ひとり親家庭の支援を整理する(児童扶養手当・医療費助成・就業支援の使い方ガイド)
本記事は2026年6月26日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・所得制限・受付期間はいずれも改定されることがあり、また自治体によって扱いが異なる項目があります。申請前に必ずお住まいの市区町村や公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事が整理すること
ひとり親としてお子さんを育てている方が利用できる公的な支援は、実はいくつもの制度に分かれています。毎月の手当、医療費の負担を軽くするしくみ、資格取得や就職のための支援など、目的も窓口も別々のため、全体像をつかみにくいという声をよく見かけます。
この記事では、ひとり親家庭の代表的な支援を「児童扶養手当」「ひとり親家庭等医療費助成」「就業支援」の3つの柱に分けて、いつ・誰に・いくら・どこへ申請するかを横断的に整理します。制度ごとに別々のページを探し回らなくても、まず全体を見渡せるようにすることが目的です。
本記事は情報提供を目的としており、申請書類の作成代行や個別の手続き代行は行いません。また、個別の法律・税務・医療に関する助言ではなく、一般的な情報の提供にとどまります。各制度の最終的な判断は、市区町村の窓口や公式情報でご確認ください。
制度の全体像
ひとり親家庭の支援は、大きく3つの方向に整理できます。いずれも申請するのはご本人で、窓口はお住まいの市区町村が基本です。所得による制限がある制度が多いため、対象になるかどうかは個々の状況によって変わります。
1つ目は、毎月の生活を支える「児童扶養手当」です。18歳到達後の最初の3月31日まで(一定の障害がある場合は20歳未満)の児童を養育するひとり親家庭等に、所得に応じて手当が支給されます。
2つ目は、医療費の負担を軽くする「ひとり親家庭等医療費助成(マル親)」です。保険診療の自己負担分の一部または全部が助成され、課税世帯か非課税世帯かで負担の大きさが変わります。
3つ目は、就職や資格取得を後押しする「就業支援」です。代表的なものに「高等職業訓練促進給付金」と「自立支援教育訓練給付金」の2つがあり、資格取得を目指す期間の生活費や、受講費用の一部を支援します。
それぞれの制度の概要を、目的・申請者・窓口・所得制限の有無で整理すると次のようになります。
| 制度 | 主な目的 | 申請者 | 窓口 | 所得制限 |
|---|---|---|---|---|
| 児童扶養手当 | 毎月の生活を支える手当 | 本人 | 市区町村 | あり |
| ひとり親家庭等医療費助成(マル親) | 医療費の自己負担を軽くする | 本人 | 市区町村 | あり |
| 高等職業訓練促進給付金 | 資格取得中の生活費を支援 | 本人 | 都道府県・市区町村 | 課税/非課税で額が変動 |
| 自立支援教育訓練給付金 | 受講費用の一部を支援 | 本人 | 市区町村・都道府県 | 要件あり |
【無料サンプル】児童扶養手当「一部支給だといくらになるか」を1ケースだけ無料で全部見せます
ひとり親家庭の支援で多くの方が最初に気になるのは、児童扶養手当が「自分の場合は実際にいくらになるのか」という点だと思います。とくに、所得が全部支給の限度を少し超えている方は、「全部支給ではないけれど、いくらか受け取れるのか」が分かりにくいところです。
ここでは児童扶養手当の「一部支給」を取り上げ、1つのケースを途中の計算過程まで省略せずに最後まで解いてみます。あくまで制度のしくみを理解するための一例であり、実際の金額は所得・扶養人数・控除の状況などによって変わる点はあらかじめご了承ください。
想定するのは、次のようなケースです。
- お子さん1人を養育しているひとり親家庭
- 受給者本人の扶養親族は1人(お子さん1人)
- 児童扶養手当の判定に使う本人の所得額が 130万円だったと仮定
まず、全部支給になるか一部支給になるかを所得制限で確認します。令和6年11月の制度改正後、扶養親族が1人の場合の所得制限限度額は、全部支給が 1,070,000円、一部支給が 2,460,000円です(いずれも控除後の所得額。給与収入の目安では、全部支給がおおむね年収190万円、一部支給がおおむね年収385万円とされています)。
このケースの所得額 130万円は、全部支給の限度 107万円は超えていますが、一部支給の限度 246万円の範囲内です。したがって「一部支給」に該当します。
次に、一部支給の金額を計算します。児童1人目の一部支給額は、次の式で求めます(令和8年4月分から適用される計算式です)。
手当月額 = 48,050円 −(受給者の所得額 − 全部支給の所得制限限度額)× 0.0264029
