高校無償化の申請と実務(高等学校等就学支援金・e-Shienでの申請・立替と返金の流れ)
本記事は2026年6月26日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・受付期間はいずれも変更されることがあるため、申請前に必ず公式サイトおよび在学する学校・お住まいの都道府県で最新情報をご確認ください。
この記事が整理すること
2026年4月から高校の授業料支援が大きく変わり、保護者の所得による制限が完全に撤廃されました。「高校無償化」という言葉が広く使われるようになり、検索する保護者の方が急増しています。
ところが実際に調べ始めると、政策の解説記事は数多く見つかるのに、「では自分は何を、いつ、どこに申請すればいいのか」という肝心の部分がはっきりしないという声が多く聞かれます。さらに「無償化と聞いていたのに、入学時に授業料を一旦払うように言われた」「あとで返金されるらしいが、いつ戻るのかわからない」といった、現場のお金の動きに関する戸惑いも目立ちます。
この記事では、高等学校等就学支援金(いわゆる高校無償化の中心制度)について、申請者は誰か、どこへ申請するのか、オンライン申請システム「e-Shien」での具体的な流れ、そして授業料に直接充てられるしくみと「一旦払って後で返金される」ケースの実務までを整理します。あわせて、授業料以外の費用をカバーする別制度「高校生等奨学給付金」との違いも触れます。
本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行や書類作成の代行は行いません。最終的な手続きの可否や金額は、在学する学校・都道府県・公式サイトでご確認ください。
制度の全体像
高校の授業料に関する支援は、ひとつの制度だけで成り立っているわけではありません。2026年時点で押さえておきたいのは、次の3つの層です。
1つ目は、国の「高等学校等就学支援金」です。これが「高校無償化」と呼ばれる支援の中心で、授業料に充てるためのお金が国から支給されます。2026年4月から所得制限が完全に撤廃され、保護者の収入にかかわらず申請できるようになりました。支給上限額は通う学校の種類で異なります。
2つ目は、各都道府県が独自に上乗せしている授業料の助成です。国の就学支援金だけでは私立高校の授業料を全額まかなえない場合があり、その差を都道府県が補う制度が地域ごとに設けられています。内容は自治体によって大きく異なります。
3つ目は、「高校生等奨学給付金」です。これは授業料そのものではなく、教科書・学用品・修学旅行費など授業料以外の教育費を補助する制度で、住民税非課税世帯などが対象です。2026年度から対象世帯が広がりました。就学支援金とは別の制度で、申請先も異なります。
この3つを混同すると、「無償化なのにお金がかかる」という戸惑いにつながります。国の就学支援金が対象とするのはあくまで授業料であり、入学金や施設費、修学旅行費などは原則として別の負担になる、という前提を最初に押さえておくと、全体像がつかみやすくなります。
国の高等学校等就学支援金の支給上限額(年額・2026年度)の目安は次の通りです。
| 学校の種類 | 年間の支給上限額の目安 |
|---|---|
| 公立高校(全日制) | 11万8,800円 |
| 私立高校(全日制) | 45万7,200円 |
| 私立高校(通信制) | 33万7,200円 |
これらは「上限額」であり、実際の支給は授業料の額や学校の種類、通信制では履修単位数などによって変わります。
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高校無償化で多くの保護者の方が最初に知りたいのは、「うちの場合、授業料はどこまで支援され、いくら自分で払うことになるのか」という具体的な金額の感覚だと思います。ここでは私立高校に通うケースを取り上げ、お金の流れを途中の計算過程まで省略せずに最後まで追ってみます。あくまで制度のしくみを理解するための一例であり、実際の額は学校・都道府県・年度によって変わる点はあらかじめご了承ください。
想定するのは、次のようなケースです。
- 私立高校(全日制)に2026年4月に入学した生徒
- その学校の年間授業料が60万円
- 都道府県独自の上乗せ助成は、ここではいったん「ない」と仮定(実際は地域差が大きいため、後述します)
まず、国の高等学校等就学支援金から計算します。2026年度の私立高校(全日制)の支給上限額は45万7,200円です。授業料60万円はこの上限を超えているため、就学支援金からまかなわれるのは上限額の45万7,200円までです。
