい」

就学支援金(授業料)と高校生等奨学給付金(授業料以外の教育費)は別の制度です。就学支援金の申請をしていても、高校生等奨学給付金は別途申請が必要です。

誤解2:「非課税世帯じゃないから対象外」

令和8年度から課税世帯(区分2・区分3)まで対象が広がりました。住民税所得割合算が182,500円未満(年収目安約490万円未満)であれば対象になる可能性があります。前年度に案内がなかった世帯でも、今年度は確認してみる価値があります。

誤解3:「学校から案内が来ないから対象外」

学校からの案内が届いていなくても、要件を満たしていれば対象です。案内が届かない原因は多様ですが、対象外であることを意味しません。

誤解4:「一度申請したら来年もそのまま受け取れる」

高校生等奨学給付金は毎年申請が必要です。前年度に受給していても、翌年度は改めて申請書と課税証明書を提出しなければなりません。

誤解5:「通信制高校に通っているから対象外」

通信制高校も対象です。ただし全日制に比べて支給額は少なくなります(非課税世帯・私立通信制で年額52,100円程度)。支給額が少なくても返還不要の給付金ですので、申請する価値はあります。

誤解6:「JASSO奨学金と重複申請はできない」

高校生等奨学給付金(都道府県経由の制度)とJASSOの給付型奨学金は、対象が重なりません。JASSOの給付型奨学金は主に大学・専門学校・高専4〜5年次が対象であり、高校在籍中には基本的に適用されません(高校在学中のJASSOの予約申請は存在しますが、それは大学入学後に受け取るものです)。そのため、重複の問題は基本的に生じません。

誤解7:「中途退学したら返還が求められる」

高校生等奨学給付金は給付型(返還不要)です。年度途中に退学・転学した場合は、その後の支給が停止されるだけで、すでに支給された分を返還する義務はありません。ただし、支給決定後に退学した場合の取り扱いは都道府県によって異なる場合があるため、退学前に担当窓口に確認することをおすすめします。

誤解8:「生計を一にしていない親がいる場合は除外して計算できる」

「生計を一にしている保護者全員」の所得割合算が判定基準になります。たとえば離婚して別居中の親から養育費を受け取っている場合でも、住民票上の世帯や扶養関係の認定に応じて、どちらの親の所得を含めるかは都道府県の判定によります。「別居だから関係ない」と判断せず、担当窓口に個別に確認することをおすすめします。

誤解9:「外国籍の家庭は申請できない」

外国籍の方でも、永住者・特別永住者・定住者など一定の在留資格を持つ方は申請できます。ただし在留資格の種類によっては対象外になる場合もあり、詳細は各都道府県の窓口に確認が必要です。

誤解10:「都道府県から何も連絡が来なければ支給される予定がない」

支給決定通知や振込は審査後に行われますが、問い合わせや通知のない期間が長く続く場合は、申請書類の不備・紛失が生じている可能性もあります。提出後2〜3か月経過しても連絡がない場合は、担当窓口に進捗を確認することをおすすめします。

申請チェックリスト

申請前の確認事項

書類準備のチェックリスト

提出前の最終確認

支給後の確認

よくある質問(FAQ)

Q1. 今年の4月に高校に入学しましたが、入学前の収入が高く、今年から収入が大きく下がりました。今年の申請には間に合いますか?

令和8年度の通常申請は前年(令和7年度)分の住民税に基づいた判定になるため、前年の収入が高い場合は通常申請では対象外になる可能性があります。ただし、今年になってから収入が急激に下がった場合は「家計急変申請」の対象になるかもしれません。家計急変の事由(失業・倒産・廃業・傷病等)に該当するかどうか、在籍する学校または都道府県の担当窓口に相談してみてください。

Q2. 夫婦共働きですが、妻はパートで収入が少ないです。所得割の計算には妻の分も含まれますか?

含まれます。判定に使うのは「保護者全員の住民税所得割合算額」です。妻がパートでも、住民税の所得割が課税されていれば夫の分と合算されます。妻が住民税非課税(所得割0円)であれば、合算に加わるのは夫の分だけになります。妻の課税状況は妻自身の令和8年度課税証明書(または非課税証明書)で確認できます。

Q3. 母子家庭です。父親の情報は不要ですか?

離婚等で別居している非監護親(元配偶者)については、一般的には合算対象に含まれません。現在の監護親(実際に生計を支えている親)の所得割で判定します。ただし、都道府県によって異なる扱いになることがあるため、念のため担当窓口に確認することをおすすめします。

Q4. 子どもが通信制の高校に通っています。申請できますか?

通信制高校(国公立・私立)も申請できます。支給額は全日制・定時制に比べて少なくなりますが、返還不要の給付金であることに変わりはありません。非課税世帯(区分1)の私立通信制では年額52,100円が支給されます。

Q5. 子どもが高専(高等専門学校)の1年生です。申請できますか?