この式に数値を当てはめます。まず、所得額から全部支給限度額を引きます。
1,300,000円 − 1,070,000円 = 230,000円
これに係数 0.0264029 を掛けます。
230,000円 × 0.0264029 = 6,072.667円
この金額を 48,050円から差し引きます。
48,050円 − 6,072.667円 = 41,977.333円
一部支給額は10円未満を四捨五入する扱いのため、このケースの児童扶養手当(児童1人目)の月額は、おおむね 41,980円となります。
ここで、しくみとして大切な点を2つお伝えします。
1つ目は、所得が全部支給の限度を超えていても、いきなり手当がゼロになるわけではないということです。一部支給の限度内であれば、所得が増えるにつれて手当が少しずつ減っていく形になります。「限度を1円でも超えたら全部もらえなくなる」という思い込みで申請をあきらめてしまうと、本来受け取れたはずの金額を逃すことがあります。
2つ目は、計算に使うのは「給与収入そのもの」ではなく、各種控除を差し引いた「所得額」だという点です。同じ年収でも、控除の状況によって判定が変わることがあります。自分の所得額が分からない場合は、源泉徴収票や課税証明書をもとに、市区町村の窓口で確認するのが確実です。
このように、児童扶養手当は1ケースであれば最後まで具体的に計算できます。ただし実際には、お子さんが2人以上いる場合の加算、医療費助成や就業支援との組み合わせ、申請のタイミングや必要書類など、押さえておきたい実務がいくつもあります。ほかのケース・申請の手順・チェックリスト・よくある質問は、この続きで整理します。
ここから先は、申請に直結する実務です。
児童扶養手当の金額と所得制限(令和8年4月分から)
手当の月額
児童扶養手当は、お子さんの人数と受給者の所得によって金額が決まります。令和8年4月分からの月額は次の通りです。所得が低いほど全部支給に、全部支給の限度を超えて一部支給の限度内であれば一部支給になり、所得に応じて10円単位で逓減します。
| 区分 | 全部支給(月額) | 一部支給(月額) |
|---|---|---|
| 児童1人目 | 48,050円 | 48,040円〜11,340円 |
| 第2子の加算 | 11,350円 | 11,340円〜5,680円 |
| 第3子以降の加算(1人につき) | 11,350円 | 11,340円〜5,680円 |
ポイントは、お子さんが2人以上いる場合の加算です。令和6年11月の制度改正により、第2子の加算額と第3子以降の加算額が同額に引き上げられました。それ以前は第3子以降の加算が第2子より低く設定されていましたが、現在はお子さんが1人増えるごとに同じ加算額が積み上がる形になっています。古い情報のままだと第3子以降を低く見積もってしまうことがあるため、最新の金額で確認してください。
所得制限限度額
児童扶養手当には、受給者本人の所得による制限があります。さらに、同居している扶養義務者(受給者の父母やきょうだいなど)がいる場合は、その方の所得も判定の対象になります。令和6年11月の改正で、本人の所得制限限度額は引き上げられました。
受給者本人の所得制限限度額(控除後の所得額)の目安は次の通りです。
- 扶養親族0人:全部支給 690,000円/一部支給 2,080,000円
- 扶養親族1人:全部支給 1,070,000円/一部支給 2,460,000円
- 扶養親族2人:全部支給 1,450,000円/一部支給 2,840,000円
- 以降、扶養親族が1人増えるごとに 380,000円ずつ加算
これらは「給与収入の額」ではなく、控除を差し引いた「所得額」であることに注意してください。給与収入の目安に直すと、扶養親族1人の場合で全部支給がおおむね年収190万円、一部支給がおおむね年収385万円とされています(あくまで目安で、控除の状況により前後します)。
同居の扶養義務者などがいる場合の所得制限限度額は、本人とは別に定められており、扶養親族0人で 2,360,000円、1人で 2,740,000円、2人で 3,120,000円(控除後の所得額)が目安です(自治体の例による)。同居家族の所得によって支給が止まることもあるため、世帯の状況を窓口で確認しておくと安心です。
支給時期
児童扶養手当は、奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)の年6回に分けて、それぞれ前2か月分がまとめて支給されます。かつては年3回でしたが、現在は年6回です。具体的な支給日は自治体が定めているため、お住まいの市区町村でご確認ください。
公的年金を受けている場合
