空き家の補助金を自治体から受け取るまで(活用・リフォーム・解体の種類と申請の実務)

本記事は2026年6月27日時点の公開情報に基づきます。金額・要件・受付期間はいずれも変更されることがあるため、申請前に必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。

この記事が整理すること

空き家を相続した、あるいは実家を誰も使わなくなった。そうした状況で「補助金が使えると聞いたが、どこに問い合わせればいいかわからない」「解体すると税金が上がると聞いた」「リフォームしてから貸したいが費用が心配」という声は珍しくありません。

空き家に関する補助は国が一律に定めているのではなく、各市区町村が独自に設けています。そのため全国共通の「いくらもらえる」という答えはなく、住んでいる(または空き家がある)自治体の制度を調べることが出発点になります。

この記事では、補助の種類(活用・リフォーム・解体)ごとに何が対象になるかを整理し、自治体補助を探すための判断軸と実際にいくつかの自治体の制度を例として示します。また、解体補助を申請するまでの手順を1ケース完全公開します。本記事は制度の情報提供にとどまり、申請書類の作成代行・個別手続きの代行は行いません。

制度の全体像

空き家に使える補助は、大きく3種類に分けて考えられます。

1つ目は「活用・リフォーム補助」です。空き家をリフォームして居住用や地域活動の場として使う場合に、改修費の一部を補助する制度です。移住者向け、子育て世帯向け、福祉施設向けなど、目的を絞って補助率や上限額を変えている自治体が多くあります。

2つ目は「解体(除却)補助」です。老朽化が進み、放置すると危険な状態になった空き家を解体する費用を補助する制度です。多くの自治体では、単に「使っていない空き家」では対象にならず、行政が「特定空家」や「管理不全空家」に認定した、または一定の不良度を満たすと判定された建物が対象になります。

3つ目は「跡地活用・売却補助」です。解体後の土地を地域で活用する計画がある場合や、空き家を売却して市場に流通させる際の費用を補助する制度で、一部の自治体が設けています。

いずれも、申請の窓口は「空き家がある市区町村」です。国に直接申請する個人向けの補助金制度は現在のところ存在せず、国の予算は自治体を通じて間接的に活用されています。

国の法的枠組み:空家等対策特別措置法

補助制度の背景にある法律として、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)」があります。同法は2023年12月13日に改正法が施行され、主に2点が変わりました。

1点目は「管理不全空家」という区分の新設です。従来の「特定空家」(倒壊の危険や著しい衛生上の問題があると認定された空き家)より手前の段階で、市区町村が所有者に指導・勧告できるようになりました。勧告を受けた管理不全空家は、土地の固定資産税の「住宅用地特例」が解除され、税負担が増加することがあります。

2点目は「空家等活用促進区域」の創設です。市区町村がこの区域を設定することで、空き家の用途変更や建替えを柔軟に進めやすくなりました。

この改正により、「放置すると指定されて税負担が増える」というリスクが顕在化し、解体・活用補助を利用する動きが一部の地域で加速しています。

固定資産税と住宅用地特例の注意点

空き家を解体するかどうか迷う理由のひとつに「解体すると固定資産税が増える」という話があります。

住宅が建っている土地は「住宅用地特例」が適用され、小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)では固定資産税の課税標準が1/6に、一般住宅用地(200平方メートルを超える部分)では1/3に軽減されています。建物を解体してしまうとこの特例が外れ、土地の税負担が増えることがあります。

ただし、「管理不全空家」に指定されて勧告を受けた場合は、建物があってもすでに住宅用地特例が外れることがあります。また、解体後に地域活性化のために土地を活用する計画がある場合などは、自治体によって特例の扱いが異なることがあるため、解体前に自治体の税務・住宅担当窓口に確認することをおすすめします。

自治体補助の全体イメージ(複数自治体の例)

以下は、2026年6月27日時点で公式サイトを確認した自治体の例です。いずれも制度の内容は年度ごとに変わる可能性があります。

自治体補助の種類補助率の目安上限額の目安確認日
愛知県豊田市解体1/252万円2026-06-27
愛媛県松山市解体(老朽危険空家)4/5100万円(島しょ部160万円)2026-06-27
宮城県仙台市解体(特定空家等)1/350万円2026-06-27
新潟県新潟市活用(移住定住)1/2100万円(リフォーム)+100万円(購入)2026-06-27
新潟県新潟市活用(子育て世帯住替え)1/2100万円(購入)+25万円(リフォーム)2026-06-27

