小規模事業者持続化補助金:個人事業主・フリーランスが最初に検討すべき経産省の補助金
本記事は2026年6月25日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・受付期間は変更されるため、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
この補助金は誰のためのものか
個人事業主やフリーランスとして活動しているなかで「チラシを刷りたい」「ウェブサイトを作り直したい」「新しい機材を導入して仕事の幅を広げたい」と考えたことはあるでしょうか。そうした販路開拓や業務効率化への投資を支援するのが、小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)です。
この補助金は、経済産業省中小企業庁が所管し、商工会・商工会議所と連携して運営されています。対象は、国が定義する「小規模事業者」に当てはまる個人事業主、フリーランス、または小規模な法人です。専門家に申請を代行してもらうこともできますが、制度の仕組みさえつかんでしまえば、事業者本人が自分で申請することが可能な補助金です。
ただし、補助金の申請にあたっては、地域の商工会または商工会議所から「事業支援計画書」を発行してもらうことが必須となります。自分だけで完結する手続きではなく、商工会等との連携が申請の条件になっている点は、最初に押さえておいてください。
この補助金は何か
持続化補助金は、小規模事業者が自ら経営計画を策定し、その計画に沿って取り組む販路開拓や業務効率化に要した費用の一部を国が補助するものです。
補助金が想定している取り組みの具体例を挙げると、新しい顧客層に向けたチラシや広告の出稿、ホームページのリニューアル、展示会への出展、店舗の改装、新商品の開発などが該当します。事業を継続・発展させるための「前向きな投資」を後押しする設計です。
制度そのものは2014年度に始まり、公募回ごとに予算が組まれて断続的に実施されています。2026年6月25日時点では第20回の公募要領が公開されており(申請受付は2026年11月5日開始予定)、令和7年度補正予算を財源とした新たな予算枠での公募が続いています。
いくらもらえるか(さわりだけ)
2026年6月25日時点で公開されている最新の第20回公募(令和7年度補正予算)では、通常枠の補助上限額は50万円で、補助率は補助対象経費の3分の2です。つまり、75万円の経費を使ったとすれば、50万円を国が補助し、残り25万円を自己負担するイメージです。
一定の要件を満たす場合は、上限額が大きく引き上げられる特例も設けられています。詳しい金額と要件は続きで解説しています。
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補助金の記事を読んでいて、いちばん知りたいのに最後までわからないのが「結局、自分の場合いくら戻ってくるのか」という点ではないでしょうか。ここでは、もっとも問い合わせの多い典型的なケースを1つだけ取り上げて、申請から入金までのお金の流れを途中で省略せずに最後までたどってみます。続きの中身を1ケースだけ先に出し切る試みです。
想定するのは、開業3年目の個人事業主で、ハンドメイド雑貨をネット販売しているフリーランスの方です。従業員はおらず本人ひとりで運営しているため、小規模事業者の要件(商業・サービス業は従業員5人以下)は満たしていると考えられます。インボイス発行事業者には登録しておらず、賃金引上げ特例も使わない、いちばんシンプルな通常枠での申請を想定します。
この方が計画しているのは、次の2つの取り組みです。1つ目は、新しい撮影機材と作業台を導入して商品写真の質を高める取り組みで、機械装置等費として21万円(税抜)を見込んでいます。2つ目は、自社のオンラインショップを作り直して回遊性を高める取り組みで、ウェブサイト関連費として24万円(税抜)を見込んでいます。
ここで補助対象経費の合計を出してみます。21万円と24万円を足すと、補助対象経費の合計は45万円です。
次に、補助される金額を計算します。通常枠の補助率は補助対象経費の3分の2ですから、45万円に3分の2を掛けます。45万円÷3×2で30万円となり、計算上の補助額は30万円です。
ここで上限を確認します。1つ目は通常枠の補助上限額50万円です。計算上の補助額30万円は50万円の範囲内ですから、この点では削られません。2つ目はウェブサイト関連費に固有の制限です。第20回(令和7年度補正予算)の公募要領では、ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)と定められています。今回のウェブサイト関連費24万円に対する補助分は24万円×3分の2で16万円ですから、この16万円は上限30万円の範囲内に収まり、削られません。同じく広報費にも上限30万円(税込)の制限がありますが、今回は広報費を使っていないため関係しません。