60万円 − 45万7,200円 = 14万2,800円
この14万2,800円が、国の就学支援金だけでは埋まらない授業料の差額になります。
次に大事なのが、このお金が「どう動くか」です。就学支援金は保護者の口座に振り込まれるのではなく、学校(学校設置者)が保護者に代わって国から受け取り、授業料に直接充てます。これを代理受領といいます。つまり、保護者から見ると「45万7,200円分は授業料からあらかじめ差し引かれる」というイメージです。
このケースでは、就学支援金で授業料の大部分が充当され、保護者が実際に負担するのは差額の14万2,800円が中心になります(授業料に限った話です。入学金・施設費・修学旅行費などは別途かかります。これは後述します)。
ここで「都道府県の上乗せ助成」を加えるとどうなるかも見ておきます。たとえばお住まいの都道府県が、私立高校の授業料について「標準的な授業料の範囲まで保護者負担を抑える」上乗せ助成を行っている場合、先ほどの差額14万2,800円の一部または全部がさらに軽減されることがあります。地域によっては、私立でも授業料の自己負担が実質ゼロに近づく制度を設けているところもあります。逆に、上乗せ助成が手厚くない地域では、差額の14万2,800円が自己負担として残ります。
つまり「私立高校が無償化されるかどうか」は、国の就学支援金(全国共通)と、都道府県の上乗せ助成(地域差が大きい)の組み合わせで決まる、ということです。国の制度だけで完全に無償になるわけではない、という点が、最初につまずきやすいポイントです。
最後に、入学時の「一旦払う」問題にも触れておきます。就学支援金は申請して認定されるまで時間がかかるため、学校によっては入学時にいったん授業料を全額納め、認定後に支援金相当額が返金される運用をとっている場合があります。この場合、最初の支払い時点では金額が大きく見えますが、後から戻ってくる前提のお金が含まれています。返金の有無や時期は学校の納付方法によって異なるため、入学手続きの前に学校に確認しておくと、家計の見通しが立てやすくなります(具体的な流れは続きで詳しく整理します)。
このように、1ケースであれば「国の支援」「都道府県の上乗せ」「立替と返金」の3点を具体的に追うことができます。ただし実際には、公立か私立か、全日制か通信制か、お住まいの都道府県の上乗せ制度、学校の授業料の徴収方法によって、手続きも金額も変わってきます。e-Shienでの具体的な申請手順、立替と返金の見極め方、授業料以外の費用、チェックリスト、よくある質問はこの続きで解説します。
ここから先は、申請に直結する実務です。
申請は誰が・いつ・どこへ行うのか
高校無償化の支援を受けるうえで、まず正確に押さえておきたいのが「申請しないと支給されない」という点です。所得制限が撤廃されても、自動的にお金が充てられるわけではありません。支援を希望する保護者が、在学する高校を通じて申請する必要があります。
申請者は保護者、窓口は学校経由
申請の主体は、原則として生徒の保護者(親権者)です。ただし、申請書類は学校から配布され、提出先も学校(または都道府県)になります。つまり「保護者が、学校を通じて申請する」という形です。日本国籍の生徒については、後述するオンライン申請システム「e-Shien」を使って申請できます。
提出する書類や期日は、学校や都道府県によって異なります。入学説明会や入学後のオリエンテーションで案内されるのが一般的なので、配布物を見落とさないことが第一歩です。
申請のタイミングは「入学時」と「毎年7月」の2回が基本
申請には大きく2つの場面があります。
1つ目は、入学した年の最初の申請です。新入生は4月の入学手続きとあわせて、支援を受ける意思があるかどうかの「意向登録」と、「受給資格認定申請」を行います。原則として、申し込みが行われた月から支給が始まる扱いになるため、案内された期日内に手続きを終えることが大切です。
2つ目は、毎年7月ごろに行う継続の手続きです。就学支援金は世帯の所得状況をもとに支給額が決まる場面があるため、進級後も継続して受給するには、年に1回「継続意向登録」と「収入状況届出」を行う必要があります。2026年度から所得制限は撤廃されましたが、都道府県の上乗せ助成は所得を見る場合があるため、収入状況の届出自体は引き続き求められることがあります。この7月の手続きを忘れると支給が止まることがあるので、毎年の恒例行事として覚えておくと安心です。
e-Shienでのオンライン申請の流れ
日本国籍の生徒については、文部科学省のオンライン申請システム「高等学校等就学支援金オンライン申請システム(e-Shien)」を使って申請できます。紙の書類で行う場合もありますが、ここではオンライン申請の流れを順に整理します。なお、画面の細かな表示や手順はシステムの更新で変わることがあるため、最終的には学校から配布されるマニュアルや案内に従ってください。