この表から見えるように、補助率・上限額ともに自治体によって大きく異なります。「どこも同じくらいもらえる」とは言えず、お住まいの自治体の制度を個別に確認することが不可欠です。

【無料サンプル】相続した空き家の解体補助を自治体に申請するまでの手順を1ケース完全公開

ここでは、相続によって空き家を引き継いだAさんが、市区町村の解体補助を申請し、工事完了・補助金受取まで動いた流れを、実際の手順に沿って解説します。自治体ごとに細かい手順は異なりますが、多くの制度に共通する標準的な流れを示します。

ケースの前提

Aさん(50代)は、両親が住んでいた戸建て住宅を相続しました。建物は築45年で、近年は空き家状態が続き、屋根の一部に傷みがあります。自治体の補助金を使って解体できないかと調べ始めました。

手順1:自治体の補助制度の有無を確認する

まず「空き家がある市区町村の名前+空き家+解体補助(または除却補助・助成金)」でウェブ検索をするか、直接市区町村の住宅担当課に電話して制度があるかどうかを確認します。制度があれば、窓口で「申請の手引き」や「交付要綱」を入手します。

Aさんが調べた自治体では、補助率1/2・上限50万円の解体補助がありました。ただし対象になるのは「特定空家等に指定された、または市が定める不良度判定基準を満たす」建物のみと書かれていました。

手順2:現地調査(不良住宅判定)の申請をする

解体補助の多くは、建物が一定の危険度・老朽度を持つことを市職員や専門家が確認する「不良住宅判定」または「現地調査」を経ることが前提になっています。

Aさんは窓口で「不良住宅判定申請書」を受け取り、必要事項を記入して提出しました。申請から2〜3週間後、市の職員が現地に来て建物の状態を確認しました(Aさんの立ち合いが必要でした)。

判定の結果、「不良度100点以上・補助対象」という通知が届きました。

手順3:補助金の「交付申請」をする

判定結果の通知を受けたら、次に「補助金交付申請書」を提出します。ここで注意が必要なのは、「この申請をして交付決定を受けるまで、工事の契約・着工をしてはいけない」という点です。交付決定前に着工した場合は補助の対象外になる自治体がほとんどです。

Aさんは申請書に、固定資産税課税台帳の証明書・登記事項証明書・印鑑証明書・現場の写真などを添えて提出しました。必要書類の種類は自治体によって異なるため、申請書類一覧を事前に確認しておくことが大切です。

手順4:「交付決定通知」を受け取る

申請から数週間後、市から「補助金交付決定通知書」が届きました。この通知が届いて初めて、工事業者との契約・着工が可能になります。

Aさんは通知の到着を確認してから解体業者と工事請負契約を結び、着工日を決めました。

手順5:解体工事を実施する

工事は業者に任せますが、業者が市内事業者に限定されている自治体もあります(松山市の例では、市内に住所または事業所がある業者が条件)。事前に自分の自治体の条件を確認しておきましょう。

Aさんは工事の前・中・後で写真を撮影しておくよう業者に依頼しました(実績報告に写真が必要なケースがあるため)。

手順6:実績報告書と請求書を提出する

工事完了後、自治体が定める期限内(工事完了から1か月以内・かつ年度末の2〜3月まで等)に「実績報告書」を提出します。工事前後の写真・完了証明書・工事費の領収書・業者への支払証明などを添付します。

実績報告書の審査が通ると「確定通知」が届き、続けて補助金の「請求書」を提出します。

手順7:補助金が振り込まれる

請求書の提出から数週間後、Aさんの口座に補助金が振り込まれました。補助金の金額は、実際の工事費と当初の交付決定額のいずれか低い方が上限になります。

工事費が予定より下がった場合は補助金も少なくなるケースがあるため、最終的な金額は実績報告の審査後に確定します。

このケースから見えるポイント

申請から補助金受取まで、最短でも数か月かかります。工事をいつ着工したいかから逆算して、余裕をもって動き始めることが大切です。また、申請の締め切りがある自治体では年度途中で受付が終わることもあるため、早めに問い合わせることをおすすめします。