高専の第1〜3学年は対象です。第4・5学年は対象外です。国公立の高専であれば国公立の区分で計算されます(非課税世帯で年額143,700円)。

Q6. 子どもが専修学校の高等課程に通っています。対象ですか?

専修学校の高等課程(高等専修学校)は対象です。専修学校の専門課程(いわゆる専門学校)は対象外です。

Q7. 特別支援学校の高等部に通っています。申請できますか?

高校生等奨学給付金の対象外です。特別支援学校高等部の生徒については、各都道府県が実施している「特別支援教育就学奨励費」(就学に必要な費用を国と都道府県が補助する制度)の利用を検討してください。在籍する特別支援学校に問い合わせてください。

Q8. 令和8年度から新たに対象になると聞きました。去年の申請と今年の申請は違いますか?

令和8年度から区分2・区分3が新設されたため、以前は対象外だった中所得世帯も申請できるようになりました。申請手続き自体は基本的に同じ(課税証明書の提出等)ですが、記入する区分が変わります。去年の申請書では区分が存在しなかった場合、今年の申請書には区分欄が追加されています。新しい申請書を入手して、該当する区分を選んでください。

Q9. 私立高校に通っています。申請先は学校ですか?都道府県ですか?

私立高校については、多くの都道府県で「保護者が都道府県の私立学校担当部署(私学振興課・学事課等)に直接申請する」形をとっています。ただし、学校がとりまとめている都道府県もあります。在籍する学校の事務室に確認するのが最も確実です。

Q10. 申請したが不支給になりました。理由はわかりますか?

不支給の場合、都道府県から不支給決定通知が届きます。通知に理由が記載されていることが多いです。所得割の合算が基準を超えている・書類の不備があった等が主な原因です。審査結果に疑問がある場合は、担当窓口に問い合わせることができます。

Q11. 受け取った給付金は確定申告で申告する必要がありますか?

一般的に、高校生等奨学給付金は非課税所得として扱われます。確定申告での申告は不要ですが、詳細は所轄の税務署に確認することをおすすめします。

Q12. 子どもが年度途中に転学(別の高校への転入)した場合、どうなりますか?

転学先の学校が対象校であれば、転学後も新たな在籍先で申請できる場合があります。ただし、転学元での支給が決定されていた場合は、支給の停止・変更の手続きが必要になります。転学が決まった段階で、元の学校および転学先の都道府県担当窓口に連絡することをおすすめします。

Q13. 在日外国人で、日本に来て1年未満です。申請できますか?

入国後1年未満であっても、在留資格が永住者・定住者等であれば申請できる場合があります。ただし、在留期間が短く永住の意思が確認されていない場合は対象外となることもあります。在留カードの在留資格を確認した上で、担当窓口に問い合わせてください。

Q14. 子どもがフリースクールに通っています。対象ですか?

フリースクール自体は高校ではないため、フリースクールのみへの参加は対象外です。ただし、通信制高校に籍を置きながらフリースクールを利用している場合は、在籍する通信制高校を通じて申請できます。

Q15. 申請書の記入例はありますか?

申請書の記入例は都道府県のウェブサイトに掲載されているケースが増えています。掲載がない場合は、担当窓口(学校事務室または都道府県担当課)に「記入例や書き方の案内はありますか?」と尋ねることをおすすめします。不備で返戻されるよりも、事前に確認する方がスムーズです。

他制度との違いと組み合わせ方

高等学校等就学支援金(No.13)との比較まとめ

項目就学支援金(No.13)本制度(高校生等奨学給付金)
支援対象費目授業料授業料以外の教育費全般
支給方法学校が授業料と相殺(生徒・保護者には直接振込なし)保護者口座に直接振込
令和8年度の所得制限撤廃(全世帯対象)あり(年収目安約490万円未満)
申請主体生徒・保護者(学校経由が多い)保護者(都道府県または学校経由)
使途の指定なし(授業料に自動充当)なし(現金給付)
毎年の更新収入確認手続きが必要毎年申請が必要

JASSO給付型奨学金との違い

日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金(高等教育の修学支援新制度)は、大学・短期大学・専門学校・高専4〜5年次の学生を対象にしています。高校生は対象外です(予約申請という形で高校3年次に手続きをすることはありますが、給付が始まるのは大学等に入学した後です)。

高校在学中に高校生等奨学給付金を受け取り、大学進学後にJASSOの給付型奨学金を受け取るという流れは問題なく可能です。二制度が重複することはありません。

就学援助との違い

就学援助は、主に義務教育(小学校・中学校)の子どもを対象とした市区町村の制度で、学用品費・学校給食費・修学旅行費などを支援するものです。高校生は就学援助の対象外です(高校生の弟・妹の分は受けられますが、高校生自身の分ではありません)。