以前は、公的年金を受けている方は児童扶養手当を受け取れないしくみでした。しかし令和3年3月分からは、受けている年金額が児童扶養手当の額より少ない場合に、その差額を児童扶養手当として受け取れるようになっています。障害基礎年金などを受けている方も対象になり得ます。年金を受けているからと申請をあきらめず、一度窓口で確認することをおすすめします。
ひとり親家庭等医療費助成(マル親)
制度の内容
ひとり親家庭等医療費助成(通称「マル親」)は、ひとり親家庭等の母・父・養育者と、その児童の医療費の自己負担を軽くする制度です。対象となる児童は、18歳に達した日の属する年度の末日まで(一定の障害がある場合は20歳未満)です。
交付されるマル親医療証を医療機関で提示すると、保険診療の自己負担分が助成されます。助成の大きさは、住民税の課税世帯か非課税世帯かで変わります。
- 住民税課税世帯:保険診療の自己負担分から一部負担金を差し引いた額を助成(実質的に1割負担程度)
- 住民税非課税世帯:保険診療の自己負担分を助成(実質的に負担なし)
東京都の例では、課税世帯の自己負担の上限は次のように定められています(通院・入院で異なります)。
- 通院:1割負担、1か月あたり上限 18,000円(年間上限 144,000円)
- 入院:1割負担、1か月あたり上限 57,600円(多数回該当の場合 44,400円)
- 非課税世帯:通院・入院とも自己負担なし
ただし、負担割合や上限額、所得制限は自治体によって異なります。上記はあくまで東京都の例であり、お住まいの市区町村で必ず確認してください。
対象外になるもの
マル親が助成するのは「保険診療」の自己負担分です。次のようなものは助成の対象外です。
- 健康保険が使えないもの(健康診断、予防接種、文書料、差額ベッド代など)
- 学校の管理下でのけがなどで災害共済給付の対象になるもの
- 健康保険から高額療養費が支給される部分
- ほかの公費医療制度で助成される部分
所得制限と申請
マル親にも所得制限があります。受給者本人だけでなく、同居の扶養義務者がいる場合はその所得も判定されます。所得制限限度額は令和7年1月1日から引き上げられていますが、具体的な金額は自治体によって異なります。
ここで注意したいのが、マル親の所得制限は児童扶養手当の所得制限とは別の基準だという点です。児童扶養手当が一部支給だったり対象外だったりしても、マル親は対象になることがあります(逆もあります)。それぞれ別に確認してください。
申請は住所地の市区町村に行い、マル親医療証の交付を受けます。申請するのはご本人で、自分で手続きできます。
ひとり親の就業支援
就業支援は、すぐに使う手当とは性格が異なり、資格取得や就職を通じて中長期の収入を安定させることを目的とした制度です。代表的な2つを整理します。いずれも事前の相談が前提となるため、利用を考えたら早めに窓口に相談してください。
高等職業訓練促進給付金
看護師や介護福祉士、保育士などの資格取得を目指して養成機関で学ぶ期間の生活費を支援する制度です。学んでいる間の収入が減りやすい時期を支えることが目的です。
支給額の目安は次の通りです(こども家庭庁の公式情報による)。
- 訓練促進給付金(修業期間中、毎月)
- 住民税非課税世帯:月額 100,000円
- 住民税課税世帯:月額 70,500円
- 修業期間の最後の12か月は、上記に 40,000円が増額されます
- 修了支援給付金(修了後に1回)
- 住民税非課税世帯:50,000円
- 住民税課税世帯:25,000円
対象となる資格の例は、看護師・准看護師・保育士・介護福祉士・理学療法士・作業療法士・調理師・製菓衛生師などの国家資格や、デジタル分野の民間資格(シスコシステムズ認定資格、LPI認定資格など)です。6か月以上のカリキュラムで修業することが前提です。申請窓口は都道府県・市区町村です。
自立支援教育訓練給付金
指定された教育訓練講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部を支援する制度です。20歳未満の児童を扶養している母子家庭の母・父子家庭の父が対象です。
支給額の目安は次の通りです(こども家庭庁の公式情報による)。
- 受講費用の60%(下限 12,001円)
- 一般教育訓練・特定一般教育訓練:上限 200,000円
- 専門実践教育訓練:修学年数 × 400,000円(上限 1,600,000円)
- さらに、専門実践教育訓練を修了し、修了後1年以内に資格を取得して就職等した場合は、受講費用の85%(上限は修業年数 × 600,000円、最大 2,400,000円)