ここから先は、申請に直結する実務です。

補助の種類(活用・リフォーム・解体)ごとの違いと使い分け

補助の種類によって「誰が申請できるか」「何に使えるか」「いつまでに申請が必要か」が変わります。

活用・リフォーム補助の特徴

空き家を何らかの形で使い続けることを条件に、改修費を補助する制度です。以下のような目的に応じて補助の条件が変わる傾向があります。

移住・定住を促進するための補助では、対象を「空き家バンクに登録された物件を購入または賃借して改修する移住者」に限定している自治体が多くあります。新潟市の例では、移住定住活用タイプとして購入補助(上限100万円)とリフォーム補助(上限100万円)を組み合わせることができ、条件を満たせば合計200万円まで補助を受けられます(令和8年4月20日から先着順受付・予算に達し次第終了)。

地域活動や福祉のための補助では、空き家を地域の集会所や福祉施設として活用する計画に対して補助するケースがあります。新潟市では福祉活動活用タイプ・地域活動活用タイプとして補助率1/3・上限100万円(耐震改修時は200万円)を設けています。

子育て世帯向けの補助では、若い世帯が空き家を取得・改修することを後押しする目的で、補助率を一般世帯より高く設定している自治体があります。新潟市では住替え活用タイプ(子育て世帯)として購入補助1/2・上限100万円とリフォーム補助1/2・上限25万円を設けています。

活用・リフォーム補助で共通して注意したいのは、「補助金交付決定前に工事を始めると対象外になる」点と、「空き家バンクへの登録が条件になっている場合、登録手続きを先に済ませる必要がある」点です。

解体(除却)補助の特徴

老朽化した空き家を取り壊す費用を補助する制度です。多くの場合、対象になるのは「管理不全空家」「特定空家」に認定された建物、または市区町村が定める不良度判定基準を満たす建物です。状態が良好な空き家、使い道があれば活用できる空き家は対象にならないことが多くあります。

補助率と上限額の幅を実例で見ると、豊田市(上限52万円・補助率1/2)、仙台市(上限50万円・補助率1/3)、松山市(上限100万円・補助率4/5)と、自治体によって大きな差があります。対象の危険度が高い建物ほど補助率が高い傾向がありますが、これも自治体によって考え方が異なります。

解体補助で押さえておきたいのは、解体後の土地の固定資産税が上がる可能性がある点です(住宅用地特例の解除)。補助金で解体費用を賄えても、その後の土地維持コストが増えることがあるため、解体後の土地をどう扱うかを決めてから申請の検討に入ることをおすすめします。

跡地活用補助の特徴

解体後の土地を地域に開放したり、公共的な用途に使ったりする計画と組み合わせて補助が出る仕組みです。一部の自治体では解体補助と跡地活用補助を組み合わせて申請できますが、対象となるのはあくまで計画が明確にある場合に限られます。新潟市の跡地活用タイプでは補助率1/3・上限50万円が設けられていますが、利用できる条件は個別に確認が必要です。

自治体補助の探し方

手順1:空き家がある市区町村を特定する

補助金は「空き家のある場所の市区町村」が実施するものです。自分が住んでいる場所ではなく、空き家が所在する自治体を確認します。

手順2:市区町村の公式サイトを探す

「○○市(町・村) 空き家 補助金(または助成金・除却補助)」でウェブ検索するか、市区町村の公式サイト内で「住宅」「空き家対策」のページを探します。

見つからない場合は、市区町村の代表番号に電話して「空き家の補助制度はありますか?担当はどの課ですか?」と聞くのが確実です。

手順3:国土交通省の情報も参考にする

国土交通省は「空き家再生等推進事業」として、自治体が空き家の活用・除却を支援するための交付金制度を設けています。自治体がこの交付金を活用して補助制度を設けているケースもあるため、自分の自治体が何を実施しているかを確認する際の参考になります。

国土交通省が整理している「空き家・空き地のページ」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html)には法律や参考資料が掲載されています。