これらの上限をすべて確認しても削られる部分がないため、補助額は計算どおり30万円となります。仮にウェブサイト関連費の補助分が30万円を超えるほどウェブに偏った計画であれば、その超過分は補助対象から外れますが、今回のケースでは問題になりません。なお、過去の公募回ではウェブサイト関連費に「補助金交付申請額の合計の4分の1(上限50万円)」という別方式の制限が設けられていた時期がありましたが、第20回の公募要領ではこの方式は採用されておらず、上限30万円(税込)の定額制限に変わっています。古い記事や解説では旧ルールが残っている場合があるため、必ず第20回の公募要領でご確認ください。
実際のお金の動きも確認しておきます。この補助金は後払いが原則です。そのため、まず45万円(税抜)の経費を自己資金やつなぎ資金で支払い、補助事業を完了させ、実績報告書を提出し、審査を通過してから、はじめて30万円前後が口座に振り込まれます。申請して採択されたその日に入金されるわけではなく、交付決定から入金まで数か月かかるのが一般的です。手元資金がいったん45万円出ていく流れになる点は、計算と合わせて把握しておいてください。
この1ケースだけでも、「補助率3分の2で計算する」「経費ごとの上限で削られることがある」「経費配分しだいで戻る額が変わる」「後払いなので一度は自分で立て替える」という、持続化補助金のお金まわりの勘どころがひととおり見えてきます。ほかの条件のケース・申請の実務・チェックリスト・FAQはこの続きで解説します。
ここから先は、申請に直結する実務です。
自分は対象になるか:小規模事業者の定義
持続化補助金を申請できるのは、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」が定める「小規模事業者」に当てはまる事業者です。規模の基準は業種によって異なります。
商業やサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は、常時使用する従業員数が5人以下であることが条件です。製造業やそれ以外の業種(宿泊業・娯楽業を含む)は、常時使用する従業員数が20人以下であることが条件です。
個人事業主やフリーランスは一般的にこの規模要件を満たすことが多いといえますが、パートタイム従業員も場合によっては「常時使用する従業員」に含まれることがあります。自分の事業規模に照らして、申請前に必ず確認してください。
なお、医師・歯科医師・助産師、系統出荷による収入のみの農業者など、一部の事業者は補助対象外とされています(詳細は公募要領の対象外要件をご確認ください)。また、過去の持続化補助金で「卒業枠」または「小規模事業者卒業加点」で採択され補助事業を実施した事業者は、第20回の補助対象になりません。
補助上限額・補助率・特例の違い
第20回(令和7年度補正予算)の通常枠では、補助上限額は50万円、補助率は3分の2です。ただし、以下の2つの特例に当てはまる場合は上限額が引き上げられます。
インボイス特例は、免税事業者がインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)に新たに登録した場合に適用されるもので、補助上限額に50万円が上乗せされます。この特例を使うと最大100万円になります。
賃金引上げ特例は、従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3.0%以上増加させる事業者に適用されます(第20回では、補助事業実施期限日を終点とする連続12か月と前年同月の12か月を比較して判定します)。補助上限額に150万円が上乗せされ、最大200万円になります。また、この特例を使う赤字事業者は補助率が3分の2ではなく4分の3に引き上げられます。
両方の特例を同時に満たせば、最大250万円まで補助されることになります。第20回の公募要領では、これらの特例の要件は最終的に「補助事業の終了時点」で満たしている必要があり、満たさない場合は上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付対象外になります。インボイス特例は、申請時点では適格請求書発行事業者の登録が手続き中でも申請でき、補助事業の終了時点で登録を受けていることが要件です。賃金引上げ特例も、補助事業実施期限日を終点とする期間の賃上げ実績で判定されます。いずれも「これから要件を満たす予定」のまま放置すれば交付されないため、申請時点で達成の見通しと計画を固めておくことが重要です。
なお、「第20回の補助上限が250万円」という情報を見かけることがありますが、250万円はあくまで2つの特例をすべて満たした場合の最大値です。通常枠のみで申請する場合の上限は50万円である点を混同しないようにしてください。