事前に用意するもの
- パソコンまたはスマートフォン
- 学校から配布される「ログインID通知書」(IDとパスワードが記載されています)
- 保護者(親権者)のマイナンバーがわかる書類。マイナンバーカードのほか、通知カードや個人番号入りの住民票でも申請できる場合があります
ここで注意したいのが、父母がそろっている場合は原則として親権者全員(父と母の両方)のマイナンバー情報が必要になる点です。所得の確認に使われるため、片方だけでは手続きが進まないことがあります。
申請の基本ステップ
e-Shienでの申請は、おおむね次の順序で進みます。
- 学校から配布されたIDとパスワードでログインする
- 支援を受ける意思があるかどうかの「意向登録」を行う
- 生徒本人の情報・在学情報を確認・登録する
- 保護者(親権者)の情報を登録する
- 所得確認のため、マイナンバーを使って自己情報を取得する(または書類を別途提出する)
- 入力内容を確認し、申請を確定する
意向登録では「支援を受ける意思がある」「ない」を選びます。ここで「ない」を選んでしまうと支給対象から外れてしまうため、支援を希望する場合は必ず「ある」を選びます。
マイナンバーを使って所得情報をオンラインで取得する方法を選ぶと、課税証明書などの書類を別途用意せずに済むことが多く、手続きが簡単になります。マイナンバーカードを持っていない場合や、オンラインでの取得がうまくいかない場合は、書類提出による方法も用意されています。
申請後の流れ
申請が受理されると、都道府県による審査を経て受給資格が認定されます。認定されると、就学支援金は学校が保護者に代わって受け取り、授業料に充てられます。保護者の口座に直接振り込まれるわけではないため、「お金が振り込まれない」と心配する必要はありません。授業料の請求額が支援金の分だけ少なくなっている、あるいは後述のように一旦払った分が返金される、という形で恩恵を受けます。
「授業料に直接充てる」しくみと、立替・返金の実務
高校無償化で最もわかりにくいのが、お金の流れです。ここを正しく理解しておくと、入学時の支払いに戸惑わずにすみます。
基本は「代理受領」で授業料に充当
就学支援金は、生徒本人や保護者に現金で支給される制度ではありません。学校設置者(公立なら都道府県、私立なら学校法人など)が、生徒本人に代わって国から受け取り、授業料に充てます。これを代理受領といいます。
そのため、支援金が認定された後の授業料の請求は、支援金の分だけ少なくなるのが基本の形です。保護者が国からお金を受け取って自分で授業料を払う、という流れにはなりません。
立替(一旦払う)が起きる理由
それでも「入学時に授業料を一旦全額払ってください」と言われるケースがあります。これは制度の不備ではなく、申請から認定までに時間がかかることと、学校の授業料の徴収方法によるものです。
申請をしても、都道府県の審査を経て受給資格が認定されるまでには一定の期間がかかります。入学直後はまだ認定が下りていないことが多く、その間の授業料をどう扱うかは学校によって対応が分かれます。代表的なパターンは次の通りです。
- パターン1:入学時に授業料を徴収せず、支援金で相殺する。保護者は最初から差額だけを納める
- パターン2:支援金の上限より授業料が高い場合、入学時に差額分だけを納める
- パターン3:入学時にいったん授業料を全額(または一部)納め、支援金の認定後に学校から返金される
パターン3が、いわゆる「一旦払って後で返ってくる」ケースです。最初の支払い額は大きく見えますが、その中には後で戻る前提のお金が含まれています。
返金の時期は「学校に確認」が原則
返金がいつ行われるかは、学校の納付方法や事務の進み方によって異なります。文部科学省も、還付の時期を知りたい場合は学校に確認するよう案内しており、全国一律の「いつ返金」という決まりはありません。
したがって、入学手続きの前後で次の点を学校に確認しておくことをおすすめします。
- 入学時に授業料を一旦払う必要があるのか、それとも相殺されるのか
- 一旦払う場合、支援金相当額はいつ・どのように返金されるのか
- 返金は保護者の口座振込か、次回以降の授業料との相殺か
この確認をしておくだけで、「無償化と聞いていたのに大きな金額を払うことになった」という不安をかなり減らせます。立替が発生する場合は、一時的にまとまった金額を用意する必要があるため、家計のスケジュールにも影響します。
授業料以外の費用と「高校生等奨学給付金」