都道府県のサイトが自治体別の補助一覧をまとめているケースもあります(愛知県のページには市町村の支援制度が一覧化されています:https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jutakukeikaku/akiya-support.html)。

手順4:問い合わせのポイント

問い合わせの際に確認しておきたい項目は以下の通りです。

申請の流れ(活用・リフォーム補助の場合)

活用・リフォーム補助の場合、解体補助と手順の大枠は共通していますが、いくつか異なる点があります。

まず、空き家バンクへの登録が条件になっている制度では、登録手続きを先に済ませる必要があります。空き家バンクとは、市区町村が運営する「売りたい・貸したい空き家と、買いたい・借りたい人をつなぐ仕組み」です。登録した物件を購入または賃借してリフォームする場合に補助が受けられる制度では、登録から売買・賃貸契約・補助申請という順番になります。

次に、工事業者の選定と見積もりを補助申請の前に進める必要があります。補助申請には「工事見積書」や「工事箇所の図面」が必要なケースが多く、業者選定を先行させます。ただし、「工事の請負契約は交付決定後に結ぶ」という制約があるため、契約の時期について業者とあらかじめ共有しておく必要があります。

補助申請・交付決定・工事着工・完了報告・補助金受取という流れは解体補助と共通です。

必要書類の一般的な一覧

自治体によって異なりますが、多くの補助制度で求められる書類の目安は以下の通りです。

補助申請時に多い書類(目安):

実績報告時に多い書類:

書類の名称や様式は自治体ごとに異なります。申請書類の一覧は窓口や公式サイトで必ず確認してください。

補助金額の計算例(解体補助)

補助金は「上限額が書いてある=その額がもらえる」ではありません。実際の受取額は「対象工事費に補助率をかけた額」と「上限額」のうち低い方になります。仕組みを数字で確認しておくと、見積もりを取ったあとに金額の見通しが立てやすくなります。

ここでは出典で確認した実在の制度(豊田市:補助率1/2・上限52万円、仙台市:補助率1/3・上限50万円、松山市:補助率4/5・上限100万円)の数値を使い、工事費が違うと受取額がどう変わるかを示します。工事費はあくまで計算を示すための仮の前提です(実際の解体費は建物の構造・面積・立地で大きく変わります)。

例1:解体工事費が80万円だった場合

例2:解体工事費が150万円だった場合

この2つの例からわかることは2点あります。1点目は、補助率が同じでも工事費が上限を超えると「上限額で頭打ち」になることです。2点目は、補助率が高い自治体(松山市の4/5など)ほど、同じ工事費でも自己負担が小さくなることです。逆に言うと、補助率の低い制度では工事費が大きくても受取額は上限で止まり、自己負担が大きく残ります。

なお、補助対象になるのは多くの場合「解体工事費」そのもので、家財の撤去費・残置物処分費・登記費用などは対象外になる制度が一般的です。見積書を取るときは「補助対象になる工事費」と「対象外の費用」を業者に分けて記載してもらうと、受取額の計算が正確になります。

解体後の固定資産税も合わせて試算する

解体補助で工事費の一部が戻っても、翌年度から土地の固定資産税が上がることがあります(住宅用地特例の解除)。判断するときは「補助でいくら戻るか」だけでなく「解体後に毎年いくら増えるか」も合わせて見ておくと、長い目での損得が見えやすくなります。

固定資産税は「課税標準額 × 税率(標準1.4%)」で計算され、住宅が建つ土地は課税標準額が小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)で1/6に軽減されています。解体でこの軽減が外れると、その部分の課税標準額は最大で6倍になり、税額も連動して増えます。具体的な増加額は土地の評価額・面積・自治体の税率で変わるため、正確な金額は市区町村の税務窓口で「この土地を更地にすると固定資産税はいくらになりますか」と確認するのが確実です。試算の数値は自分で推測せず、必ず窓口で確認した数字を使ってください。

申請書の記入例(解体補助の交付申請書)

申請書の様式は自治体ごとに異なりますが、解体補助の「交付申請書」で書く項目はおおむね共通しています。実際に窓口でつまずきやすいのは、記入欄そのものより「どの数字をどこから持ってくるか」です。代表的な記入欄と、書く内容の考え方を整理します。以下は様式の一例として項目を示すもので、正式な様式・記入方法は必ず各自治体の手引きに従ってください。