対象経費の範囲
補助対象となる経費は8種類が定められています。
- 機械装置等費(業務に必要な機械や設備の導入)
- 広報費(チラシ制作、SNS広告、インターネット広告など。ただし上限30万円)
- ウェブサイト関連費(ホームページ制作や更新、EC構築など。ただし上限30万円)
- 展示会等出展費(オンライン展示会・商談会も含む)
- 旅費(販路開拓に要する交通費・宿泊費)
- 新商品開発費(試作品の材料費、デザイン費など)
- 借料(補助事業に必要な機器等のリース・レンタル費)
- 委託・外注費(専門業者への業務委託)
いくつか重要な制限があります。まず、広報費とウェブサイト関連費はそれぞれ単独での申請が認められておらず、他の対象経費と組み合わせる必要があります。また、第20回(令和7年度補正予算)の公募要領では、広報費・ウェブサイト関連費ともに補助金交付申請額の上限が30万円(税込)と定められています。過去の公募回でウェブサイト関連費に設けられていた「補助金交付申請額の合計の4分の1(上限50万円)」という制限は第20回では採用されていないため、古い解説の数字と混同しないようご注意ください。
対象外経費として明示されているのは、たとえば自動車や自転車などの汎用性の高い乗り物、パソコンやその周辺機器(プリンター等)、事務所の家賃(既存の賃料)などです。「仕事にも使うが私生活でも使える」と判断されるものは対象外になる可能性が高く、審査で除外されます。
また、「一式」「等」といった曖昧な記述で経費を申請しても、内容が特定できないとして補助対象から外れることがあります。見積書や発注書は品目・数量・単価が明記されたものを用意する必要があります。
商工会・商工会議所の役割と事業支援計画書
持続化補助金の最大の特徴は、地域の商工会または商工会議所との連携が必須になっている点です。申請書類の中に「事業支援計画書(様式4)」という書類があり、これは申請者本人ではなく商工会・商工会議所が作成・発行するものです。
この書類を発行してもらうためには、申請前に商工会・商工会議所の担当者と面談し、経営計画の内容を説明・相談する必要があります。事業支援計画書の発行受付には締切が設けられており、申請受付締切より前に締め切られます。第20回の場合、事業支援計画書の発行受付締切は2026年12月4日(金)で、申請受付の締切(12月15日)より約11日早くなっています。
商工会・商工会議所との相談は、補助金の申請条件を満たすための手続きというだけでなく、経営計画書の内容をブラッシュアップする機会としても活用できます。担当者が計画の論理的な整合性や表現を一緒に確認してくれる場合もあり、初めて申請する個人事業主にとっては心強い存在です。相談は無料で行われており、商工会・商工会議所の会員でなくても利用できます(地域によって対応が異なる場合があります)。
管轄の商工会・商工会議所については、補助事業を実際に行う場所の地域を基準に判断します。本社や住所とは異なる場所で事業を実施する場合は注意してください。
誰が・いつ・どこに申請するか
申請は事業者本人が行います。申請方法は電子申請が原則で、jGrants(ジェイグランツ)という政府の補助金申請ポータルを使います。
第20回の公募スケジュールは以下のとおりです(2026年6月25日時点で公開されている情報に基づきます)。
- 公募要領公開:2026年5月27日(水)
- 申請受付開始:2026年11月5日(木)
- 事業支援計画書(様式4)発行受付締切:2026年12月4日(金)
- 申請受付締切:2026年12月15日(火)17:00
なお、直前の第19回は2026年4月30日に締め切られています。第19回の採択発表時期は2026年秋以降と見込まれます。補助金の採択から交付決定、実際の経費支出、実績報告、そして補助金の入金まで、一般的には数か月から1年以上かかります。
申請の流れと事前準備
申請にはいくつかの事前準備が必要です。大まかな流れを整理します。
- GビズIDプライムの取得:電子申請に必要なアカウントです。第20回の公募要領でも、申請にはGビズIDプライムのアカウント取得が必要で、取得には数週間程度かかる場合があると明記されています。申請を検討し始めた段階で早めに手続きを進めてください(取得時の必要書類はGビズID公式サイトで最新情報をご確認ください)。
- 商工会・商工会議所への相談予約:事業支援計画書の発行受付締切(第20回は12月4日)の数週間前を目安に相談の予約を入れます。直前は混み合うため、早めに連絡することをすすめます。