「高校無償化」という言葉の印象から、高校でかかるお金がすべて無料になると受け取られがちですが、国の就学支援金が対象とするのは授業料のみです。次のような費用は、原則として就学支援金の対象外で、別途負担が必要です。
- 入学金
- 施設設備費・施設費
- 教科書代・教材費
- 制服代・通学用品
- 修学旅行費・校外活動費
- PTA会費・生徒会費 など
これら授業料以外の教育費を支援する別制度が、「高校生等奨学給付金」です。就学支援金とは目的も申請先も異なります。
高校生等奨学給付金の概要(2026年度)
高校生等奨学給付金は、住民税非課税世帯などを対象に、授業料以外の教育費を補助する制度です。返済の必要はありません。2026年度から対象世帯が広がり、これまでの非課税世帯に加えて、年収のめやすで約490万円までの中所得世帯も一部支援の対象に含まれるようになりました。
非課税世帯の支給額(全日制等・年額)の目安は次の通りです。
| 区分 | 国公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 非課税世帯(全日制等) | 14万3,700円 | 15万2,000円 |
このほか、生活保護世帯や通信制課程など、世帯や課程の区分によって金額が分かれます。世帯の子どもの人数(多子世帯かどうか)などによって額が変わる扱いが設けられている場合もあるため、正確な金額は必ずお住まいの都道府県の実施要綱でご確認ください。
申請先は就学支援金と異なり、お住まいの都道府県(学校を経由する場合もあります)です。就学支援金を申請したからといって自動的に給付されるわけではないため、対象になりそうな世帯は別途申請が必要です。授業料は就学支援金、授業料以外は奨学給付金、という役割分担を覚えておくと整理しやすくなります。
都道府県独自の上乗せ助成
国の就学支援金だけでは、特に私立高校で授業料の差額が残ることがあります。この差を埋めるために、多くの都道府県が独自の授業料助成を上乗せしています。
たとえば一部の都道府県では、私立高校の授業料について、標準的な授業料の範囲まで保護者の負担が抑えられるよう独自の補助金を設けています。所得制限を撤廃して幅広い世帯を対象にしている地域もあれば、一定の所得要件を残している地域もあります。
重要なのは、この上乗せ助成は地域差が非常に大きいという点です。同じ私立高校に通っていても、住んでいる都道府県によって実質的な自己負担額が変わります。そのため、「高校無償化で私立も無料になるか」は、国の制度だけでなく、お住まいの都道府県の制度を確認しないと判断できません。
確認の手順としては、お住まいの都道府県の私学助成・教育委員会のページで「私立高校 授業料 助成」「高等学校 授業料 軽減」といったキーワードを探すのが近道です。多くの場合、国の就学支援金とあわせて申請する形になっており、学校から案内されることもあります。
申請チェックリスト
ここでは、高校無償化(高等学校等就学支援金)の申請にあたって準備・確認しておきたいことを整理します。学校や都道府県によって必要書類や期日が異なるため、最終的には学校から配布される案内で最新の様式を確認してください。
新規申請(入学した年)で用意・確認するものの目安は次の通りです。
- 学校から配布される「ログインID通知書」(e-Shienのログインに使います)
- 保護者(親権者全員)のマイナンバーがわかる書類
- 申請の期日(入学説明会や入学後の案内で示されます)
- 意向登録で「支援を受ける意思がある」を選ぶこと
- 入学時に授業料を一旦払う必要があるか、学校への確認
毎年7月ごろの継続手続きで確認するものの目安は次の通りです。
- 継続意向登録を期日内に行うこと
- 収入状況届出(マイナンバーによる所得確認、または課税証明書等の提出)
- 前年と世帯状況(親権者・住所など)に変更がないかの確認
授業料以外・上乗せ助成に関して確認しておきたいことは次の通りです。
- 入学金・施設費・修学旅行費など、授業料以外の費用がいくらかかるか
- 住民税非課税世帯などに該当する場合、高校生等奨学給付金の対象か(都道府県へ別途申請)
- お住まいの都道府県の私立高校向け上乗せ助成の有無と申請方法
期限と窓口について押さえておきたい点として、就学支援金は申し込んだ月からの支給が原則のため、案内された期日内の申請が重要です。継続の手続きは毎年7月ごろにあり、忘れると支給が止まることがあります。窓口は学校経由(提出先は都道府県の場合あり)、奨学給付金や都道府県上乗せ助成は都道府県が窓口になることが多い、という違いも覚えておくと迷いにくくなります。
よくある誤解・つまずきポイント
「無償化」でも申請しないと支給されない