記入で迷いやすいのが「補助金交付申請額」です。ここに上限額をそのまま書いてしまう人がいますが、工事費に補助率をかけた額が上限より低ければ、その低い方の額を書きます。上限額を書いて提出しても、審査で対象経費に補助率をかけた額まで減額されるため、最初から正しい計算で書いておくと差し戻しを避けられます。

よくある誤解・つまずきポイント

「国の補助金に申し込みたい」と思っていた

国が個人に対して直接支給する「空き家補助金」は現在のところ存在しません。補助の窓口はあくまで空き家が所在する市区町村です。国の制度は自治体に対する交付金として機能しており、自治体がその財源を活用して補助制度を設けるという仕組みになっています。

「使っていない建物なら何でも補助対象になる」と思っていた

解体補助の多くは、一定の危険度・老朽度が認められる建物を対象にしています。比較的状態が良好な空き家、倒壊の危険がない建物は対象外になることが多くあります。活用・リフォーム補助でも、空き家バンクへの登録が条件だったり、特定の利用目的(移住者向け・地域活動用など)に限定されていたりします。

「工事が終わったあと申請すればいい」と思っていた

補助金の多くは「着工前に申請・交付決定を受けることが条件」です。すでに工事を発注した・着工したという段階では申請できないことがほとんどです。補助を使う予定があれば、業者を探し始めたり見積もりを取り始めたりする前の段階で自治体窓口に相談することをおすすめします。

「解体すれば固定資産税が減る」と思っていた

逆です。空き家を解体すると、土地の固定資産税の「住宅用地特例」が外れ、土地の税負担が増えることがあります。ただし、管理不全空家・特定空家に指定されて勧告を受けると、建物があっても住宅用地特例が外れる場合があります。解体と税負担の関係は、事前に自治体の税務窓口に確認しておくことが重要です。

「補助上限が50万円と書いてあるから必ず50万円もらえる」と思っていた

補助金の上限額はあくまで「最大でいくらまで補助が出るか」の上限です。実際の補助額は工事費に補助率をかけた金額で、工事費が低ければ補助金も少なくなります。また、予算に達すると申請受付が終了する制度もあります。申請タイミングが遅いと受付終了になることもあるため、早めに動き始めることが大切です。

申請チェックリスト

空き家の補助金申請を進める際の確認事項をまとめます。自治体の制度内容は年度ごとに変わるため、最新の要綱・申請書類を窓口で入手した上で確認してください。

事前確認(窓口への問い合わせ前):

制度の確認(窓口への問い合わせ後):

申請手続き中:

工事・実績報告:

よくある質問(FAQ)

Q1. 空き家を相続したばかりで、まだ登記の名義変更をしていません。申請できますか。

相続登記が済んでいない場合、法定相続人としての証明書(戸籍謄本等)を添付することで申請できる自治体があります。ただし、2024年4月から相続登記が義務化されているため、手続きの優先順位や申請要件は個別に窓口へ確認することをおすすめします。

Q2. 「特定空家」や「管理不全空家」に指定されていないと解体補助は使えませんか。

自治体によって異なります。特定空家・管理不全空家の指定を前提にした制度もあれば、市が独自に行う「不良住宅判定」で一定の基準を満たせば対象になる制度もあります。まずは自治体の窓口に空き家の状態を伝えて相談するのが確実です。

Q3. 補助金を受けたあと、何年間か売却してはいけないといった縛りはありますか。

制度によっては、補助を受けた後一定期間は目的外使用の禁止や売却・転用の制限が課されるものがあります。特に活用補助でリフォームした物件を「移住者向けに使う」という条件で補助を受けた場合、その用途を変えると返還を求められることがあります。申請前に要綱の「維持管理義務」や「返還条件」を確認してください。

Q4. 工事業者は自分で選んでいいですか。

多くの制度では、建設業の許可を持つ業者であれば自由に選べます。ただし「市内に住所または事業所がある業者に限る」という条件がある自治体もあります(松山市の例)。また、解体工事はリサイクル法(建設リサイクル法)に基づく届出が必要な場合があり、対応できる業者かどうかを確認しておくと安心です。