- 経営計画書の作成:「様式2」と呼ばれる経営計画書と「様式3」の補助事業計画書を自分で作成します。経営の現状分析、自社の強み・弱み、目指す方向性と具体的な補助事業の内容を記述します。記載のボリュームについては明確な文字数規定はありませんが、審査で読まれる内容であるため、根拠と数値を備えてしっかり書き込むことが大切です(具体的な様式・分量は公募要領と様式集でご確認ください)。
- 事業支援計画書の受領:商工会・商工会議所との相談後、担当者が様式4を作成して発行します。
- jGrantsで電子申請:経営計画書・補助事業計画書・見積書等の添付書類とともに申請します。
- 採択発表後の交付決定待ち:採択されてもすぐに補助対象経費の支出を開始してはいけません。正式な「交付決定通知」を受け取ってから支出を始めることが条件です。採択発表日は補助事業を開始できる日ではありません。
- 実績報告と補助金の受取:補助事業が完了したら実績報告書を提出し、審査を経て補助金が振り込まれます。補助金は後払いが原則であるため、事業を実施する費用を一時的に自己資金でまかなえる資金繰りが必要です。
よくある誤解・つまずきポイント
持続化補助金の申請でよく見られる誤解と注意点を整理します。
チラシや広告だけで申請しようとするケースがあります。広報費とウェブサイト関連費は単独での申請が認められていないため、機械装置等費や新商品開発費など他の経費と組み合わせる必要があります。これを知らずに申請書類を作ると、要件不備として不採択になります。
補助金が先にもらえると思っているケースも多くあります。この補助金は後払いです。採択・交付決定の後に経費を支出し、実績報告書を提出して審査が通った後に補助金が振り込まれます。申請中や採択後に経費を使い始めても、交付決定前の支出は補助対象外です。
経営計画書の中身を軽視するケースもよく見られます。後述する採択率のデータが示すとおり、審査では経営計画の内容が重要な評価軸になります。「この補助事業が自社の経営にどのように貢献するか」という論理が明確に書けていなければ、採択されにくくなります。
特例の要件をあいまいなまま申請してしまうケースもあります。インボイス特例・賃金引上げ特例ともに、第20回では「補助事業の終了時点」で要件を満たしていることが必要で、満たさないと上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されません。インボイス特例は申請時点で登録手続き中でも申請できますが、終了時点までに適格請求書発行事業者の登録を受けている必要があります。賃金引上げ特例も実績で判定されるため、根拠のない見込みだけで特例を希望すると、結果的に交付対象外になるリスクがあります。
不採択の主な理由と対策
中小企業庁が公表している採択データによると、直近の採択率は以下のとおりです。
- 第15回公募:申請13,336件、採択5,580件(採択率約41.9%)
- 第16回公募:申請7,371件、採択2,741件(採択率約37.2%)
- 第17回公募:申請23,365件、採択11,928件(採択率約51.0%)
- 第18回公募:申請17,318件、採択8,229件(採択率約47.5%)
申請のおよそ半数が採択されている一方、残りの半数は不採択になっているわけです。
不採択の理由を公式に開示する制度はありませんが、公募要領や事務局のFAQ等から読み取れる不採択につながりやすいパターンを挙げます。
経営計画書の論理が不明確であることが、採択の可否を大きく左右します。「何のためにこの事業をするのか」「自社のどんな強みを活かすのか」「補助事業が完了した後にどういう状態になるのか」を、具体的な数字や事実に基づいて記述することが重要です。「売上を伸ばしたい」という抽象的な記述では、審査において評価されにくくなります。
第20回の公募要領では、客観的なデータを用いた市場・顧客ニーズの分析や営業方針などの根拠とともに、取り組む補助事業における定量的な成果(売上高・売上総利益の増加)を補助事業計画(様式2)に記載することが求められています。「売上を伸ばしたい」といった抽象的な記述ではなく、売上高や売上総利益がどう増えるのかを具体的な数値で示すことが重要です。詳細の要件は公募要領(第20回)で必ずご確認ください。
また、見積書や発注書に具体性が欠けている、あるいは相見積もりが必要な経費で相見積もりを取っていないといった書類面での不備も、採択を妨げる要因になります。第20回の公募要領では、発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)の機械装置等の購入や発注先(委託先)の選定については2者以上からの相見積もりが必要とされ、中古品の購入は金額にかかわらず2者以上からの見積もりが必須とされています。
他制度との関係
個人事業主が持続化補助金と他の補助金・支援制度を組み合わせることは、制度上は否定されていません。ただし、同一の経費に対して複数の補助金を重複して受け取ることはできません。