この制度は、母子・父子自立支援プログラムの策定などを受けていることや、その訓練が適職に就くために必要と認められることが要件です。さらに重要な点として、受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要があります。受講を始めてから申請しても対象にならないことがあるため、必ず受講前に市区町村(町村にお住まいの場合は都道府県)の児童(ひとり親家庭)福祉の担当課に相談してください。
申請の具体的な手順
児童扶養手当の申請
- お住まいの市区町村の子ども・ひとり親福祉の担当窓口に相談します。
- 申請に必要な書類を確認し、そろえます(戸籍謄本、世帯全員の住民票、本人確認書類、預金通帳、年金手帳・基礎年金番号がわかるもの、マイナンバーがわかるものなど。状況により追加書類があります)。
- 認定請求書を提出します。離婚や死別など、支給要件に該当した月の翌月分から支給対象になります。さかのぼっての支給は原則できないため、要件に該当したら早めの申請が重要です。
- 審査を経て認定されると、奇数月に支給が始まります。
- 毎年8月に「現況届」を提出する必要があります。提出しないと支給が止まるため、忘れずに手続きしてください。
ひとり親家庭等医療費助成(マル親)の申請
- 市区町村の窓口に相談します。
- 必要書類(戸籍謄本、健康保険証、所得を確認できる書類など。自治体により異なります)をそろえます。
- 申請し、マル親医療証の交付を受けます。
- 医療機関でマル親医療証を提示します。都外の医療機関や提示できなかった場合は、いったん支払って後から払い戻しを受ける方式になることがあります。
就業支援の申請
- まず市区町村(町村在住の場合は都道府県)のひとり親家庭福祉の担当課に相談します。
- 高等職業訓練促進給付金は、対象資格・養成機関・支給期間などの要件を確認し、修業開始後に申請します。
- 自立支援教育訓練給付金は、受講前に講座の指定を受ける必要があります。指定を受けてから受講し、修了後に費用を申請します。
- いずれも、母子・父子自立支援員などへの事前相談を経ることが前提です。自己判断で進める前に、必ず窓口で要件と手順を確認してください。
金額の計算例(複数ケース)
無料サンプルとは別の条件で、3つのケースを取り上げます。いずれも制度の理解を助けるための一例であり、実際の金額は所得・扶養人数・控除の状況・自治体の扱いによって変わります。
ケース1:お子さん2人で全部支給に該当する場合
お子さん2人を養育し、所得額が全部支給の限度内(扶養親族2人で 1,450,000円以下)に収まるケースを考えます。この場合は全部支給に該当します。
- 児童1人目:48,050円
- 第2子の加算:11,350円
- 合計:48,050円 + 11,350円 = 59,400円(月額)
お子さんが3人になった場合は、第3子以降の加算も第2子と同額のため、さらに 11,350円が加わり、合計 70,750円となります。
ケース2:お子さん2人で一部支給になる場合
お子さん2人を養育し、扶養親族が2人、所得額が 180万円のケースを考えます。全部支給の限度 1,450,000円は超えていますが、一部支給の限度 2,840,000円の範囲内のため、一部支給になります。
まず児童1人目を計算します。
48,050円 −(1,800,000円 − 1,450,000円)× 0.0264029
= 48,050円 −(350,000円 × 0.0264029)
= 48,050円 − 9,241.015円
= 38,808.985円 → 約 38,810円
次に第2子の加算を計算します。
11,350円 −(1,800,000円 − 1,450,000円)× 0.0040719
= 11,350円 −(350,000円 × 0.0040719)
= 11,350円 − 1,425.165円
= 9,924.835円 → 約 9,920円
合計は、38,810円 + 9,920円 = 48,730円(月額)が目安となります。第2子の加算は、本体ほど大きくは減らないことが分かります。
ケース3:就業支援を組み合わせて学び直すケース
お子さん1人を養育する非課税世帯の方が、2年間の養成課程に通って介護福祉士の資格取得を目指すケースを考えます。
- 高等職業訓練促進給付金:通常期間は月額 100,000円。最後の12か月は 40,000円増額され月額 140,000円。
- 1年目(12か月):100,000円 × 12 = 1,200,000円
- 2年目(最後の12か月):140,000円 × 12 = 1,680,000円
- 修了支援給付金(修了後):50,000円
- 訓練期間中の給付の合計:おおむね 2,930,000円