高校生の分については、高校生等奨学給付金がその役割を担っています。

都道府県独自の奨学金との関係

都道府県が独自に設けている給付型・貸与型の奨学金制度(高校生向け)については、高校生等奨学給付金と別制度です。収入基準・申請時期・支給額が異なります。「奨学金」という名称は複数の制度で使われるため、手続きをする際に「どの制度のことか」を明確にしてから問い合わせることをおすすめします。

令和8年度の制度拡充の背景と今後の見通し

なぜ令和8年度から対象が広がったのか

令和8年度の拡充は、三党(自民党・公明党・日本維新の会)による政策合意に基づくものです。2025年(令和7年)の政治的な協議の中で、「中所得世帯の教育費負担が重い」という問題意識が共有され、授業料の無償化(就学支援金の所得制限撤廃)とあわせて、授業料以外の費用を支援する高校生等奨学給付金の対象拡大(低中所得世帯への拡充)も実現しました。

公明党は長年にわたって「奨学給付金の拡充」を主要政策として掲げており、令和8年度の中所得層への対象拡大はその成果のひとつとして位置づけられています。

今後の拡充見通し

令和8年度の拡充では、区分2・区分3の支給額が非課税世帯(区分1)の3〜4分の1程度にとどまっており、「実質的に受け取れる金額が少ない」という指摘が引き続きあります。

文部科学省は「意欲ある全ての生徒が安心して学べる環境の整備」という方針を掲げており、今後さらなる支給額の増額や対象の拡大が検討される可能性があります。ただし、具体的な制度変更の内容と時期については現時点で確定的な情報は公表されていないため、毎年度の文部科学省発表や都道府県からの案内を確認することをおすすめします。

新入生向けの前倒し給付(早期給付)のしくみ

入学直後に一部を受け取れる都道府県がある

多くの都道府県では、通常は7〜8月申請・12月振込という流れですが、新入生の入学直後の負担軽減を目的として「前倒し給付」や「早期給付」を行っている都道府県があります。

埼玉県の例では、4〜6月分相当額(年額の約25%)を先行して支給しています。全日制・定時制の非課税世帯の場合は35,925円が先行支給されます。

注意したいのは、前倒し給付は年額を「増やす」ものではなく、年額の一部を入学直後に早く受け取れるようにするしくみだという点です。早期給付を受けた分は、その後の通常給付(残額)と合わせて年額に達するように調整されるため、受け取れる総額そのものが上乗せされるわけではありません。

この前倒し給付は都道府県によって実施状況が異なります。実施している場合は、在籍する学校から4〜5月頃に案内が届くことが多いため、案内を見逃さないようにしてください。

出典一覧(URL・確認日)

本記事は以下の一次情報を確認した上で執筆しています。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1344089.htm

確認日:2026年6月27日

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/detail/1353842.htm

確認日:2026年6月27日

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/tuition/tuition/scholarship_public_school

確認日:2026年6月27日

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/tuition/tuition/scholarship_public_school/scholarship_for_households_with_sudden_changes

確認日:2026年6月27日

https://shigaku-tokyo.or.jp/pa_shougaku.html

確認日:2026年6月27日

https://www.pref.fukuoka.lg.jp/site/kyouiku/syougakukyuuhukin.html

確認日:2026年6月27日

https://www.pref.saitama.lg.jp/f2204/j-s/s-kyuhukin.html

確認日:2026年6月27日

https://hojyokin-portal.jp/columns/koko_syogakukyuhu

確認日:2026年6月27日

https://www.komei.or.jp/komechan/education/education202601/

確認日:2026年6月27日

https://financial-field.com/living/entry-20779

確認日:2026年6月27日

免責事項

本記事は制度の一般的な情報提供を目的としており、個別の申請代行・申請書類の作成代行・税務や法律に関する個別助言を行うものではありません。記事の作成者は、行政書士法・税理士法・社会保険労務士法その他の法令で各士業に留保された業務(申請書類の作成代行・税額の個別計算・労務に関する個別相談など)を行いません。所得割額の算定や課税関係について個別の判断が必要な場合は税理士または市区町村の税務担当窓口へ、申請書類の作成代行が必要な場合は行政書士へご相談ください。制度の詳細・最新の要件・申請手続きについては、各都道府県の担当部署または在籍する学校に直接ご確認ください。

支給額・対象要件・申請期限は年度ごとに変更される場合があります。本記事記載の情報は2026年6月27日時点の公開情報に基づいており、最新情報は文部科学省・各都道府県の公式ウェブサイトで必ずご確認ください。

本記事の内容は一般的な情報提供であり、個別の申請結果・受給可否を保証するものではありません。申請結果は各都道府県の審査によるものであり、記載の条件を満たした場合でも必ずしも受給が確約されるわけではありません。