記事06で解説した移住支援金との組み合わせはよく検討されるケースです。地方に移住して事業を立ち上げたフリーランスが、移住支援金(最大100万円)を受け取りながら、新しい事業拠点での販路開拓に持続化補助金を活用するという流れです。これらは対象とする経費や受取の根拠が異なるため、重複には当たりません。
また、創業したばかりの方(創業後1年以内)は、通常枠ではなく「創業型」(補助上限200万円)を選ぶという選択肢もあります。創業型は令和7年度補正予算で第4回の公募要領が2026年5月27日に公開されており、申請受付は2026年11月5日から2026年12月15日を予定しています。
現時点の補助上限額・最新公募回締切(2026年6月25日確認)
以下の情報は2026年6月25日に中小企業庁公式サイト・補助金活用ナビ(中小機構)等で確認した内容です。
適用予算:令和7年度補正予算(第20回より)
通常枠の補助上限額:50万円
補助率:補助対象経費の3分の2(一部4分の3)
インボイス特例(免税事業者がインボイス発行事業者に新規登録した場合):+50万円→最大100万円
賃金引上げ特例(従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加させる事業者):+150万円→最大200万円(赤字事業者は補助率4分の3)
両特例を同時に満たす場合の上限:最大250万円
第20回公募スケジュール:
- 公募要領公開:2026年5月27日(水)
- 申請受付開始:2026年11月5日(木)
- 事業支援計画書(様式4)発行受付締切:2026年12月4日(金)
- 申請受付締切:2026年12月15日(火)17:00
第19回公募は2026年4月30日に締め切り済み(採択発表時期は未定)。
申請チェックリスト
申請の準備で抜け落ちやすい項目を、準備物・期限・窓口・注意点に分けて整理します。第20回(令和7年度補正予算)の公開情報をもとにしていますが、回ごとに変わる項目が多いため、最新の公募要領で必ず照合してください。
準備しておく書類・アカウントの目安は次のとおりです。
- GビズIDプライムのアカウント(電子申請に使用。発行までに数週間かかることがあるため最優先で着手)
- 直近の確定申告書の控え(個人事業主の場合。所得税の確定申告書第一表・第二表、収支内訳書または青色申告決算書)
- 様式2「経営計画書」と様式3「補助事業計画書」(申請者本人が作成)
- 様式4「事業支援計画書」(商工会・商工会議所が作成・発行するもので、自分では作れない)
- 補助対象経費の見積書(品目・数量・単価が明記されたもの。第20回の公募要領では発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)の経費は2者以上の相見積もりが必要とされ、中古品は金額にかかわらず2者以上が必要とされています)
- インボイス特例を使う場合は適格請求書発行事業者の登録通知書など、登録を証する書類
- 賃金引上げ特例を使う場合は、従業員1人あたり給与支給総額の引上げ目標値の設定や賃金引上げ計画の表明を示す書類(具体的な提出書類は公募要領・様式集をご確認ください)
主な期限の目安は次のとおりです(第20回・2026年6月25日時点の公開情報)。
- 申請受付開始:2026年11月5日(木)
- 事業支援計画書(様式4)発行受付締切:2026年12月4日(金)
- 申請受付締切:2026年12月15日(火)17:00
- 補助事業の実施期限:交付決定日から2028年3月31日(金)まで(公募要領で明記)
相談・申請の窓口は次のとおりです。
- 経営計画の相談と様式4の発行:補助事業を実施する地域を管轄する商工会または商工会議所
- 電子申請の提出先:jGrants(政府の補助金申請ポータル)
- 制度全般の問い合わせ:各地区の持続化補助金事務局
特に注意したい点を挙げます。様式4は商工会・商工会議所が作るため、その発行締切は申請締切より早く設定されています。様式4の発行が間に合わないと申請自体ができなくなるため、相談予約は発行締切の数週間前までに入れておくのが無難です。また、採択されても交付決定通知を受け取る前に経費を支出すると補助対象外になります。発注や支払いのタイミングは交付決定後にそろえてください。特例を使う場合は、申請時点で要件を満たしていることが前提であり、「これから満たす予定」では認められない点も再確認しておきましょう。
具体的な計算例・記入例
無料サンプルとは別の条件で、3つのケースの計算過程と、経営計画書を書くときのポイントを示します。補助率は通常枠の3分の2で計算します。いずれも考え方を示すための例であり、実際の採否や金額を保証するものではありません。