- これに加えて、要件を満たせば児童扶養手当やマル親も併せて利用できる場合があります。
このように、就業支援は学んでいる期間の生活を支える役割を持ちます。ただし、課税・非課税の区分や対象資格、養成機関の要件など条件が細かいため、必ず事前に窓口で確認してください。
よくある誤解・つまずきポイント
「所得が限度を超えたら手当はゼロ」ではない
児童扶養手当には全部支給と一部支給があり、全部支給の限度を超えても一部支給の限度内であれば、減額された手当を受け取れます。「限度を超えたから対象外」と早合点して申請しないと、本来受け取れたはずの金額を逃すことがあります。
「年金を受けていると児童扶養手当はもらえない」は古い情報
令和3年3月分から、年金額が児童扶養手当より少ない場合は差額を受け取れるようになっています。古い説明をもとに申請をあきらめないようにしてください。
児童扶養手当とマル親の所得制限は別物
この2つは別の制度で、所得制限の基準も別です。片方が対象外でも、もう片方は対象になることがあります。それぞれ個別に確認してください。
就業支援は「受講前の相談・指定」が必要なものがある
自立支援教育訓練給付金は、受講前に講座の指定を受ける必要があります。受講を始めてから申請しても対象にならないことがあるため、利用を考えたらまず相談することが大切です。
申請はさかのぼれないことが多い
児童扶養手当は、要件に該当した月の翌月分から支給され、原則さかのぼっての支給はありません。離婚・死別などで対象になったら、早めに申請することが受け取れる金額を左右します。
毎年の「現況届」を忘れない
児童扶養手当は、毎年8月に現況届を提出しないと支給が止まります。提出を忘れて支給が止まる例があるため、案内が届いたら必ず手続きしてください。
申請チェックリスト
制度や年、自治体によって必要書類が変わることがあるため、最終的には窓口で最新の案内を確認してください。
児童扶養手当(認定請求)で準備するものの目安です。
- 認定請求書(窓口で受け取ります)
- 戸籍謄本(請求者と児童のもの。離婚・死別等の事実がわかるもの)
- 世帯全員の住民票
- 請求者名義の預金通帳
- 年金手帳または基礎年金番号がわかるもの
- マイナンバーがわかるもの
- 本人確認書類
- (状況により)養育費に関する申告書など
ひとり親家庭等医療費助成(マル親)で準備するものの目安です。
- 申請書(窓口で受け取ります)
- 戸籍謄本など、ひとり親家庭等であることがわかる書類
- 健康保険証
- 所得を確認できる書類(課税証明書など。自治体により異なります)
- 本人確認書類・マイナンバーがわかるもの
就業支援(高等職業訓練促進給付金・自立支援教育訓練給付金)で確認・用意しておきたいことです。
- 事前に母子・父子自立支援員などへ相談したか
- 対象資格・対象講座の要件を満たしているか
- 自立支援教育訓練給付金は、受講前に講座の指定を受けたか
- 養成機関の在学証明・受講証明、費用の領収書など(制度により異なります)
- 課税・非課税の区分がわかる書類
よくある質問(FAQ)
制度の詳細や最新の要件は変わることがあり、自治体によって扱いが異なる項目もあります。最終的な判断の前には公式情報や窓口での確認をおすすめします。
Q1. 児童扶養手当は離婚していなくても受けられますか。
ひとり親家庭等が対象のため、離婚のほか、死別や、父または母が一定の障害の状態にある場合など、要件に該当すれば対象になり得ます。事実婚の状態にある場合などは対象外となることがあります。ご自身の状況が要件に当てはまるかは、窓口で確認してください。
Q2. 全部支給と一部支給の違いは何ですか。
所得が全部支給の限度内であれば、定められた満額(全部支給)を受け取れます。全部支給の限度を超えても一部支給の限度内であれば、所得に応じて減額された手当(一部支給)を受け取れます。一部支給の限度も超えると、その月は対象外になります。
Q3. お子さんが増えると手当はどのくらい増えますか。
令和6年11月の改正で、第2子と第3子以降の加算額が同額になりました。全部支給の場合、児童1人目が 48,050円、第2子・第3子以降はそれぞれ 11,350円ずつ加算されます(令和8年4月分から)。
Q4. パートやアルバイトを始めたら手当はすぐ止まりますか。
収入が増えても、所得が一部支給の限度内であれば、減額された一部支給として受け取れる場合があります。判定は給与収入そのものではなく控除後の所得額で行われるため、年収だけでは判断できません。収入が変わったら窓口に相談してください。
Q5. マル親と子ども医療費助成は両方使えますか。
多くの自治体では、ひとり親家庭等医療費助成(マル親)と、お住まいの自治体の子ども医療費助成のどちらかを選ぶ、あるいは併せて適用される形になります。扱いは自治体によって異なるため、どちらが有利になるかも含めて窓口で確認してください。