所得制限が撤廃されても、申請が自動化されるわけではありません。保護者が学校を通じて申請し、受給資格が認定されて初めて授業料に充当されます。入学時の案内を見落として申請を忘れると、支援を受けられない期間が生じることがあります。
「無償化」でも授業料以外はかかる
国の就学支援金の対象は授業料のみです。入学金・施設費・教科書代・修学旅行費などは別途かかります。授業料以外の負担を軽くしたい場合は、高校生等奨学給付金や都道府県の制度を別に確認する必要があります。
私立は国の支援だけで無料になるとは限らない
私立高校の支給上限額は45万7,200円ですが、授業料がこれを上回る学校では差額が残ります。その差を埋めるかどうかは都道府県の上乗せ助成しだいで、地域差が大きいというのが実情です。
「一旦払う」は損ではない
入学時に授業料を一旦払うよう求められても、それは認定までの立替であり、認定後に支援金相当額が相殺・返金される前提のことが多いです。ただし返金時期は学校により異なるため、事前確認が大切です。一時的にまとまった金額が必要になる点だけ、家計面で意識しておくとよいでしょう。
7月の継続手続きを忘れると止まる
毎年7月ごろの継続意向登録・収入状況届出を忘れると、進級後の支給が止まることがあります。所得制限が撤廃された後も、都道府県の上乗せ助成の判定などのために収入状況の届出を求められることがあるため、年に1回の手続きとして習慣づけておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
高校無償化について、保護者の方が迷いやすい点をQ&A形式で整理します。制度の詳細や最新の要件は変わることがあるため、最終的な判断の前には学校・都道府県・公式サイトでの確認をおすすめします。
Q1. 高校無償化は、申請しなくても自動的に適用されますか。
いいえ、申請が必要です。保護者が学校を通じて高等学校等就学支援金を申請し、受給資格が認定されて初めて授業料に充てられます。所得制限が撤廃されても、申請そのものは省略できません。
Q2. 申請は誰がしますか。生徒本人ですか。
原則として保護者(親権者)が申請します。ただし書類は学校から配布され、提出も学校を通じて行います。日本国籍の生徒はオンライン申請システムe-Shienを利用できます。
Q3. 所得が高くても支援を受けられますか。
国の就学支援金については、2026年4月から所得制限が完全に撤廃されたため、保護者の収入にかかわらず申請できます。ただし都道府県の上乗せ助成には所得要件が残っている場合があります。
Q4. 公立と私立で支給される金額は違いますか。
はい、違います。2026年度の年間支給上限額の目安は、公立高校(全日制)が11万8,800円、私立高校(全日制)が45万7,200円、私立の通信制が33万7,200円です。実際の支給は授業料や履修単位数によって変わります。
Q5. 支援金は自分の口座に振り込まれますか。
いいえ、保護者の口座に直接振り込まれるわけではありません。学校が保護者に代わって受け取り、授業料に充てます(代理受領)。授業料の請求額が支援金の分だけ少なくなる、あるいは一旦払った分が返金される形で恩恵を受けます。
Q6. 入学時に授業料を一旦払うように言われました。無償化ではないのですか。
無償化の対象であっても、認定までに時間がかかるため、学校によっては入学時にいったん授業料を納め、認定後に返金する運用をとっていることがあります。後で戻る前提のお金が含まれている場合が多いので、返金の有無と時期を学校に確認してください。
Q7. 返金はいつ行われますか。
返金の時期は学校の納付方法によって異なり、全国一律の決まりはありません。文部科学省も時期は学校に確認するよう案内しています。入学手続きの前に、返金の方法とおおよその時期を学校に尋ねておくと安心です。
Q8. 私立高校なら国の支援だけで授業料は無料になりますか。
授業料が支給上限額(45万7,200円)以下であれば、国の支援だけで授業料がまかなわれる場合があります。上限を超える学校では差額が残り、その差を埋めるかどうかは都道府県の上乗せ助成しだいです。地域差が大きいため、お住まいの都道府県の制度をご確認ください。
Q9. 入学金や修学旅行費も無償になりますか。
いいえ、国の就学支援金の対象は授業料のみです。入学金・施設費・教科書代・修学旅行費などは原則として対象外です。授業料以外の負担を軽くする制度として「高校生等奨学給付金」があり、住民税非課税世帯などが対象です。
Q10. 高校生等奨学給付金は就学支援金と同じ申請でもらえますか。
いいえ、別制度です。就学支援金は学校を通じた申請ですが、奨学給付金は原則としてお住まいの都道府県への申請が必要です(学校を経由する場合もあります)。対象になりそうな世帯は別途申請してください。