ケース1は、特例を使わない通常枠で、経費配分のバランスがよい例です。学習塾を営む個人事業主が、新規生徒の獲得を狙って、チラシ制作などの広報費に20万円(税抜)、教材作成用の機器導入として機械装置等費に40万円(税抜)を計画したとします。補助対象経費の合計は60万円です。補助額は60万円×3分の2で40万円となります。広報費は上限30万円の枠内、ウェブサイト関連費は使っていないので固有の制限には触れず、通常枠の上限50万円の範囲にも収まります。そのため40万円がそのまま補助される計算です。記入のポイントは、「広報費」と「機械装置等費」を別々の取り組みとしてではなく、「新規生徒を増やす」という1つの目標に向けた一連の施策として経営計画書に書くことです。チラシで認知を広げ、導入した機器で授業の質を高めて定着率を上げる、という因果のつながりを示すと計画の説得力が増すと考えられます。
ケース2は、インボイス特例を使うケースです。これまで免税事業者だったWebデザイナーのフリーランスが、取引先からの求めに応じて適格請求書発行事業者に新たに登録し、あわせて業務用の高性能パソコン以外の対象経費、たとえば展示会等出展費や新商品開発費に合計120万円(税抜)を計画したとします。なお、パソコン本体は汎用性が高く対象外とされるため、計画には含めません。補助対象経費120万円に対する補助額は120万円×3分の2で80万円です。ここで通常枠の上限は本来50万円ですが、インボイス特例により上限が50万円上乗せされて100万円になります。計算上の補助額80万円は上限100万円の範囲内ですから、80万円が補助される計算です。記入のポイントは、インボイス登録を「事務的な手続き」ではなく「取引先との継続・拡大という販路開拓の一環」として位置づけて書くことです。インボイス特例を使う場合、登録済みであれば適格請求書発行事業者の登録通知書の写しを、e-Taxで登録申請手続中であれば受信通知画面の写しを提出します(申請時点で登録がまだの場合は申請時の書類提出は不要で、補助事業の終了時点までに登録を受けていることが要件です)。
ケース3は、賃金引上げ特例を使うケースです。従業員2人を雇う飲食店の個人事業主が、従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3.0%以上増やす計画を立てたうえで、店舗改装にあたる機械装置等費や委託・外注費に合計240万円(税抜)を計画したとします。補助額は240万円×3分の2で160万円です。賃金引上げ特例により通常枠の上限50万円に150万円が上乗せされ、上限は200万円になります。計算上の補助額160万円は上限200万円の範囲内ですから、160万円が補助される計算です。なお、この特例を使う事業者が直近で赤字の場合は、補助率が3分の2ではなく4分の3に引き上げられるとされており、その場合の補助額は240万円×4分の3で180万円となります。記入のポイントは、賃上げの計画を補助事業の効果と結びつけて書くことです。設備投資で生産性が上がり、その成果を従業員の賃金に還元するという循環を示せると、計画としての一貫性が伝わりやすくなります。
3つのケースに共通するのは、補助率3分の2で計算した額が各種の上限に収まっているかを必ず確認するという手順です。計算上の補助額が上限を超えていれば上限まで、経費ごとの固有制限に触れていればその制限まで、それぞれ削られます。経費の合計だけでなく、どの経費区分にいくら配分するかで最終的に戻る額が変わる点を意識して計画を組み立ててください。
よくある質問(FAQ)
申請を検討する個人事業主・フリーランスの方が迷いやすい点を、質問と回答の形でまとめます。制度は回ごとに変わるため、金額や期限は最新の公募要領で必ず確認してください。
Q1. 開業したばかりでも申請できますか。
開業直後でも申請できる可能性はあります。通常枠は開業からの年数を一律に問うものではありませんが、申請時に直近の確定申告など事業実態を示す書類が求められるため、まだ確定申告を一度も行っていない段階では準備が難しい場合があります。創業後おおむね1年以内などの要件に当てはまる方は、別枠の「創業型」(補助上限200万円とされる)も選択肢になります。自分の状況に合う枠を商工会・商工会議所に相談してみることをおすすめします。
Q2. 商工会や商工会議所の会員でないと申請できませんか。
会員であることは必須ではないとされています。会員でなくても事業支援計画書(様式4)の発行や相談を受けられる地域が多いようですが、対応は地域によって異なる場合があります。まずは事業を実施する地域の窓口に問い合わせてみてください。
Q3. 申請してからどのくらいで補助金が入金されますか。
採択発表、交付決定、経費の支出、補助事業の完了、実績報告、確定検査という段階を経て入金されるため、申請から入金まで一般的には数か月から1年以上かかると考えられます。後払いが原則であり、採択されてすぐに振り込まれるものではありません。
Q4. 自己資金がほとんどなくても申請して大丈夫ですか。