Q5. 補助金の申請と固定資産税の住宅用地特例の関係を教えてください。

解体補助を申請して建物を取り壊すと、原則として住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が増えることがあります。一方、管理不全空家・特定空家に指定されて勧告を受けている場合は、すでに特例が外れている可能性があります。解体のタイミングと税負担の変化については、補助申請の担当窓口と市区町村の税務窓口の両方に確認することをおすすめします。

Q6. 複数の補助金を組み合わせることはできますか。

同じ工事に対して、同種の補助金を二重に受け取ることは通常できません。ただし、国の制度(交付金を活用した自治体補助)と自治体独自の制度の組み合わせは、制度ごとに可否が異なります。また、解体補助と跡地活用補助を組み合わせて申請できる自治体もあります。窓口で「他の補助と併用できますか」と具体的に確認することが重要です。

Q7. 賃貸として活用するためのリフォームに補助は使えますか。

移住者向け・定住促進を目的にした制度では、賃貸物件として貸し出すためのリフォームが対象になるケースがあります。新潟市の移住定住活用タイプのように、購入ではなく「空き家バンクを通じた賃貸契約」を前提にした制度もあります。ただし、短期的な賃貸(民泊など)を想定した利用は補助対象外になることが多いです。

Q8. 申請は自分でできますか。専門家に頼まなければいけませんか。

補助申請自体は、書類を整えて窓口に提出するもので、原則として本人(または相続人)が自己申請する制度です。書類の準備が複雑に感じる場合は、自治体の住宅担当窓口に相談すると必要書類を丁寧に教えてもらえることが多いです。

不動産の権利関係が複雑な場合(共有持分が多い、相続人が複数いて同意が取れていないなど)は、司法書士や弁護士への相談が役立つ場合があります。申請書類の作成代行については、本記事は行いません。

Q9. 2026年度の制度はいつまで受け付けていますか。

制度によって締め切りが異なります。年度末(3月末)まで受け付けるものもあれば、予算に達し次第終了するものもあります。松山市(令和8年度)は第1期が6月30日まで、第2期が8月3日からという段階的な受付でした。自治体の公式サイトで最新の受付状況を確認してください。

出典一覧(URL・確認日)

本記事は以下の一次情報(公式サイト)を確認した上で執筆しています。

  1. 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html

確認日:2026年6月27日

  1. 国土交通省「住宅:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html

確認日:2026年6月27日

  1. 国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」(PDF)

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001712029.pdf

確認日:2026年6月27日

  1. 愛知県豊田市「豊田市空家解体促進費補助金」

https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/sumai/teiju/1036825.html

確認日:2026年6月27日(令和8年度申請受付中)

  1. 愛媛県松山市「老朽危険空家除却事業(令和8年度)」

https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kurashi/hojokin/akiyajokyaku.html

確認日:2026年6月27日

  1. 宮城県仙台市「令和8年度 仙台市特定空家等除却促進補助事業について」

https://www.city.sendai.jp/shiminsekatsu/kurashi/anzen/anzen/akiya/jokyaku.html

確認日:2026年6月27日

  1. 新潟県新潟市「空き家活用推進事業」

https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/jyutaku/jukankyo/yushi_josei/akiyakatsuyo.html

確認日:2026年6月27日(令和8年4月20日受付開始・先着順)

  1. 京都市「空き家等の活用・流通補助金について」

https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000352547.html

確認日:2026年8月12日(令和6・7年度の2年間限定事業で、京都市は令和8年度の実施予定なしと明記)

  1. 愛知県「市町村の支援制度(空き家)」

https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jutakukeikaku/akiya-support.html

確認日:2026年6月27日

  1. 東京都「補助金一覧|東京都 空き家情報サイト」

https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/akiya/hojo

確認日:2026年6月27日

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、個別の申請代行・書類作成代行・法律的助言・税務的助言を行うものではありません。制度の詳細・最新の要件・申請手続きについては、各自治体の公式サイトまたは担当窓口(市区町村の住宅課・まちづくり課等)に直接ご確認ください。補助金の採択・給付は予算の範囲内で行われるものであり、要件を満たした場合でも必ず受給できることを保証するものではありません。相続・登記・法律問題については、司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。