Q11. e-Shienで申請するには何が必要ですか。
学校から配布されるログインID通知書(IDとパスワード)と、保護者(親権者全員)のマイナンバーがわかる書類が基本です。マイナンバーカードがなくても、通知カードや個人番号入りの住民票で申請できる場合があります。
Q12. 毎年申請が必要ですか。
入学した年の申請に加えて、毎年7月ごろに継続意向登録と収入状況届出を行うのが基本です。この継続手続きを忘れると、進級後の支給が止まることがあります。
Q13. 転校や休学をしたらどうなりますか。
休学する場合は、支給停止の申し出を学校に提出する必要があります。転校した場合は支給期間の通算などの扱いがあり、計算方法が定められています。いずれも学校に相談し、必要な手続きを確認してください。
Q14. 外国籍でもe-Shienで申請できますか。
オンライン申請の対象は日本国籍の生徒が中心で、それ以外の方は紙の書類による申請になる場合があります。申請方法は学校や都道府県によって異なるため、学校の案内に従ってください。
出典一覧(URL・確認日)
本記事は以下の一次情報を確認した上で執筆しています。
- 高等学校等就学支援金制度(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm
確認日:2026年6月26日
- 高校生等への修学支援(文部科学省 総合案内・令和8年度制度概要・e-Shienへの案内)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm
確認日:2026年6月26日
- 高等学校等就学支援金制度に関するQ&A(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342600.htm
確認日:2026年6月26日
- 高等学校等就学支援金オンライン申請システム e-Shien(ログイン)
https://www.e-shien.mext.go.jp/
確認日:2026年6月26日
- 令和8年度版 高校生の授業料支援制度のお知らせ(文部科学省PDF)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm
確認日:2026年6月26日
- 令和8年度 都道府県担当者説明会資料(文部科学省PDF。支給上限額・所得制限撤廃を記載)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/202604013-mxt_shuukyo03-1342601_2.pdf
確認日:2026年6月26日
- 令和8年4月申請向け 新規申請マニュアル(文部科学省PDF)
https://www.mext.go.jp/content/20260403-mxt_shuukyo03-000020144_2.pdf
確認日:2026年6月26日
- 高校生等奨学給付金(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1344089.htm
確認日:2026年6月26日
- 高等学校等就学支援金の私立に関する案内(東京都私学財団)
https://www.shigaku-tokyo.or.jp/parents_index/pa_syugaku/
確認日:2026年6月26日
- 私立高等学校等就学支援金・授業料無償化に関するQ&A(大阪府。対象外費用の整理)
https://www.pref.osaka.lg.jp/o180160/shigaku/shigakumushouka/mushoka_qa.html
確認日:2026年6月26日
- 東京都国公立高等学校等奨学のための給付金事業のお知らせ(東京都教育委員会)
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/tuition/tuition/scholarship_public_school
確認日:2026年6月26日
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言を行うものではありません。制度の詳細・最新の要件・申請手続きについては、在学する学校、お住まいの都道府県、各公式サイト(文部科学省・e-Shien)に直接ご確認ください。支援金の支給額や都道府県の上乗せ助成、高校生等奨学給付金の金額・対象は、年度や地域によって変わります。本記事の金額・要件は2026年6月26日時点で確認した目安であり、将来の改定を保証するものではありません。