後払いが原則であるため、補助事業にかかる費用を一度は自分で立て替える資金繰りが必要です。資金が不足する場合は、つなぎ融資などを検討する必要が出てくることもあります。手元資金で経費をまかなえるかを、申請前に必ず見積もっておいてください。
Q5. パソコンやスマートフォンは対象経費になりますか。
パソコンやその周辺機器(プリンター等)、スマートフォンなどは、汎用性が高く私生活でも使えると判断されやすいため、対象外とされることが多いです。一方で、特定の業務にしか使えない専用機器は対象になり得ます。境界が微妙な場合は、申請前に窓口へ確認するのが確実です。
Q6. 車やバイクの購入費は対象になりますか。
自動車・自転車などの汎用性の高い乗り物は、対象外として明示されていることが多いです。配達など事業に使う場合でも、私生活でも使える性質があるため除外されやすいと考えられます。
Q7. ホームページ制作だけで申請できますか。
ウェブサイト関連費は単独での申請が認められておらず、他の対象経費と組み合わせる必要があります。さらに、第20回の公募要領では、ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)と定められています(過去回にあった「補助金交付申請額の合計の4分の1(上限50万円)」という方式は第20回では採用されていません)。ホームページ制作を中心に考えている場合でも、機械装置等費など他の経費と組み合わせて計画を立ててください。
Q8. インボイス特例と賃金引上げ特例は両方使えますか。
両方の要件を同時に満たせば、併用できます。その場合、通常枠の上限50万円にインボイス特例の50万円と賃金引上げ特例の150万円が上乗せされ、最大250万円が上限になります。ただし、第20回ではいずれの特例も「補助事業の終了時点」で要件を満たしていることが必要で、満たさない場合は補助金全体が交付対象外になります。
Q9. 申請は専門家に頼まないと難しいですか。
制度の仕組みを理解すれば、事業者本人が自分で申請することは可能です。商工会・商工会議所の相談を活用すれば、経営計画書の内容を一緒に確認してもらえる場合もあります。専門家に依頼するかどうかは、自分にかけられる時間や計画書作成への自信に応じて判断するとよいでしょう。なお、本記事は一般的な解説であり、申請代行は行いません。
Q10. 不採択になったら再申請できますか。
別の公募回で改めて申請することは一般的に可能です。不採択の理由は個別に開示されないことが多いですが、経営計画の論理の明確さや成果目標の具体性が評価に影響すると考えられます。一度目の計画を見直し、商工会・商工会議所と相談しながら練り直すことが、次の申請の精度を上げる近道だと考えられます。
Q11. 採択された後に計画を変更できますか。
交付決定後の計画変更には、事務局への届出や承認が必要になる場合があります。経費の区分や金額を勝手に変えると補助対象外になることがあるため、変更が必要になったら自己判断で進めず、必ず事務局や窓口に相談してください。
Q12. 申請に費用はかかりますか。
申請そのものに国への手数料はかかりません。商工会・商工会議所への相談も無料で行われているのが一般的です。一方で、GビズIDの取得に伴う印鑑証明書の発行手数料や、専門家に依頼する場合の報酬など、付随的な費用が発生することはあります。
Q13. 複数の事業を営んでいる場合、まとめて申請できますか。
申請は事業者単位で行うのが基本です。複数の事業を営んでいても、1つの経営計画として整理して申請する形になります。どの事業のどの取り組みを補助事業とするかを明確にし、計画の中で位置づけを示す必要があります。
Q14. 過去にこの補助金を受けたことがあっても、また申請できますか。
過去に採択された実績があっても、別の公募回で再び申請できる場合があります。ただし、同一または類似の取り組みの繰り返しは評価されにくいと考えられます。また、過去の持続化補助金で「卒業枠」または「小規模事業者卒業加点」で採択され補助事業を実施した事業者は第20回の補助対象にならないなど、再申請が認められないケースもあるため、自分が該当しないかを公募要領で確認してください。
Q15. 採択発表の日から経費を使い始めてよいですか。
採択発表日は補助事業を開始できる日ではありません。採択された後に届く正式な「交付決定通知」を受け取ってから、経費の支出を開始する必要があります。交付決定前に発注や支払いを済ませてしまうと、その経費は補助対象外になる点に注意してください。
出典一覧と免責
本記事で引用・参照した公式情報源は以下のとおりです。
- 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金について」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/jizoku/(確認日:2026年6月25日)