Q6. マル親はどんな医療費でも対象ですか。
保険診療の自己負担分が対象です。健康診断、予防接種、文書料、差額ベッド代など、健康保険が使えないものは対象外です。
Q7. 高等職業訓練促進給付金は、どんな資格でも対象ですか。
看護師・介護福祉士・保育士などの国家資格や、デジタル分野の一部民間資格など、就職に有利な資格が対象です。6か月以上のカリキュラムで修業することなどの要件があります。対象になるかは事前に窓口で確認してください。
Q8. 自立支援教育訓練給付金は受講した後に申請すればよいですか。
受講前に都道府県等から講座の指定を受ける必要があります。受講を始めてから申請しても対象にならないことがあるため、必ず受講前に相談してください。
Q9. 申請は自分でできますか。代行を頼む必要はありますか。
いずれの制度も、申請するのはご本人で、市区町村の窓口で自分で手続きできます。本記事は情報提供を目的としており、申請の代行や書類作成の代行は行いません。
Q10. 手当を受けると、ほかの支援が受けられなくなることはありますか。
児童扶養手当・医療費助成・就業支援は目的が異なる別々の制度で、要件を満たせば併せて利用できる場合があります。一方で、就業支援の給付金には課税・非課税の区分が関わるなど、制度どうしの関係で扱いが変わる点もあります。組み合わせて使う場合は窓口で確認すると安心です。
Q11. 引っ越したら手続きは必要ですか。
児童扶養手当もマル親も住所地の市区町村が窓口のため、転居の際は住所変更の届け出が必要です。手続きを忘れると支給に影響することがあるため、転居が決まったら早めに窓口に相談してください。
Q12. 児童手当とは別の制度ですか。
はい、別の制度です。児童手当は子育て世帯全般を対象とした手当で、児童扶養手当はひとり親家庭等を対象とした手当です。要件を満たせば両方を受け取れる場合があります。
出典一覧(URL・確認日)
本記事は以下の一次情報を確認した上で執筆しています。金額・要件は改定されることがあるため、申請前に必ず最新の公式情報をご確認ください。
- 児童扶養手当について(こども家庭庁)
https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya/fuyou-teate
確認日:2026年6月26日
- 高等職業訓練促進給付金のご案内(こども家庭庁)
https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya/syokugyou-kunren
確認日:2026年6月26日
- 母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について(自立支援教育訓練給付金。こども家庭庁)
https://www.cfa.go.jp/policies/hitori-oya/jiritsu-shien-kyuufukin
確認日:2026年6月26日
- 児童扶養手当(新宿区。令和8年4月分からの月額・所得制限・計算式を確認)
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kodomo/file03_04_00006.html
確認日:2026年6月26日
- 児童扶養手当(江東区。令和8年4月分からの月額・所得制限・年金併給を確認)
https://www.city.koto.lg.jp/281011/kodomo/kosodate/teate/6028.html
確認日:2026年6月26日
- ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)(東京都福祉局。助成内容・自己負担上限・対象を確認)
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/seikatsu/josei/maruoya
確認日:2026年6月26日
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言・税務助言・医療的判断を行うものではありません。記載した金額・所得制限・要件・支給時期は2026年6月26日時点の公開情報に基づくもので、改定されることがあり、また自治体によって扱いが異なる項目があります。制度の詳細・最新の要件・申請手続きについては、お住まいの市区町村の窓口または各公式サイトに直接ご確認ください。手当・助成・給付金は要件を満たした場合に支給されるもので、申請すれば必ず満額を受給できることを保証するものではありません。