- 中小企業庁「『小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)』の公募要領を公開しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260527002.html(確認日:2026年6月25日)
- 小規模事業者持続化補助金事務局「<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第7版・2026年5月27日)」(一次情報PDF。補助上限・補助率・各特例・対象経費・各上限・相見積もり基準・スケジュール等を本記事は本PDFで照合)
https://r6.jizokukahojokin.info/doc/r6_koubover7_ip20.pdf(確認日:2026年6月25日)
- 中小企業庁「『小規模事業者持続化補助金<創業型>(第4回)』の公募要領を公開しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260527001.html(確認日:2026年6月25日)
- 中小企業庁「販路開拓等に取り組む皆様へ 令和7年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(通常枠)」(概要チラシPDF)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r8/jizoku.pdf(確認日:2026年6月25日)
- 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型通常枠> 公式サイト
https://r6.jizokukahojokin.info/(確認日:2026年6月25日)
- 商工会地区 小規模事業者持続化補助金【一般型・通常枠】公式サイト
https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r6h/(確認日:2026年6月25日)
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構 補助金活用ナビ「小規模事業者持続化補助金のご案内」
https://seisansei.smrj.go.jp/subsidy_guide/subsidy_info/sustainability_subsidy.html(確認日:2026年6月25日)
- 中小企業庁「第17回公募の採択事業者を決定しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/saitaku/2025/250926001.html(確認日:2026年6月25日)
- 中小企業庁「第18回公募の採択事業者を決定しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/saitaku/2026/260317002.html(確認日:2026年6月25日)
- 中小企業庁「第15回公募の採択事業者を決定しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2024/240605jizoku.html(確認日:2026年6月25日)
- 中小企業庁「第16回公募の採択事業者を決定しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2024/240808jizoku.html(確認日:2026年6月25日)
- 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金「見積書等の提出」(交付決定後フェーズの案内)
https://r6.jizokukahojokin.info/koufu.php(確認日:2026年6月25日。※相見積もりの金額基準は、第20回の正式な基準である公募要領PDF=発注総額1件あたり50万円超(税込)を本記事では採用)
- 中小企業庁「令和7年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(創業型)」(概要チラシPDF)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r8/jizoku_sougyo.pdf(確認日:2026年6月25日)
本記事は一般的な制度解説を目的としており、申請書類の作成代行や個別の申請代行は行いません。補助金の採択・交付は審査結果や予算状況により変動するため、申請前に必ず最新の公募要領および商工会・商工会議所の窓口でご確認ください。